おなら③お腹の張りは病気?考えられる5つの原因とは?膨満感の対処法2選&ガスが溜まって出ないときの5つの対処法を紹介します!!
お腹が張るというのは、多くの方が経験済みではないでしょうか?慢性化してくると、病院に行った方がいいのか悩みますね。お腹が張る状態のことを膨満感とも言いますが、その理由は様々。実は病気が隠れていることもあるので、注意が必要なんです。
今回の記事では、お腹が張る原因と、そのうちの一つである「ガスが溜まって出ない」ときの対処法についてもまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
「おなら①」では、おならの臭いについて書きました↓↓
おなら①臭いおならと臭わないおならがあるって知ってた?臭いおならの原因と改善策とは?
この記事の目次
- 1.お腹の張りは病気なの?
- 2.お腹が張る5つの原因
- 3.お腹の張りを解決するには?
- 4.まとめ
- 5.おわりに
お腹の張りは病気なの?
お腹の張りには2種類ある
お腹の張りには次の2種類があります。
〇臓器が膨れている
〇腹腔が膨れている
胃や腸や子宮などお腹の臓器が膨れている場合と、腹腔というお腹の臓器を包んでいる空間が膨れている場合とがあります。
胃や腸が張っている
ガス溜まりや便秘、胃腸の疾患の可能性があります。
子宮が張っている
生理や子宮筋腫腹腔の可能性があります。
腹腔が張っている
水が溜まっている可能性があります。
お腹が張る原因って?
快便なのにお腹が張って苦しいという経験はありませんか? 医学用語では「腹部膨満感」。お腹が張る原因には、次のようなことが考えられます。
①大量の空気を取りこんだから
②腸内細菌の活動によるガスの発生
③便秘
④生理
⑤胃腸の疾患や機能障害
お腹が張る5つの原因
腹部膨満感の原因は様々ですが、主なものを5つご紹介します。症状によっては受診が必要な場合もあります。
①大量の空気を取りこんだから
お腹にガスが溜まる1つめの理由としては、飲食の際に空気を一緒に取りこんでしまうこと。 通常はおならや呼吸によって排出されますが、産生と排出のバランスが崩れてガスが溜まり過ぎた状態になり、お腹が張って苦しいということがあります。
また、無意識のうちに空気を大量に飲み込むことでおならやげっぷが増えるという疾患「呑気症」の可能性も。緊張やストレスで必要以上に空気を飲み込んでしまったり、早食いをしたりすることなどが原因だと言われています。
②腸内細菌の活動によるガスの発生
2つ目の理由は、腸内細菌が食べ物を分解したときに出るガスが通常よりも多量であること。 腸内細菌の主な栄養素は炭水化物です。炭水化物とは糖類と食物繊維の総称。腸内細菌は、糖質や食物繊維を分解してエネルギーに変えています。このときエネルギーと同時に作り出されるのがガス。特に腸内環境が悪化して悪玉菌が増えると、異常発酵によって腐敗ガスが発生します。
また、食物繊維の摂り過ぎもガスが溜まる要因に。食物繊維は、小腸で消化・吸収されずに大腸までダイレクトに届く成分。未消化の食物繊維が大腸に溜まると、ガスを発生しやすくなります。
③便秘
消化管の運動機能が低下して便秘になると、便やガスが体外に排出されずにお腹に溜まり、お腹が張った状態になります。
④生理
女性は、生理の時にお腹が張ることが多いです。子宮付近に張りがある場合は、筋腫の可能性もあります。
⑤胃腸の疾患や機能障害
注意しなければならないのは炎症が起こっていたり、次に挙げるような危険な病気が隠れていたりする可能性があること。少し休んでみてもお腹が苦しいときや、痛みがあるときは病院に行きましょう。特に、強い痛みや出血を伴う場合は必ず受診するようにしてください。主な受診科目は、内科、消化器内科、消化器外科、胃腸内科です。
〇腸閉塞
〇イレウス
〇腹水
〇胃腸炎
〇流動性食道炎
〇過敏性腸症候群
〇機能性ディスペプシア
〇がん
〇腸閉塞
〇イレウス
腸閉塞やイレウスは、腸の一部が狭窄したり詰まったりして、便やガスが肛門まで達することができない状態。腸閉塞やイレウスになると、便もおならも出ません。腹痛や吐き気を生じることも。診断は、レントゲンによって行います。
〇腹水
お腹にある臓器を包んでいる膜のことを腹膜といいます。腹膜は、臓器と臓器の摩擦を少なくするために隙間を作っており、これを腹腔といいます。
健康な人でも、腹腔には50ml程度の水が入っています。腹水とは、通常よりも多く溜まってしまった状態のこと。肝臓の疾患、腹膜の炎症、膵臓の炎症、ネフローゼ、卵巣腫瘍が原因となっていることがあります。
〇胃腸炎
胃腸の粘膜に炎症が生じる疾患。腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、膨満感などの症状が出ます。大きく分けると、ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎とがあります。
〇流動性食道炎
胃酸など、胃の内容物が食道に逆流することにより、食道粘膜に炎症を起こす疾患。お腹の張りの他、胸やけ、 呑酸(酸味や苦味が上がってくる感じ) 、 のどの違和感、つかえ感、咳などの症状がみられます。加齢や生活習慣などに原因だと言われており、再発を繰り返しやすいという特徴があります。炎症が長期間続くと食道がんの発症リスクが高まるため、注意が必要です。
〇過敏性腸症候群
大腸に腫瘍や炎症などの病気はないのですが、腹痛やお腹の張り、下痢や便秘が慢性的に続く状態。便秘型、下痢型、混合型、分類不能型の4つのタイプに分類されます。詳しい原因は分かっていませんが、ストレスがきっかけで症状が出ることが多いです。
〇機能性ディスペプシア
食後にお腹が張る、少量で満腹になる、ゲップが出る、胃もたれなどの症状が慢性的に続く疾患。胃カメラ検査などで炎症がみられません。食べ過ぎ、飲み過ぎ、早食い、ストレスなどが原因と言われています。以前は適切な治療法がありませんでしたが、現在は治療薬ができています。
〇がん
膨満感は大腸がんの症状のひとつです。お腹が張るということに加えて、便に血が混ざる、便が細くなる、腹痛が続く、理由がなく体重が減少するなどの症状がみられたら、速やかに医師に相談しましょう。また、がんになるとお腹に水がたまる「腹水」と呼ばれる症状が見られることがあります。
お腹の張りを解決するには?
膨満感の原因が疾患の場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。今回は、それ以外の「お腹にガスが溜まった状態」の対処法についてみていきます。
①ガスを溜めないようにする
②ガスを排出できるようにする
①ガスを溜めないようにする
お腹にガスが溜まる1つめの理由としては、飲食の際に空気を一緒に飲み込んでしまうこと。2つ目の理由は、腸内細菌が食べ物を分解したときに出るガスが通常よりも多量であることです。 これらの改善策は次の通り。
①飲食の際の空気の飲み込みに注意する
②便秘をしない
③食物繊維の摂取量を調整する
④動物性食品を摂りすぎない
⑤ストレスを溜めない
⑥適度な運動をする
⑦お腹を温める
詳しくはこちらの記事にまとめました。参考にしてください↓↓
おなら②おならが多いのはなぜ?おならが出過ぎるのは病気?止まらないおならの6つの原因と7つの対策とは?
②ガスを排出できるようにする
次に、ガスが溜まっているけれど排出することができない場合の対処法についてみていきます。ガス抜きの方法はいくつかあります。
〇ストレッチ
〇マッサージ
〇ツボ
〇うつぶせ寝
〇トイレで
〇ストレッチ
ヨガを経験したことがある方にとってはメジャーな方法ですが、「ガス抜きのポーズ」が効果的です。
・あおむけに寝て、両ひざを抱える
・息を吐きながらひざをお腹に引き寄せて上体を起こす
このとき、太ももを下腹に押しつけ、お尻を持ち上げた状態で腹式呼吸を5回行う
・体を元に戻し、息を吸って繰り返す
「ねじりのポーズ」もぜひ取り入れてみてください。腹圧をかけることを意識しながら行いましょう。
・両足を伸ばして座る
・左膝を立て、右足の外側に置く
・右手で左足を抱え、左手をおしりの後ろにつく
・息を吐きながら上体を左にねじって呼吸を5回行う
・ 体を元に戻し、 反対側も同様に行う
〇マッサージ
・右半身を下にして横向けに寝る
右腕を曲げて頭の下に置く
・左手でおへその周りを時計回りに円を描くようになでる
・5分くらい続ける
〇ツボ
「関元」と「大腸愈」という2つのツボをご紹介します。
「関元」はお腹側にあるツボ。おへそから真下に指4本分のところです。両手の四指を重ね、息を吐きながら指圧します。
「大腸愈」は背中側にあるツボ。ウエストから指4本分下、背骨から左右に指2本分のところです。両手を腰に当て、親指で指圧します。
〇うつぶせ寝
・うつぶせになって腹圧をかける
・うつぶせのまま左右にゴロゴロ転がる
〇トイレで
トイレで行うガス抜きのポーズもご紹介します。
・トイレに座り、太もものつけ根に指4本をおく
・そのまま上半身を前に倒す
・おへその下辺りまで指を動かしながら押し込んでいく
まとめ
■お腹の張りには2種類ある
〇臓器が膨れている
〇腹腔が膨れている
■お腹が張る5つの原因とは
①大量の空気を取りこんだから
②腸内細菌の活動によるガスの発生
③便秘
④生理
⑤胃腸の疾患や機能障害
■お腹の張りで考えられる病気って?
〇腸閉塞
〇イレウス
〇腹水
〇胃腸炎
〇流動性食道炎
〇過敏性腸症候群
〇機能性ディスペプシア
〇がん
■お腹の張りの解決方法2つ
①ガスを溜めないようにする
②ガスを排出できるようにする
■ガスを溜めないようにするには?
①飲食の際の空気の飲み込みに注意する
②便秘をしない
③食物繊維の摂取量を調整する
④動物性食品を摂りすぎない
⑤ストレスを溜めない
⑥適度な運動をする
⑦お腹を温める
■ガスを排出できるようにするには?
〇ストレッチ
〇マッサージ
〇ツボ
〇うつぶせ寝
〇トイレで
おわりに
おなかが張って苦しいという経験をした方は多いと思います。慢性化すると、病気ではないか?受診するべきか?と悩みますね。その原因は様々。今回は、原因について分かりやすくまとめました。病気が疑われる場合は、速やかに医師に相談しましょう。
ガスが溜まって排出できない場合の対処法についてもご紹介しましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事へのコメントはありません。