乳酸菌たっぷり『発酵もやし』。これって失敗?成功?経験をふまえながらお伝えします!!
健康への関心の高まりとともに、発酵食品が注目されています。手作りするのは難しそうに感じますが、『発酵もやし』はとても簡単。ただし、ちょっとしたポイントを抑える必要があります。私も何回も失敗を繰り返してきました。
その経験をふまえながら、気をつけることや工夫していることなどをお伝えしますね。そして、発酵食品を作り始めると悩むのが、「成功か?失敗か?」の見極め。こちらも記事にしますので、ぜひ参考にしてください!!
この記事の目次
- 1.『発酵もやし』ってなに?
- 2.『発酵もやし』が成功した状態って?
- 3.『発酵もやし』が失敗した状態って?
- 4.失敗しないためのポイントとは?
- 5.発酵と腐敗の違いって?
- 6.まとめ
- 7.おわりに
『発酵もやし』ってなに?
『発酵もやし』ってなに?
それでは早速、『発酵もやし』の作り方をご紹介します。材料はもやしと塩の2つだけ。作り方も次の2ステップ。とてもシンプルなんです。
〇もやしに分量の塩と水を入れて混ぜ
〇発酵させるだけ!!
もやしは、全国至るところで季節に関係なく入手することができ、しかも安価!!節約レシピでもたびたび登場する食材です。一見栄養価が低そうに見えますが、ちゃんとカラダに必要な成分が含まれています。
それが、発酵させることでさらにパワーアップ!安くて手に入れやすいもやしを使って発酵食品を作ることができるなんて、嬉しいですね。自分で発酵させるというのはハードルが高そうですが、ポイントをおさえれば簡単です。
詳しい作り方については乳酸菌たっぷり『発酵もやし』の作り方って?材料はもやしと塩の2つだけ!!をご覧ください!!
発酵もやしを手作りすることのメリットとは?
『発酵もやし』を作るメリットって何でしょう?私は次の3つだと思っています。
①安心&安全である
②発酵させることで、栄養価が高まる
③おいしい!!
市販の商品は、大量生産が必須。また流通上、一定の品質を保持しなければなりません。そのために材料が遺伝子組み換えだったり、添加物が入っていたりするものが多いです。その点、手作りだと原材料にこだわれるうえ、製造過程が目に見えるので安心していただくことができます。
また、発酵させることで得られる効果・効能がさらに高まります。そして何よりもコクや旨味があって、本当においしいんです!!発酵もやしはスープに入れたり、ナムルにしたり、炒めたり。メインおかずの付け合わせとしても重宝します。程よい酸味がクセになりますよ。
『発酵もやし』が成功した状態って?
発酵食品を作っていて、どの状態が完成なのか、判断しかねるときがありませんか?一般的に言われているのは、蓋を開けた際に、次のような状態になっていること。
〇炭酸の「プシュッ」という音がする
〇甘酸っぱいニオイがする
また、pHをはかるという方法もあります。酸性になっている目安は、pHが3.5以上と言われています。ちなみに、小さな気泡が出始めたら発酵が始まった合図。「菌たちが働いているんだな~」と、嬉しくなります。
『発酵もやし』が失敗した状態って?
逆に、失敗とはどのようなことを指すのでしょうか?考えられるのは次の3つ。
①発酵しない。
②明らかに違和感を感じる状態である。
③保存容器が爆発してしまった。
①発酵しない
発酵時に保存容器のふたを開けたとき、まったくガスが発生していない場合は、発酵が上手に進んでいない可能性があります。
②明らかに違和感を感じる状態
次のような違和感を感じたときは、雑菌が混入している可能性が高いので、口にせず、廃棄してください。
〇悪臭がする
〇カビが生えている
〇明らかに変な味がする
市販品ではないため、ちゃんと判断できるかどうか不安に思う方もいらっしゃると思います。私の経験からいくと、腐敗している場合にはかなりの悪臭を放ちます。本来は甘酸っぱい香りがするはずなので、臭いということはありえません。
発酵食品は、理論上では腐らない!?
理論上では、発酵食品は腐らないとされています。なぜなら、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。
これを「菌の拮抗作用」と呼びます。ただし、あくまでもきちんと管理したうえでのこと。一般家庭においては、衛生状態などはそれぞれなので注意が必要です。
保存容器が爆発してしまった
発酵途中で発生するガスが密閉された容器に充満すると、破裂するという失敗も。もやしの発酵ではあまり聞かれませんが、念のため注意してください。特にガラス容器は割れて破片が飛び散ることがあるので、大変危険です。
失敗しないためのポイントとは?
失敗しないためにできることはあるのでしょうか?事前にできる対策についてみていきましょう。
①「発酵しない」を改善するポイント
発酵を上手に進めるには、必要な条件や適した環境があります。『発酵もやし』の場合は、次の点に気をつけてみてください。
〇塩の分量を守り、しっかり混ぜる。
〇一日1~2回撹拌する。
〇温度管理に気をつける。
〇塩の分量を守り、しっかり混ぜる
塩は、発酵促進の役割をします。塩分を控えたくなりますが、分量を守りましょう。また、均一にいき渡ることも大切です。もやしに塩水を加えたら、しっかり混ぜ合わせます。
できれば未精製に近い塩(あら塩)を使いましょう
乳酸菌や酵母の細胞を作るためには、ミネラルが必要です。塩化マグネシウムや塩化カリウムを含んでいる「あら塩」を使うことがのぞましいです。「食塩」は精製されてミネラルが取り除かれています。
〇一日1~2回撹拌する
撹拌すると、発酵が進みやすくなります。
〇温度管理に気をつける
乳酸菌が最も活発に働く温度は、35~40度。温度が低すぎると活動が鈍くなり、逆に高すぎると菌が死滅してしまうことがあります。ご家庭によって室温は様々。季節による寒暖差も大きいです。発酵をスムーズに進めるためには、適温にすることが大切です。
②「明らかに違和感を感じる」を改善するポイント
発酵させる過程で、カビが生じることがあります。また雑菌が混入して乳酸菌よりも強く働いてしまうことがあります。
使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。
③「保存容器が爆発してしまった」を改善するポイント
発酵の過程でガスが発生します。放っておくと爆発して保存容器が破損してしまったり、ふたを開けたときに中身が飛び散る可能性があります。
ガラス容器が破損すると危険です。くれぐれも注意してくださいね。爆発を予防する方法としては
〇保存容器の八分目までにする。
〇こまめにガス抜きをする。
完全にふたを開けるとあふれることがあるので、少しだけ緩めてガス抜きをします。プシュっと音がしたらOKです!!
発酵と腐敗の違いって?
「発酵」と「腐敗」には、どのような違いがあるのかご存知ですか?実は…発酵と腐敗は、科学的なメカニズムが同じなんです!!
『発酵』とは?
そもそも、『発酵』のメカニズムとは、どういうものなのでしょうか?
発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
発酵の過程で
①消化・吸収がよくなります。
②栄養価が加わります。
③うまみが加わります。
④保存性がよくなります。
もやしには、もともと乳酸菌が常在しています。塩を加えて発酵させることで、乳酸を生成しながら増殖します。こうしてできたものが、『発酵もやし』です。
腐敗って?
そして実は腐敗も同じく、物質が微生物のはたらきによって分解されたり変化したりして、「新しい物質」を生成するというメカニズム。
この「新しい物質」が、人間にとって有益なものの場合発酵と呼ばれ、人間にとって有害なものの場合腐敗と呼ばれているんです。腐敗は、人間に害を与える雑菌が増えたもの。食中毒などを引き起こします。
発酵と腐敗を分かりやすくまとめると…
発酵と腐敗のメカニズムは同じ。微生物の働きによる食材の変化の結果
〇人間にとって有益な物質だと「発酵」
〇人間にとって有害な物質だと「腐敗」
つまり、私たち人間の捉え方によって、発酵なのか?腐敗なのか?を決めているということですね。いくつか具体的にみてみましょう。
〇蒸した大豆に、枯草菌を生やして納豆が作られる場合には発酵と呼ばれますが、煮豆を放っておいて枯草菌が生え、ネトやアンモニア臭がしたときは腐敗と呼ばれます。
〇牛乳に乳酸が蓄積して凝固したものは、ある時は発酵と呼ばれますが、ある時は腐敗と呼ばれます。
〇同じ乳酸菌でも、ヨーグルトや味噌が作られる場合は発酵ですが、これが清酒中で増殖する場合は火落ちといって、腐敗を意味します。
「たしかに、たしかに」と、うなずいちゃいますね。
まとめ
- 『発酵もやし』ってなに?
その名の通りもやしを発酵させたもの。 - 〇材料はもやしと塩と水の3つ。
〇手順は次の2ステップ。
①もやしに分量の塩と水を入れて混ぜ
②発酵させるだけ!! - 『発酵もやし』が成功した状態って?
〇炭酸の「プシュッ」という音がする
〇甘酸っぱいニオイがする
〇pHが3.5以上で酸性になっている - 『発酵もやし』が失敗した状態って?
①発酵しない。
②明らかに違和感を感じる状態である。
③保存容器が爆発してしまった。 - 失敗しないためのポイントとは?
①「発酵しない」を改善するためのポイント
〇塩の分量を守り、しっかり混ぜ合わせる。
〇一日1~2回撹拌する。
〇温度管理に気をつける。
②「明らかに違和感を感じる」を改善するポイント
〇使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておく。
③「保存容器が爆発してしまった」を改善するポイント
〇保存容器の八分目までにする。
〇こまめにガス抜きをする。 - 発酵と腐敗の違いって?
微生物の働きによる食材の変化の結果
〇人間にとって有益な物質だと「発酵」
〇人間にとって有害な物質だと「腐敗」
おわりに
もやしは一見栄養価が低そうに見えますが、意外と優秀なお野菜。安価で手軽に入手できるので、もやしを使って発酵食品を作ることが出来たら嬉しいですね。
健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。ところが、市販されている発酵食品は材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いんです。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心なんです。
元々、カラダに良いお野菜。それを発酵させることで得られるメリットは大きいです!!栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめですね。
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてください!!
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