呼吸⑤瞑想と呼吸との関係とは?マインドフルネス瞑想のやり方と6つのポイント
呼吸と聞いて思い出すのが、ヨガや瞑想。今回は瞑想との関係についてみていきたいと思います。瞑想といっても実はたくさんの種類があるんです。
浄化や悟りなど、宗教やスピリチュアルなイメージが強い瞑想ですが、医学的にメンタルヘルスを目的として行われているものも。
瞑想にはどのようなものがあるのか?呼吸との関係とは?その効果は?どのように日常生活に取り入れていったらいいのか?などをみていきましょう。
この記事の目次
- 1.瞑想は500種類も!!
- 2.瞑想の効果とは?
- 3.瞑想と呼吸
- 4.マインドフルネス瞑想のやり方
- 5.ポイントと注意点
- 6.まとめ
- 7.おわりに
瞑想は500種類も!!
瞑想とは?
Wikipediaによると、瞑想とは「心を静めて無心になること。何も考えずリラックスすること。目を閉じて深く静かに思いをめぐらすこと」とされています。言い換えると、自分の内面に意識を向けて自分自身を見つめ直す習慣と言えるでしょう。
瞑想の種類って?
そのやり方や考え方は一つではなく、500種類以上も存在すると言われています。広く知られている瞑想法をいくつか挙げてみましょう。
〇サマタ瞑想
〇ヴィパッサナー瞑想
〇マインドフルネス瞑想
〇慈悲の瞑想
サマタ瞑想
「止行」の瞑想。呼吸や目の前のものなど、特定の対象から注意をそらさずに集中し続ける瞑想法です。注意がそれたら、集中していたものに戻すという作業を繰り返します。仏教由来の瞑想法。呼吸瞑想、キャンドル瞑想、マントラ瞑想などの方法があります。
ヴィパッサナー瞑想
「観行」の瞑想。特定の対象を定めずに、感じたことをありのまま観察する瞑想法です。釈迦が悟りを開いたもので、インドの中で最古と言われています。静的な瞑想として座る瞑想、動的な瞑想として歩く瞑想や食べる瞑想などの方法があります。
マインドフルネス瞑想
サマタ瞑想、ヴィパッサナー瞑想どちらにも由来する瞑想。1970年代、マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバットジン博士がストレスを低減するために提唱しました。科学的根拠に基づく結果が実証されています。
雑念にとらわれる自分の心に気づき、呼吸や目の前にあるものなどに集中して「今ここ」に意識を向けます。多くの企業がメンタルヘルスを目的として取り入れており、ビジネス界においてポピュラーな瞑想法です。
慈悲の瞑想
仏教の基本精神である「この世に存在するすべてのものが幸福でありますように」という願いに基づいた瞑想法。「私と他人」「私と世界」の境界をなくし、自分自身や他者の幸せを唱えながら行います。
瞑想の効果とは?
昨今注目を浴びている瞑想ですが、以下のような効果が期待できると言われています。
〇ストレスや不安が軽減される
〇集中力が向上する
〇睡眠の質が向上する
〇血圧を下げる
ストレス・不安が緩和される
瞑想によってストレスや不安が軽減されることは、様々な研究で分かっています。さらに前向きな気分に切り替えることも可能です。
なぜなら瞑想が副交感神経を優位にし、気持ちを落ち着かせてくれるから。また、幸せホルモンと呼ばれているオキシトシンが分泌されるとも言われています。
集中力が向上する
瞑想を行うことで、集中の持続時間が長くなるという実験結果があります。導入している企業では、メンタルヘルスに加えて仕事のパフォーマンス向上にも役立っているということですね。
睡眠の質が向上する
瞑想によって睡眠の質が上がったという実験結果があります。瞑想によって副交感神経が優位になり、リラックス効果を得ることができるからです。寝つきが悪かったり、途中覚醒してしまったりする方は、就寝前に瞑想を試してみるといいでしょう。
血圧を下げる
ストレスを受けると交感神経が優位になって血管が収縮し、血圧が上がります。逆にリラックスしていると副交感神経が優位になって血管が拡張し、血圧が下がります。瞑想によって副交感神経が優位になり、血圧が下がったという研究報告があります。
瞑想と呼吸
マインドフルネス瞑想において、意識を向ける対象のひとつとして呼吸があります。なぜ呼吸を使うのでしょうか?
目を閉じて行うことができる
マインドフルネス瞑想では、「今ここ」を意識するために「呼吸に集中しましょう」と言われています。集中の対象は色々で、目の前にあるのものでもいいのですが、目を開けている状態になります。
目を閉じていた方が刺激が少ないため、より深く自己の内側に向き合えるという方が多いです。その点、呼吸は目を閉じて行うことができますね。
呼吸とメンタルの深い関係
マインドフルネス瞑想の主な目的は、先にも述べた通りメンタルヘルス。呼吸は精神状態に影響を及ぼすので、そういった意味でも呼吸に集中する意味があると言えるでしょう。
情動と呼吸は密接な関係にあります。その理由は、脳の中にある扁桃体が情動と呼吸の両方を処理しているから。 つまり感情と情動呼吸は同じ脳から生まれているのです。 感情が変化すれば呼吸も変化し、呼吸が変化すれば感情も変化します。この連動のことを情動呼吸と呼んでいます。
ストレスを感じると、呼吸は浅く速くなります。また、浅い呼吸を続けていると自律神経が乱れます。身体を緊張させる交感神経が活発となり、身体をリラックスさせるための副交感神経のはたらきが抑えられてしまうため、ストレスや不安を感じやすくなるんです。
マインドフルネス瞑想のやり方
マインドフルネス瞑想の方法
①背筋を伸ばして座る
②軽く目を閉じる
③呼吸に意識を向ける
④一定時間集中する
①背筋を伸ばして座る
座り方は、椅子でも床でもどちらでも大丈夫。座禅を組む必要もありません。深い呼吸ができるように背筋を伸ばして座ります。
②軽く目を閉じる
意識を集中させるため、目を閉じるか半目にします。
③呼吸に意識を向ける
肩の力を抜いてリラックスし、自然なペースで呼吸を繰り返します。 鼻から吸って鼻から吐く。無理のない程度に、大きくゆっくりとした呼吸へと深めていきましょう。
鼻先や鼻の中、お腹の動きなど、空気の出入りを感じられる部分に意識を向け、温度や音などの感覚を感じます。途中で雑念が浮かんでも、気にせず意識を呼吸に戻します。
慣れるまでは…
最初のうちは呼吸に集中することが難しい場合も。そんな時は呼吸を数えてみてください。「息を吸って吐き出す」を1回として、10回カウントしたら1回目に戻る…を繰り返します。
4・7・8呼吸法
4・7・8呼吸法は、ストレスレベルを下げると言われています。マインドフルネス瞑想に慣れてきたら、ぜひ試してみてください。
①4カウント鼻から息を吸う
②息を止めて7カウントする
③口から8カウント息を吐く
④4セット繰り返す
最初に息を吐き切ってから、鼻から静かに息を吸います。吐くときは、フーッという音を立てながら口から吐き切りましょう。やり始めは苦しいと感じる方がいるかもしれませんが、慣れてくると長く、深く行えるようになってきます。
片鼻呼吸法
片鼻呼吸法は、片方の鼻の穴を指で押さえ、左右の穴から交互に呼吸をする方法。自律神経を整えると言われています。こちらもぜひ試してみてくださいね。
①右の鼻の穴を右手の親指で押さえる
②左の鼻の穴から4カウント息を吸う
③左の鼻の穴を右手の薬指で押さえる
④右手の親指を離して右の鼻から4カウント息を吐く
⑤右の鼻から4カウント息を吸う
⑥右の鼻の穴を右手の親指で閉じる
⑦左手の薬指を離して左の鼻から4カウント息を吐く
⑧10回程度繰り返す
ポイントと注意点
瞑想をするタイミングって?
タイミングは特に決まっていません。集中力を高めたいのであれば朝、リラックス効果を得たいのであれば夜というように、目的に応じて行うことができます。
瞑想は毎日続けることで効果が高まるので、習慣化できるといいですね。そのためには、無理なく続けられる時間帯でルーティンにするといいでしょう。お酒を飲んだ後や食後すぐは避けます。
どのくらいの時間行えばいい?
一般的には20~30分と言われていますが、慣れないうちは1分からでもかまいません。一度に長く行うよりも、短い時間であっても、毎日継続するほうが効果が高まります。
瞑想をする場所は?
瞑想をする場所も、どこでも大丈夫。周りの音が気になって集中できない場合は、静かで落ち着けるところが良いでしょう。
呼吸を難しいと感じたら…
色々な呼吸法がありますが、最初は難しいと感じることがあるかもしれません。そんな時は、自然な呼吸を繰り返すだけで十分です。このときに、吸う息よりも吐く息に意識を向けてみましょう。息を吐き切れば、自然と息を吸おうとします。息を吸うときと息を吐くときとでは、次のような違いがあります。
〇息を吸うとき
・副交感神経が抑制される
・心拍が上がる
・心身が活性モードになる
〇息を吐くとき
・副交感神経が活性化される
・心拍が下がる
・心身がリラックスモードになる
呼吸に集中し過ぎないこと!
マインドフルネス瞑想は、一点に集中することで「今ここ」を感じる瞑想ですが、呼吸にとらわれ過ぎると「呼吸のことを考え続けている状態」に。これでは本末転倒なので、集中し過ぎないことも大切です。
マインドフルネス瞑想に向かない方も
精神疾患を抱えている方は、瞑想中に次のような状態になることがあるかもしれません。不安がある場合には、事前にかかりつけの病院や主治医に相談しましょう。
〇うつが悪化する
〇不安に襲われる、
〇フラッシュバックが起きる
〇パニック状態になる
〇混乱、錯乱する
〇過呼吸になる
まとめ
■瞑想とは
自分の内面に意識を向けて自分自身を見つめ直す習慣
■瞑想の効果
〇ストレスや不安が軽減される
〇集中力が向上する
〇睡眠の質が向上する
〇血圧を下げる
■ 情動と呼吸が連動している理由とは?
脳の中にある扁桃体が情動と呼吸の両方を処理しているから
■マインドフルネス瞑想のやり方
①背筋を伸ばして座る
②軽く目を閉じる
③呼吸に意識を向ける
④一定時間集中する
■4・7・8呼吸法のやり方
①4カウント鼻から息を吸う
②息を止めて7カウントする
③口から8カウント息を吐く
④4セット繰り返す
■片鼻呼吸のやり方
①右の鼻の穴を右手の親指で押さえる
②左の鼻の穴から4カウント息を吸う
③左の鼻の穴を右手の薬指で押さえる
④右手の親指を離して右の鼻から4カウント息を吐く
⑤右の鼻から4カウント息を吸う
⑥右の鼻の穴を右手の親指で閉じる
⑦左手の薬指を離して左の鼻から4カウント息を吐く
⑧10回程度繰り返す
おわりに
呼吸は生命維持としての役割に留まらず、メンタルにも大きく関係しています。メンタルヘルスを目的として企業にも取り入れられているマインドフルネス瞑想では、呼吸に意識を集中させることで「今ここ」を感じます。
今回は、呼吸と瞑想との関係やその方法、ポイントや注意点について分かりやすくまとめました。身近な呼吸を味方につけて、ぜひ心地よく日々を送っていたただけたらと思います。
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