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活性酸素②活性酸素とは?酸化って何?を簡単に。増える原因って?除去する&減らす方法6選


健康や美容に大きな影響を与えるカラダの酸化。カラダの酸化とは、活性酸素が過剰に増えた状態です。活性酸素は、生きて呼吸をしている限り産出され続けるため、いかに活性酸素が増えすぎるのを防止するかが、私たちのカラダを守るうえで必要不可欠なんです。活性酸素とはなにか、カラダが酸化するとどうなるのか、その原因とは?

活性酸素や酸化、予防する方法などについて、できるだけ分かりやすくまとめました。大切なカラダを守るために、今回の記事を参考にしてくださいね。


酸素が活性酸素に変化します


酸素が活性酸素に変化する

呼吸によって体内に取りこまれた酸素のうち、数%が「活性酸素」に変化します。活性酸素とは、反応性の高い酸素。言い換えると、ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酸素のことです。

体内には、たんぱく質や脂質、核酸など多くの物質が存在し、酸素と化学反応を起こして活性酸素に変性します。体内で生成される活性酸素には、スーパーオキシド、一重項酸素、ヒドロキシラジカルなどがあり、特に毒性が強いのは、ヒドロキシラジカルだと言われています。

活性酸素には、次のような大切な役割がありますが、増えすぎるとカラダを酸化させ、健康や美容に悪影響を及ぼすため、注意が必要です。

①細胞間の伝達物質として働く
②免疫機能として働く
③感染防御として働く
④排卵、受精、細胞の分化・アポトーシスなどに関わる


酸化とは?

酸化とは一般的に「電子を失う化学反応、あるいは物質が水素を奪われるなどの化学反応」と定義されています。活性酸素が体内に生じた状態を「からだの酸化」と呼びます。

例 鉄が酸化して錆びるメカニズム

鉄の電子が酸素に移動することにより酸化鉄となった状態。


カラダが酸化するとどうなるの?

活性酸素が過剰に増えて体内が酸化すると、肌や血管、骨や筋肉などの老化が進みます。また、がんや動脈硬化などの生活習慣病、パーキンソン病やアルツハイマーなどの脳神経疾患なども引き起こすとされています。



抗酸化・抗酸化作用とは?


抗酸化・抗酸化作用って?

私たちのカラダは通常、自らを守る機能が働いています。カラダの酸化を抑えることを抗酸化と言い、活性酸素から体を守ることを抗酸化作用と言います。次の2種類があり、活性酸素の多くはこの2つで消去されます。

①抗酸化酵素
②抗酸化物質


①抗酸化酵素とは?

抗酸化酵素は体内で合成され、過剰に発生した活性酸素を分解・除去してくれます。ただし、加齢とともに減少すると言われています。主なものは次の通り。

〇スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
〇カタラーゼ
〇グルタチオンペルオキシダーゼ
など

抗酸化酵素は、細胞内の活性酸素をおよそ10万分の1に減らしてくれますが、特に毒性が強いヒドロキシラジカルという活性酸素へと変化すると、これを解毒することのできる酵素はないと言われています。


②抗酸化物質って?

抗酸化物質は、体外から食事などで摂取します。主な抗酸化物質は

〇ビタミンA
〇ビタミンC
〇ビタミンE
〇ポリフェノール
など

抗酸化酵素は加齢と共に減少してしまうので、抗酸化物質を食事から補給しましょう。次のような方法で活性酸素から私たちのカラダを守ってくれます。詳しくは後述します。

①活性酸素を除去する
②活性酸素の発生を抑制する
③受けたダメージの修復・再生を促す


酸化ストレスとは?

活性酸素が過剰に増加すると、酸化ストレスが大きくなります。発生する活性酸素の量と、増え過ぎないように抑制している抗酸化酵素や抗酸化物質とのバランスが崩れることが原因。酸化ストレスがたまると、健康や美容に深刻な影響をもたらすので注意が必要です。



活性酸素の増加を予防するには?


酸化ストレスの要因とは?

酸化ストレスの主な要因は、次の通り。

〇生活習慣の乱れ
・食生活
・運動
・睡眠
〇ストレス
〇薬剤
〇タバコ
〇過剰なアルコール摂取
〇紫外線、放射線
〇大気汚染


活性酸素を減らしたり、予防したりする方法とは?

酸化ストレスの要因をふまえ、活性酸素を減らしたり予防したりするには、以下の6点が効果的です。順番に見ていきましょう。

①生活習慣を整える
〇食生活を見直す
〇適度な運動を習慣にする
〇質の良い睡眠をとる
②抗酸化物質を積極的に摂る
③アルコールを飲み過ぎない
④禁煙をする
⑤過度なストレスを避ける
⑥紫外線や放射線を避ける




生活習慣を整える


食生活を見直す

スナック菓子やインスタントラーメンなどの加工食品、揚げ物などは酸化されやすい脂肪を多く含んでいるため、注意が必要。食品添加物も酸化を促進させます。

抗酸化酵素であるSOD、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼの主成分はタンパク質です。現代人はタンパク質が不足しているとも言われています。日々の食事の中でしっかり摂ることが大切。

また、ミネラル( 亜鉛、銅、セレン、マンガンなど)は、抗酸化酵素の生成や活性に関わっているため、こちらも意識して摂るようにしましょう。

〇亜鉛
・SODの主成分
・細胞のが新しく生まれるのを促す

〇銅
・SODの活性を促進する

〇セレン
・過酸化脂質を分解して無害化する

〇マンガン
・SODの材料
・細胞が酸化するのを防ぐ

銅、セレン、マンガンは、通常の食事を摂取していれば不足することはないと言われています。一方、亜鉛は不足しがち。亜鉛は肉類、魚介類、種実類、海藻類などに含まれています。特に含有量が多いのは、牡蠣、レバー、豆、ナッツなど。意識的に摂るようにしましょう。


適度な運動を習慣にする

活性酸素を増やさないために適度な運動が効果的。ところが過度な運動をすると通常の呼吸よりも素摂取量が多くなるため、逆に活性酸素を産生させると言われています。

ウォーキングやラジオ体操などの運動、日常生活の中で階段を使ったり家事でカラダを動かすなどを意識してみましょう。


質の良い睡眠をとる

睡眠不足や睡眠リズムの乱れなど、睡眠の質が悪いと活性酸素が増加します。その理由は、ビタミンEの2倍もの抗酸化作用があると言われているメラトニンというホルモンが、睡眠と大きな関係があるから。

メラトニンは体内時計の指令に従い、目覚めてから14〜16時間くらい経つと分泌されます。また、光によって調整されているため、明るいと分泌量が減ってしまいます。夜更かしをしていると不足してしまうということなんです。



②抗酸化物質を積極的に摂る


抗酸化物質は、大きくビタミンやポリフェノールなどに分けられます。

①ビタミンA 
②ビタミンC
③ビタミンE
④コエンザイムQ
⑤ポリフェノール


①ビタミンA(レチノール)

ビタミンAは、体のなかでレチノール・レチナール・レチノイン酸として存在しています。 これらは、油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンです。

また、野菜に多く含まれているαカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチンは、ビタミンA前駆体で、「プロビタミンA」と呼ばれています。プロビタミンAは、カロテノイドと呼ばれる赤や黄などの色素成分。 小腸上皮細胞でビタミンAに変換されます。 強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除去する力に優れています。


②ビタミンC

ビタミンCは、野菜、果物、芋類に多く含まれます。活性酸素を抑制したり、過酸化脂質の生成を抑えたりする働きに優れています。

水溶性ビタミンなので水に溶け出しやすく、水にさらしたり茹でたりすると、多くが流出してしまいます。また、体内で合成することができません。さらに、余った分は尿から排泄されてしまうため、一度に大量に摂取するよりも適量を毎日摂取することがおススメです。


③ビタミンE

植物性油脂、ナッツ類、かぼちゃ、魚介類に多く含まれているビタミンEは、 細胞膜のリン脂質の酸化を防ぐうえ、過酸化脂質の生成を抑えてくれます。

先に紹介したビタミンA、ビタミンCと一緒に摂取すると相乗効果が。また、脂溶性ビタミンなので、吸収率を高めるには、生で食べるよりも炒めにするなど、油脂と一緒に摂取しましょう。


④コエンザイムQ10

いわし、サバ、牛肉、豚肉に多く含まれるコエンザイムQ10は、細胞の中にあるミトコンドリアに存在している脂溶性の補酵素。ビタミンと似た働きをしています。活性酸素を分解したり、活性酸素の除去に使われたり、抗酸化力を失くしたビタミンEを再生したりします。


⑤ポリフェノール

ポリフェノールはほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分で、自然界に8000種類以上存在すると言われています。水に溶けやすい性質があり、比較的短時間で作用する半面、効果は長続きしません。3~4時間で消えてしまうので、こまめに摂取することが効果的です。

強い抗酸化作用があるポリフェノール。次の2種類に大別されます。

①フラボノイド系ポリフェノール
②非フラボノイド系ポリフェノール

フラボノイド系ポリフェノール

〇アントシアニン(赤ワイン)
〇イソフラボン(大豆)
〇ケルセチン(玉ねぎ)
〇カテキン(緑茶)
〇テアフラビン(紅茶)
〇セサミン(ごま)
〇セサミノール(ごま)

②非フラボノイド系ポリフェノール

〇クルクミン(ウコン)
〇クロロゲン酸(コーヒー)
〇フェルラ酸(米ぬか)



③アルコールを飲み過ぎない


アルコールが肝臓で分解される過程で、活性酸素を発生させてしまいます。過剰なアルコール摂取は避けるようにしましょう。



④禁煙をする


タバコの煙は大量の活性酸素を発生させるうえ、抗酸化物質であるビタミンCを破壊します。タバコを1本吸うと、1日あたりで発生する量の約10万倍もの活性酸素を体内に生み出してしまうと言われています。



⑤過度なストレス を避ける


ストレスを受けると血管が収縮して血流が悪くなるため、酸素の循環が滞って活性酸素が発生しやすくなります。また、ストレス時に分泌される抗ストレスホルモンのコルチゾールは、 特に毒性が強いヒドロキシラジカルという活性酸素に変化します。

ストレスを解消するためには、次の点に気をつけながら生活するといいでしょう。

①入浴
②適度な運動
③十分な休養と睡眠
④瞑想をする

入浴はシャワーだけで済まさず、少しぬるめのお湯にゆっくりとつかりましょう。適度な運動を日々の生活に取り入れることも効果的。

また、早寝早起きを心がけます。7~8時間の睡眠が理想的。睡眠時の環境を整え、質の良い睡眠をとることも大切です。

日々雑念に支配されている脳。マインドフルネス瞑想は、脳を休める効果があります。一日数分からでいいので、習慣化できるといいですね。



⑥紫外線や放射線を避ける


紫外線を浴びると皮膚細胞に大量の活性酸素が発生して、シミやシワの原因に。放射線を浴びた場合も、活性酸素が生じます。紫外線対策を講じましょう。



まとめ


  • 体内に取りこまれた酸素のうち、数%が「活性酸素」に変化する
  • 酸化とは?
    電子を失う化学反応、あるいは物質が水素を奪われるなどの化学反応
  • 性酸素が増えすぎると細胞を傷つけてしまう
  • 活性酸素が増えすぎると起こる症状とは?
    ①老化
    ②生活習慣病
    ③脳神経疾患
    ④その他
  • 酸化ストレスとは?
    活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回った状態
  • 酸化防衛機構とは?
    ①活性酸素を除去する
    ②活性酸素の発生を抑制する
    ③受けたダメージの修復・再生を促す
  • 二種類の酸化防衛機構
    ①抗酸化酵素
    ②抗酸化物質
  • 抗酸化酵素
    〇スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
    〇カタラーゼ
    〇グルタチオンペルオキシダーゼなど
  • 抗酸化物質
    〇ビタミンA
    〇ビタミンC
    〇ビタミンE
    〇ポリフェノールなど
  • 酸化酵素の増加を予防するには?
    ①生活習慣を整える
    〇食生活を見直す
    〇適度な運動を習慣にする
    〇質の良い睡眠をとる
    ②抗酸化物質を積極的に摂る
    ③アルコールを飲み過ぎない
    ④禁煙をする
    ⑤過度なストレスを避ける
    ⑥紫外線や放射線を避ける



おわりに

活性酸素が健康被害や老化の進行の原因とされ、注目されています。そもそも、活性酸素とは何なのでしょうか?活性酸素が発生すると、なぜ健康を害したり老化が進んだりするのでしょうか?

私たち動物が生命維持に欠かせない呼吸。酸素を吸って生きている限り、活性酸素の発生や、活性酸素による酸化は避けることはできません。

健康なカラダを維持するためには、正しい知識をもって、予防・対策をしていく必要があります。活性酸素についてわかりやすくまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。



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