発酵食のチカラはすごい!!『松葉サイダー』の作り方。3ステップでできちゃいます!!
『松葉サイダー』をご存知ですか?私はまったく知りませんでした。発酵食品を手作りするようになって、その存在と出会ったんです。
健康への関心が高まった今、たくさんの効果・効能を得られるという理由で、ひそかなブームが起きているそう。松が手に入りにくいという噂まで聞きました。
「そもそも、松って食用なの?」「カラダに良いのは分かったけど、おいしいの?」…たくさんの疑問をもちつつ、試しに作ってみたんです。
そうしたら!!ちゃんと飲めるし、おいしい!!作り方を紹介しますので、これを機に、ぜひ一度作ってみてくださいね。
この記事の目次
『松葉サイダー』の作り方って?
それでは早速、『松葉サイダー』の作り方を紹介します。材料は松葉と砂糖水の2つだけ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルなんです。
〇松の葉を枝からはずして
〇分量の砂糖水を入れて混ぜ
〇発酵させるだけ!!
【材料】
①松の葉 保存容器の7~8分目くらい
②砂糖 50g
③水 500g
私は…
砂糖水を、水の重さに対して砂糖10%の割合で作っています。
ここでは砂糖水を使う作り方をご紹介しますが、「砂糖を使用しない松葉サイダー」も作れます。かわりに果物と水を使います。ノンシュガーなので、甘さは控えめです。詳しくは
『発酵のチカラはすごい!!砂糖不使用『松葉サイダー』の作り方。砂糖なしでも作れるんです!!さらに『松葉調味料』の作り方もご紹介します』を参考にしてください。
義実家に生えている松。枝ごといただきました。できれば梅雨明け時期の新芽がオススメです。
【準備するもの】
〇ビニール手袋
〇900~1000mlの保存容器
(ふたがしっかり閉まるもの)
〇シェイカー
(砂糖と水を合わせるのに使っています)
松は、素手で触ると松やにがつきます。私はビニール手袋をつけて作業をしました。ついてしまった松やには、クレンジングオイルか消毒用エタノールで簡単に落とすことが出来ますよ。
【作り方】
①松の葉を枝からはずし、保存容器に詰める
〇保存容器をあらかじめ煮沸消毒しておきます。
〇松の葉を枝からはずして軽く洗います。
〇保存容器の7~8分目くらいまでギュウギュウに詰めます。
松葉は、はかまのつけ根部分に松やにが多く含まれています。ついたままだと、えぐみが出てしまいます。少し手間はかかりますが、とって使うことをオススメします。
写真下がはかまがついた状態。写真上がはかまをとった状態です。
松の葉を枝からはずすのは、結構時間がかかるんです。時短ポイントは、左手に枝をもち、右手で松葉のとがっている方向にひっぱるという方法。はかまがとれた状態で抜くことができます。はかまの上の部分からハサミで切りとる方法もあります。
上方向(松葉のとがった方向)に引っぱると、はかまがとれた状態で抜くことができます。
はかまのつけ根よりも少し上の部分を、ハサミでカットしてもOKです!
あらかじめ煮沸消毒した保存容器の7~8割程度まで、松葉をギュウギュウに詰めます。
②砂糖水を入れる
〇砂糖水を作ります。水の重量に対して砂糖10%の割合で。
私はミネラル分の多い「粗糖」を使っています。
砂糖の割合は、水の重量の10%にしています。
私は水道水ではなく、浄水を使っています。
100円ショップで売っているシェイカーだと、振るだけで簡単に砂糖水を作ることができますよ。プロテイン用のもの。
③発酵させます
〇保存容器のふたを閉め、常温で発酵させます。
〇日当たりのよいところに置きましょう。
〇気泡が出てきたら発酵が始まった合図です。
〇発酵期間の目安は、2~3日です。
2~3日は、大体の目安です。発酵の進み具合は温度によって変わるので、夏場はより短く、冬場はより長くなる可能性があります。
発酵食品を手作りして悩むのが、成功か失敗かの見極め。成功の場合は次の状態になります。
〇蓋を開けたときに、「プシュッ」という炭酸の音がする。
〇甘酸っぱく、さわやかなニオイがする。
腐敗臭がしたら、雑菌が繁殖している可能性が高いです。もったいないのですが、また新しく作り直してください。
爆発に注意!!
ふたを開けたとたん、容器内に充満したガスで中身があふれたり、飛び散ることがあります。初めて開けるときは、様子をみながら緩めた方が安心です。
炭酸飲料と同じように、ふたを開ける前に容器を振ったり、揺すったりすることはやめましょう。
保存容器のふたを閉め、常温で2~3日発酵させます。
日当たりの良い窓辺に置いています。発酵が始まった合図は、気泡がでているかどうか。ふたを開けたときに、プッシュと音がしてガスが出ます。
④できあがったら冷蔵庫に移します。
〇3日くらいしたら冷蔵庫に移します。
『松葉サイダー』を作るときのポイントとは?
とても簡単に作ることができる『松葉サイダー』ですが、失敗しないために押さえておいたほうが良いポイントがあります。
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②ミネラルウオーターか、浄水した水を使う。
③松葉は、はかまのつけ根部分をとって使う。
④砂糖は、未精製のものがのぞましい。
⑤爆発に注意する。
⑥発酵の途中で撹拌する。
⑦松葉はギュウギュウに詰める。
⑧砂糖の量を減らさない。
ポイント① 使う道具をあらかじめ消毒する
発酵させる過程で、雑菌が繁殖することがあります。使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。
ポイント② ミネラルウォーターか浄水した水を使う
水道水は塩素が含まれているため、発酵菌が繁殖しずらく、失敗する可能性があります。ミネラルウォーターや浄水器を通した水を使うことをオススメします。
ポイント③ 松葉は、はかまのつけ根部分をとって使う
松葉は、はかまのつけ根部分に松やにが多く含まれています。ついたままだと、えぐみが出てしまいます。少し手間はかかりますが、とって使うことをオススメします。
どの松を使えばいいの?
よくみかけるのは、赤松、黒松、から松。いずれでも作ることはできますが、赤松の方が葉がやわらかく、扱いがラクです。
ポイント④ 砂糖は未精製のものがのぞましい
乳酸菌や酵母の細胞を作るためには、ミネラルが必要です。精製されていない砂糖には、アミノ酸やミネラルが含まれています。
また、精製された白砂糖でも発酵しますが、健康や味覚のためにも、未精製のものがのぞましいと言われています。
砂糖は、主にサトウキビなどの汁を搾って、水分を飛ばした食品。
〇黒糖、粗糖とは?
精製・精白せずに商品化したもの。ミネラル・ビタミン・酵素など、いわゆる「不純物」がたくさん含まれています。
〇白砂糖とは?
精製されたもの。黒糖の状態から不純物を取り除き、甘みだけを抽出しています。
ポイント⑤ 爆発に注意する
発酵の過程でガスが発生します。放っておくと保存容器が破損してしまったり、ふたを開けたときに中身が飛び散る可能性があります。せっかくの炭酸が抜け過ぎないように注意をしながら、様子をみてガス抜きをしましょう。
ポイント⑥ 発酵の途中で撹拌する
発酵の過程で砂糖は酵母菌のエサとなるので、撹拌して混ざり合うことで発酵が進みやすくなります。密閉容器であれば中身がこぼれないので、保存容器をいったん逆さにしたあと、もとに戻してあげましょう。
『発酵』とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
ポイント⑦ 松の葉はギュウギュウに詰める
松葉の量が少ないと、じょうずに発酵しないことがあります。保存容器にギュウギュウに詰めるようにしましょう。
ポイント⑧ 砂糖の量は減らさない
発酵の際、砂糖は酵母菌のエサとなります。健康のために砂糖の量を減らしたくなりますが、エサが少ないと発酵が進まない原因になります。どうしても減らしたい場合は、少量ずつ試してみてください。
『松葉サイダー』の保存方法って?どのくらいもつの?
私は、できあがった『松葉サイダー』を冷蔵保存しています。その理由は、発酵の進みを遅らせるためと、雑菌の繁殖を抑えるため。
冷暗所であれば1年くらいもつと言われています。長期保存はできますが、その間も発酵は進みます。
過発酵になると風味が落ちてしまったり、酸っぱくなってしまうので注意。さらに発酵が進むとアルコールになります。松葉サイダーとして飲みたい方は、早めに飲み切りましょう。
常温保存もできますが、雑菌が繁殖しやすく、腐敗してしまったり、カビが生えたりすることがあります。
本物の発酵食品は、理論上腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。
このように発酵のチカラによって腐りにくいと言われている松葉サイダーですが、明らかに見た目や臭いがおかしいと感じたら、雑菌が繁殖している可能性が…。残念ですが、新しく作り直しましょう。
まとめ
- 『松葉サイダー』の作り方って?
〇材料は松の葉と砂糖水の2つ。
〇手順は次の3ステップ。
①松の葉を枝からはずして
②分量の砂糖水を入れて混ぜ
③発酵させるだけ!! - 『松葉サイダー』を作るときのポイントは?
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②ミネラルウオーターか、浄水した水を使う。
③松葉は、はかまのつけ根部分をとって使う。
④砂糖は、未精製のものがのぞましい。
⑤爆発に注意する。⑥発酵の途中で撹拌する。
⑦松葉はギュウギュウに詰める。
⑧砂糖の量を減らさない。 - 『松葉サイダー』の保存方法って?どのくらいもつの?
〇冷暗所で約1年。
〇常温保管だと発酵が進み、風味が落ちたり、酸っぱくなる場合も。
〇さらに発酵が進むとアルコールになるので、発酵スピードを抑えるためにも、冷蔵保存がオススメ。
〇カビが生えたり、ニオイや味などが明らかにおかしい場合は廃棄する。
おわりに
松葉サイダーには、最初あまり魅力を感じませんでした。食いしん坊の私にとって、松がおいしいものだと、どうしても想像できなくて。
ところが発酵について勉強するうちに、その効果・効能の高さに驚き、モノは試しにと、作ってみたんです。
実際に口にしてみると、意外においしくて!!もっと青臭いのかと思っていましたが、クセのないさっぱりした味でした。
松葉は、もともとカラダにとって良い作用をもたらすと言われています。それをさらに発酵させることで得られるメリットは大きいです!!
栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめ。
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、松葉サイダーの作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!
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