砂糖不使用の『発酵あんこ』サツマイモバージョン!!作り方をご紹介します!!
発酵あんこをご存知ですか?お砂糖を使っていないのにほんのり甘いあんこ。メディアで取り上げられ、話題なんです。
通常はあずきで作るのですが、わが家の畑でサツマイモがたくさん獲れたので、試しに作ってみました。
あずきよりも甘みがあり、クセも少ないので食べやすく、とてもおいしかったです。
サツマイモは糖質を多く含みますが、低GI値食品。栄養価が高いうえに発酵させることでさらに効果がパワーアップ!!
「甘いものが食べたいけど、健康への影響が気になる…」という方にオススメです。
この記事の目次
『発酵芋あんこ』の作り方って?
それでは早速、『発酵芋あんこ』の作り方を紹介します。材料はサツマイモと米麹と水の3つ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルなんです。
〇サツマイモをふかして
〇米麹と水を加えて
〇発酵させるだけ!!
【材料】
①サツマイモ 400g
②米麹 200g
③水 400ml
【準備するもの】
〇包丁
〇まな板
〇ボウル
〇鍋または蒸し器など
〇ブレンダーまたはマッシャー、すり棒など
【作り方】
①サツマイモの下処理をする
〇サツマイモを良く洗います。
〇必要に応じてあく抜きをします。
〇必要に応じて皮をむきます。
あく抜きと皮むきは、お好みで。それぞれのメリット・デメリットを次の項で詳しく説明しますので、参考にしてくださいね。
黒斑病(こくはんびょう)に注意
サツマイモの皮に黒色のシミや変色が見られる場合、黒斑病の可能性があります。これはカビの一種が原因で起こる土壌病害です。表皮が黒く変色し、へこんだりカビが生えたりします。体に害を及ぼす恐れがありますので、取り除きましょう。
たわしでゴシゴシと、土を洗い落とします。わが家でとれた無農薬のサツマイモです。
②サツマイモをふかす
〇サツマイモをカットします。
〇やわらかくなるまでふかします。
私は電子レンジ用の圧力鍋を使って蒸しています。鍋の底に水を入れ、専用のすのこを敷いたら、カットしたサツマイモを並べます。
800W12分レンジにかけ、数分放置。粗熱がとれたらOK。勝手に調理してくれるので簡単です。
フライパンや炊飯器、電子レンジでも蒸すことができます。後ほどご紹介します!!
カットしたサツマイモを並べて…
ふたをして電子レンジへ。
ふかし終わった様子。
③ふかしたサツマイモをつぶす
〇サツマイモを、ブレンダーやマッシャー、すりこぎ棒などを使ってつぶします。
汚れものを増やさないように、このあと使う炊飯器の内釜に移して…
すりこ木でつぶします。
④水と米麹を加える
〇米麹と水を加え、均一になるまでよく混ぜます。
水は浄水を使っています。
まずは水を入れて混ぜます。
次に米麹を加えて…
さらに混ぜます。
均一に混ざり合うことが大切です。
炊飯器にセット!!
⑤発酵させる
〇炊飯器のふたを開けたまま、ぬれぶきんをかぶせ、保温モードで発酵させます(50~60度で12時間以上)。
途中何度か、乾燥しないようにぬれぶきんをかけ直します。そのときに軽く混ぜます。水分が足りないようであれば足しましょう。
発酵し過ぎるとアルコール臭や酸味が出ますので、注意。
炊飯器のふたを開けておくのは?
炊飯器の保温モードは、温度が上がったり下がったりします。メーカーにもよりますが、ふたをしたままだと70度になることも。温度が高いと麹菌が死滅してしまい、発酵が進まないことがあるからです。
発酵スタート。炊飯器のふたは開けたまま保温モードにします。乾燥しないようにぬれぶきんをかけて。ぬれぶきんが乾いたらぬらしましょう。そのときに、しゃもじで軽くまぜてあげます。水分が足りないようなら適量の水を足しましょう。
⑥できあがったら冷蔵庫に移します。
〇できあがったら冷蔵庫に移します。
〇すぐに食べきる場合はタッパーに入れて冷蔵庫へ。
〇長めに保存したい場合はチャック付きの保存用袋に入れて冷凍庫へ。
冷蔵庫に入れておくのは、カビや腐敗、過発酵を防ぐため。冷凍庫に入れると、さらに賞味期限がのびます。
できあがり。優しい甘さでおいしいですよ。
私はチャック付き保存袋で冷凍しています。うすめに入れておくと、欲しい分だけパキパキ折って使うことができるので、オススメ!!(写真は発酵栗あんこです)
サツマイモの下処理について
あく抜きは必要?
サツマイモのあく抜きをするメリットは次の通り。
〇変色を防止すること。
〇えぐみや苦みがとれること。
〇調味料が浸透しやすくなること。
サツマイモのあく抜きをするデメリットは次の通り。
〇栄養価が下がること。
サツマイモのあくは、ヤラピン、クロロゲン酸、タンニンなどの成分。ヤラピンは整腸作用が、クロロゲン酸とタンニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用があります。
水にさらすことで、それらの成分が流れ出してしまいます。メリットとデメリットを知ったうえで、あく抜きをするかどうか決めると良いですね。
「あく」って何?
植物が昆虫などから自分の身を守るためのもの。人にとって有害なものと無害のものとがあります。サツマイモのあくに害はありません。
あく抜きの方法は?
サツマイモのあく抜きの方法は次の通りです。
①サツマイモを5~15分くらい水につける。
②水の色が濁ってきたら水を新しくする。
③2~3回繰り返す。
皮むきは必要?
サツマイモの皮むきをするメリットは次の通り。
〇食感がよくなる。
〇苦みやえぐみが緩和する。
サツマイモの皮むきをするデメリットは次の通り。
〇栄養価が下がること。
わが家の子どもたちが小さいときは、皮の食感が苦手だったのでむいていました。
先ほどでてきたサツマイモのアクの成分であるクロロゲン酸は、皮の周辺部分に多く存在しています。苦みやえぐみを取りたい場合は、皮を厚めにむきます。
サツマイモの苦味成分が多く含まれている部分って?
〇サツマイモの端っこ。
〇黒色の斑点や塊がついているところ。
〇皮の部分。
サツマイモをふかす方法って?
サツマイモは、専用の調理器具や蒸し器をもっていなくてもフライパンや炊飯器、電子レンジを使ってふかすことができます。それぞれのメリットとデメリット、方法についてみていきましょう。
メリットとデメリットって?
①フライパンで蒸す方法
〇メリット
一度にたくさんの量を蒸すことができる。
〇デメリット
蒸しあがるまでそばについている必要がある。
②炊飯器で蒸す方法
〇メリット
スイッチ一つでオートで仕上げてくれる。
〇デメリット
一度にたくさんの量を蒸すことができない。
③電子レンジで蒸す方法
〇メリット
手早く、簡単。
〇デメリット
他の方法に比べると味がおちる。
サツマイモは、時間をかけてじっくり火を通した方が、デンプンが糖に変わり、おいしく仕上がります。電子レンジは急速に加熱するため甘みが出にくいです。また、水分を飛ばしてしまうためパサつきやすくなります。
フライパンで蒸す方法
①フライパンに丸ごとサツマイモを並べ、水を1~2cmの高さになるように注いだらフタをする。
②最初は弱めの中火、沸騰したら弱火にして、20分加熱する。
③サツマイモをひっくり返し、水が減っていたら足して、さらに20分加熱する。
④竹串が通ったら完成。
炊飯器で蒸す方法
①炊飯釜にサツマイモを重ならないよう並べ、1合の目盛りまで水を入れる。
②普通の炊飯モードでスイッチを入れる。
③おおよそ5~60分くらいで炊きあがるので、竹串をさして通れば完成。
電子レンジで蒸す方法
①サツマイモを丸ごと濡らしたキッチンペーパーで包み、その上からラップを巻く。
②200Wで9分加熱する。
③ラップの上から竹串をさして通れば、そのまま5分ほど放置して蒸らす。竹串が通らなければ、30秒ずつ追加して加熱する。
『発酵芋あんこ』を作るときのポイントって?
発酵芋あんこを作る際、失敗しないために押さえておいたほうが良いポイントがいくつかあります。
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②ミネラルウオーターか、浄水した水を使う。
③サツマイモと米麹をよく混ぜ合わせる。
④発酵の途中で撹拌する&足し水をする。
⑤温度管理が大切。
⑥発酵のし過ぎに注意する。
⑦できあがったら冷蔵か冷凍保存する。
ポイント① 使う道具をあらかじめ消毒する
発酵させる過程で、雑菌が繁殖することがあります。使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。
ポイント② ミネラルウォーターか浄水した水を使う
水道水は塩素が含まれているため、発酵菌が繁殖しずらく、失敗する可能性があります。ミネラルウォーターや浄水器を通した水を使うことをオススメします。
ポイント③ サツマイモと米麹はよく混ぜ合わせる
米麹の麹菌は、サツマイモに含まれるデンプンを分解することで発酵を促進します。均一に混ざり合っていないと、じょうずに発酵しないことがありますので、よく混ぜ合わせるようにしましょう。
『発酵』とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
ポイント④ 発酵の途中で撹拌する&足し水をする
先ほども書きましたが、発酵の過程でサツマイモのデンプンは麹菌のエサとなるので、撹拌して混ざり合うことで発酵が進みやすくなります。
混ぜるときに水分がとんでパサパサしていたら、少しだけ水を足してあげましょう。
ポイント⑤ 温度管理が大切!!
発酵芋あんこをつくるときは、50~60度を保って発酵させますが、これは糖化させるために最適な温度が60度前後だからです。
麹菌が作り出す酵素。多くの酵素は60~70度で失活します。活動が止まるとデンプンを分解してくれなくなるので糖ができず、甘くなりません。逆に50度以下でも、酵素の働きは鈍くなってしまいます。
酵素が活発に活動する温度は50~60度。つまり温度が高すぎても低すぎても、NGだということ。
「じょうずに発酵してくれなかった…」という方は、この温度調整に失敗したからなんです。
ポイント⑥ 発酵のし過ぎに注意する
発酵し過ぎると、酸味が出たりアルコール臭がしたりします。過発酵を防ぐには、発酵時間を長くし過ぎないこと。また、出来あがったら常温保存ではなく、冷蔵庫か冷凍庫に入れましょう。
ポイント⑦ できあがったら冷蔵か冷凍保存する
私は、できあがった発酵栗あんこを冷蔵保存しています。その理由は、発酵の進みを遅らせるためと、雑菌の繁殖を抑えるため。
過発酵になると風味が落ちてしまったり、酸っぱくなってしまうので注意。また、常温だと雑菌が繁殖しやすく、腐敗したりカビが生えたりすることがあります。
本物の発酵食品は、理論上腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。
このように発酵のチカラによって腐りにくいと言われている発酵芋あんこですが、明らかに見た目や臭いがおかしいと感じたら雑菌が繁殖している可能性が…。残念ですが、新しく作り直しましょう。
まとめ
- 『発酵芋あんこ』の作り方って?
〇材料は栗と米麹と水の3つ。
〇手順は次の3ステップ。
①サツマイモをふかして
②水と米麹を加えて混ぜ
③発酵させるだけ!! - サツマイモの下処理について
〇あく抜きをするメリット
・変色を防止すること。
・えぐみや苦みがとれること。
・調味料が浸透しやすくなること。
〇あく抜きをするデメリット
・栄養価が下がること。
〇皮をむくメリット
・食感がよくなる。
・苦みやえぐみが緩和する。
〇皮をむくデメリット
・栄養価が下がること。 - 『発酵芋あんこ』を作るときのポイントって?
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②ミネラルウオーターか、浄水した水を使う。
③サツマイモと米麹をよく混ぜ合わせる。
④発酵の途中で撹拌する&足し水をする。
⑤温度管理が大切。
⑥発酵のし過ぎに注意する。
⑦できあがったら冷蔵か冷凍保存する。
おわりに
わが家の畑で、サツマイモがたくさん獲れました。甘みがあってホクホクしたサツマイモを食べていた時に、「これで発酵あんこを作ったらおいしそう!!」と閃いたんです。
いつも作っている発酵あんこ。サツマイモバージョンは、大正解でした!!あずきよりもクセがなくて食べやすいうえ、甘さも十分。とてもおいしいんです。
炭水化物が多いサツマイモですが、低GI値食品なんです。そしてお砂糖を使っていないから、ヘルシーなのも嬉しいポイント。
サツマイモは、もともととても栄養価の高い食品。それをさらに発酵させることで得られるメリットは大きいです!!
栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめ。
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば誰でも作ることができます。ぜひ、今回の記事を参考にして、チャレンジしてくださいね!!
この記事へのコメントはありません。