砂糖不使用!!栗で作る『発酵あんこ』。その効能と、効果的な食べ方&注意点をご紹介します!!
発酵栗あんこは、実家から送られてきた大量の栗を消費しきれなかったときに思いついたもの。あずきで作る発酵あんこもおいしいのですが、栗の甘さとコクがとてもいい味を出してくれます。
トーストにのせたり、豆乳にとかしてあんこミルクにしたり、どら焼きにしたり。砂糖不使用なので、安心して食べることができるんです。
栗は、もともと栄養価の高い食品。それを発酵させることで、さらに効果・効能が増してパワーフードに!!
今回は、その魅力的な効能と効果的な摂り方、そして摂取に際しての注意点に迫りたいと思います!!
この記事の目次
- 1.『発酵栗あんこ』ってなに?
- 2.『発酵栗あんこ』の効果・効能って?
- 3.栗のチカラ
- 4.米麹のチカラ
- 5.『発酵栗あんこ』の効果的な摂り方って?
- 6.『発酵栗あんこ』を摂るうえで気をつけたいこと
- 7.まとめ
- 8.おわりに
『発酵栗あんこ』ってなに?
『発酵栗あんこ』を知らないという方も多いと思います。まずは簡単に説明しましょう。
『発酵栗あんこ』ってなに?
発酵栗あんこは、栗に米麹を加えて発酵させたノンシュガーのあんこ。材料は、この2つだけ。作り方も次の2ステップ。とてもシンプルなんです。
〇茹でた栗に米麹と水か煮汁を加え
〇発酵させるだけ!!
市販のあんこはお砂糖たっぷり。それに比べて発酵栗あんこは砂糖不使用なのが嬉しいですね。発酵食品を手作りすると聞くとハードルが高そうですが、ポイントをおさえれば簡単にできますよ。
詳しい作り方については「砂糖不使用!!ノンシュガーの『発酵栗あんこ』。材料は栗と米麹だけ!!作り方をご紹介します」をご覧ください!!
砂糖不使用の『発酵栗あんこ』が甘くなるメカニズムって?
『発酵栗あんこ』が砂糖不使用なのに甘いのは、麹菌が栗に含まれるでんぷんを分解して糖にするから。甘酒と同じメカニズムです。
『発酵』とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
『発酵栗あんこ』の効果・効能って?
発酵栗あんこの効果・効能には、主に次の11個が挙げられます。こんなにたくさんの「カラダに良いコト」があるなんて、嬉しくなりますね。
①免疫力アップ
②むくみ防止
③血中コレステロール値を下げる
④便秘改善
⑤疲労回復
⑥美肌・美白効果
⑦老化防止
⑧がん予防
⑨アレルギーの緩和
⑩高血圧や動脈硬化の予防
⑪貧血防止
これらは、材料である栗に含まれる栄養素と、発酵のチカラから得られるもの。詳しく見ていきましょう。
栗のチカラ
栗に含まれる特徴的な栄養は、次の通り。
①ビタミンC
②ビタミンB1
③カリウム
④食物繊維
⑤ミネラル(亜鉛)
さらに渋皮は、ポリフェノールの一種であるタンニン・プロアントシアニジンを多く含んでいます。
①ビタミンC
栗は、100gあたり33mgのビタミンCを含んでいます。なんと、みかんとほぼ同じ、リンゴの8倍もの含有量なんです!!
ビタミンCは熱に弱く、加熱すると壊れてしまいます。ところが、栗に含まれているビタミンCはでんぷん質に包まれているため、加熱しても壊れにくい特徴があります。
また、ビタミンCは水溶性。水に溶けだしてしまいますが、発酵栗あんこを作る過程で栗のゆで汁も使うため、溶け出した分も逃さずに摂取することができます。
ビタミンCの主な働きは次の通り。
〇コラーゲンを生成する。
〇メラニンを抑制する。
〇血管や皮膚、粘膜などを強くする。
〇白血球のはたらきを助ける。
ビタミンCは美肌、美白にとって大切な栄養素。美容効果が高いんです。また、粘膜を強くしたり白血球のはたらきを助けたりするので、免疫力アップには欠かせません。
ビタミンCは体内で作ることができないビタミン。意識的に摂ることが必要です。
②ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質の代謝に関わる補酵素。糖質を燃やしてエネルギーに変えるときに必要な栄養素です。疲労回復効果があります。
③カリウム
栗は、100gあたり420mgのカリウムを含んでいます。ちなみにバナナは360mg。実は栗の方が多いんです。
カリウムはミネラルのひとつ。カラダの余分な水分を排出するため、むくみ防止に効果的。また、塩分(ナトリウム)も体外に排出するので、血圧を下げる効果もあります。
④食物繊維
栗は、100グラムあたり4.2gの食物繊維を含んでいます。さつまいもが2.3gなので、いかに多いかがお分かりいただけると思います。
食物繊維は、整腸作用や血中のコレステロール値を下げる働きがあります。栗に含まれる食物繊維は、ほとんどが「不溶性=水に溶けにくい性質」のもの。
胃や腸の中で水分を含んで膨らみ、その動きを活発にさせるので、便秘解消につながります。
⑤ミネラル(亜鉛)
栗には、微量ミネラルと言われる亜鉛が豊富に含まれています。欠乏すると味覚障害や皮膚炎、食欲不振、免疫機能の低下などを引き起こすことがあります。
体内で作ることができないため、食物から摂取することが必要な栄養素です。
微量ミネラルとは?
私たちの体に必須とされるミネラルは16種類あり、大きく分けて主要ミネラルと微量ミネラルがあります。
主要ミネラル:1日の摂取量がおよそ100mg以上
微量ミネラル:1日の摂取量がおよそ100mp未満
微量ミネラルは、わずかな量でも私たちの体の機能を正常に働かせるのに大きな役割を担っています。
渋皮に含まれるタンニン
渋皮にはポリフェノールの一種であるタンニンが多く含まれており、強い抗酸化作用があります。老化防止やガン予防に有効です。
抗酸化作用ってなに?
抗酸化作用とは、活性酸素を抑制する働きのこと。活性酸素は、呼吸によって取り込んだ酸素の一部が変化したものです。
活性酸素は、細胞を酸化させます。カラダが酸化すると、カラダや血管の老化、シミやシワなどの肌トラブル、生活習慣病やがんなどにつながりやすくなります。
酸化の例としては、釘が酸化して茶色く錆びたり、リンゴが酸化して茶色く変色して腐る現象が分かりやすいです。
また、アレルギー症状を緩和する働きもあります。栗に含まれるタンニンは、食物繊維と一緒に作用して炎症を抑えてくれるんです。
米麹のチカラ
発酵栗あんこは、米麹を使って発酵させます。米麹といえば、お味噌や甘酒などを作るときに大活躍する発酵菌。でも、その栄養素などを詳しくご存知の方は意外に少ないのではないでしょうか?
また、発酵食品はカラダに良い作用をもたらすと言われていますが、その理由についてもみていきましょう。
米麹の栄養素って?
発酵栗あんこの材料である米麹は、「蒸したお米に麹菌を種付けし、繁殖させて発酵したもの」。豊富な栄養素を含んでいます。
①豊富なビタミンB群
②たくさんの酵素
③食物繊維
④オリゴ糖
①ビタミンB群が豊富に含まれています
血行と代謝をアップするビタミンB群は、美肌効果が期待できます。その他の詳しい効果も挙げておきますね。
・疲労回復効果:
ビタミンB1
・成長を促進する効果:
ビタミンB2、ビタミンB6
・粘膜や皮膚を健康に保つ効果:
ナイアシン
・エネルギーを生成する効果 :
パントテン酸
・女性の健康を保つ効果:
葉酸
・血糖値を下げる効果:
ビオチン
②酵素がたくさん含まれています
米麹に含まれるアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーなどの酵素が食品の成分を分解することで、栄養の消化吸収を促進します。
③④食物繊維やオリゴ糖が含まれています
米麹に含まれる食物繊維やオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えます。
「麹」ってなあに?
蒸した米や麦、大豆などの穀物に麹菌を加えて繁殖させたもの。麹菌は、「ニホンコウジカビ」というカビの一種です。麹菌は日本特有の菌で、国菌に指定されています。
腸内環境を整えることで得られる6つの効果・効能
発酵食品は腸内環境を整えてくれます。腸には栄養素の消化吸収機能に加え、免疫機能があります。「腸活」が流行っている理由として、次の6つの効果・効能が期待できます。
①便秘解消
②肌荒れ&ニキビ改善
③免疫力の向上
④アレルギー改善
⑤ダイエット効果
⑥ストレス緩和
①便秘解消
発酵食品は腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増えにくい環境に整えます。また、腸のぜん動運動を促し、排便回数や排便量などを改善します。
②肌荒れ&ニキビ改善
肌荒れやニキビは、悪玉菌が産生する有害物質が原因。発酵菌は悪玉菌を減らし、腸の内容物が腐敗するのを防ぎます。
③免疫力の向上
発酵菌は、免疫細胞の一種である「NK細胞」や「マクロファージ」を活性化させます。免疫力が上がると、風邪やインフルエンザ、発がんリスクの低減などが期待されます。
④アレルギー改善
アレルギー症状は、液性免疫(Th2)が暴走すると起こります。Th2は悪玉菌が増えると優位になるため、発酵菌で腸内環境を整えることが大切です。
⑤ダイエット効果
悪玉菌が増えると、腐敗物が血液に溶け出して血行を悪化させ、消化吸収の機能を妨げます。腸内環境を整え、基礎代謝を上げます。
⑥ストレス緩和
幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%が腸に存在しています。セロトニンが増えると、精神状態が安定します。逆に不足すると、慢性的ストレスや疲労、意欲低下、うつ症状、不安感やイライラ感の原因となります。
『発酵栗あんこ』の効果的な摂り方って?
カラダに良い作用をもたらす発酵栗あんこ。その効果・効能を最大限に受け取るためのポイントは2つ。
①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること
①適量を長く続けましょう
発酵食品がカラダに良いとはいえ、一度に多くの量を摂り過ぎることは禁物です。成分によっては摂り過ぎることで、逆にカラダに害を及ぼすことさえあるんです。
発酵栗あんこは薬ではないので、即効性があるというよりは、長く続けることで体質が改善されていきます。まずは一ヶ月。焦らず長い目で摂り続けましょう。
④ほかの発酵食品と組み合わせて摂りましょう
発酵食品は、数種類のものを組み合わせて食べるとさらに効果が得られると言われています。ヨーグルトや味噌汁、納豆など、色々な発酵食品を日々の食卓に取り入れるといいでしょう。
『発酵栗あんこ』を摂るうえで気をつけたいこと
たくさんの効果・効能が期待できる発酵あんこですが、食べるうえで気をつけて欲しいことがあります。
それは、「くれぐれも食べすぎないこと!!」。その理由は2つあります。
①カロリーが高いこと
②糖質量が多いこと
①カロリーが高いこと
栗のカロリーは100gあたり164kcal。一粒あたりの重さは、鬼皮と渋皮をむいた状態で約22gなので、約36kcalです。5粒でごはん一杯分に相当します。
②糖質量が多いこと
栗の糖質量は100gあたり32.7g。ちなみに、さつまいもは29.7g、ごはんは36.8g。ちなみに、糖質制限中の方は一日130g以下が推奨されています。
ダイエット中の方、糖質制限をされている方は、数字をご覧いただき、くれぐれも食べすぎには注意しましょう。
まとめ
- 『発酵栗あんこ』ってなに?
茹でた栗に米麹を加えて発酵させた、ノンシュガーのあんこ。栗のデンプンを麹菌が分解して糖に変えることで、甘くなる。 - 『発酵栗あんこ』の作り方って?
〇材料は栗と米麹の2つ。
〇手順は次の3ステップ。
①茹でた栗に米麹と水か煮汁を加え
②発酵させるだけ!! - 『発酵栗あんこ』の効果・効能って?
①免疫力アップ
②むくみ防止
③血中コレステロール値を下げる
④便秘改善
⑤疲労回復
⑥美肌・美白効果
⑦老化防止
⑧がん予防
⑨アレルギーの緩和
⑩高血圧や動脈硬化の予防
⑪貧血防止 - 栗に含まれる栄養素って?
①ビタミンC
②ビタミンB1
③カリウム
④食物繊維
⑤ミネラル(亜鉛) - 米麹のチカラって?
①糖質の吸収を抑制する効果
②便秘を改善する効果
③免疫力を高める効果
④疲労回復効果 - 米麹の栄養素
①富なビタミンB群
②たくさんの酵素
③食物繊維
④オリゴ糖 - 腸内環境を整えることで得られる効果・効能とは?
①便秘解消
②肌荒れ&ニキビ改善
③免疫力の向上
④アレルギー改善
⑤ダイエット効果
⑥ストレス緩和 - 『発酵栗あんこ』の効果・効能を高める摂り方とは?
①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること - 『発酵栗あんこ』を摂るうえで気をつけたいこと
食べ過ぎに注意する!!
おわりに
実家から毎年送られてくる大量の栗。ありがたいのですが、いつも使い切れなくて。
いつも発酵あんこを作っているのですが、あずきの代わりに栗でもできないかと試してみたところ、大正解でした!!
あずきよりもクセがなくて食べやすいうえ、優しい甘さ。とてもおいしいんです。お砂糖を使っていないから、ヘルシーなのも嬉しいポイント。
栗は、もともととても栄養価の高い食品。それをさらに発酵させることで得られるメリットは大きいです!!
栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめ。
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば誰でも作ることができます。ぜひ、今回の記事を参考にして、チャレンジしてくださいね!!
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