砂糖不使用!!栗で作る『発酵あんこ』。炊飯器だととっても便利。炊飯器なしでも作れます!!
お砂糖を使っていないのに、甘くておいしい発酵栗あんこ。実家から大量に送られてきた栗の消費に困っていたときに、「作ってみよう!」と思い立ったんです。
以前から手作りしている小豆を使った発酵あんこと同じ要領で、チャレンジ。栗の甘さと旨みがベストマッチで、すっかりハマってしまいました。
発酵栗あんこや味噌、甘酒など米麹を使うときは、いつも炊飯器を使って発酵させています。わが家では、発酵食品専用に小型の炊飯器を買っちゃいました。
〇なぜ炊飯器を使うの?
〇炊飯器を使うメリットとデメリットって?
〇炊飯器がなくても作れるの?
今回は、炊飯器に注目してみましょう。
この記事の目次
『発酵栗あんこ』ってなに?
『発酵栗あんこ』を知らないという方も多いと思います。まずは簡単に説明しましょう。
『発酵栗あんこ』ってなに?
発酵栗あんこは、栗に米麹を加えて発酵させたノンシュガーのあんこ。材料は、この2つだけ。作り方も次の2ステップ。とてもシンプルなんです。
〇茹でた栗に米麹と水か煮汁を加え
〇発酵させるだけ!!
市販のあんこはお砂糖たっぷり。それに比べて発酵栗あんこは砂糖不使用なのが嬉しいですね。発酵食品を手作りすると聞くとハードルが高そうですが、ポイントをおさえれば簡単にできますよ。
詳しい作り方については「砂糖不使用!!ノンシュガーの『発酵栗あんこ』。材料は栗と米麹だけ!!作り方をご紹介します」をご覧ください。
炊飯器を使ったレシピをご紹介しているので、参考にしてくださいね。
砂糖不使用の『発酵栗あんこ』が甘くなるメカニズムって?
『発酵栗あんこ』が砂糖不使用なのに甘いのは、麹菌が栗に含まれるでんぷんを分解して糖にするから。甘酒と同じメカニズムです。
『発酵』とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
『発酵栗あんこ』の効果・効能って?
発酵栗あんこの効果・効能には、主に次の11個が挙げられます。こんなにたくさんの「カラダに良いコト」があるなんて、嬉しくなりますね。
これらは、材料である栗に含まれる栄養素と、発酵のチカラから得られるものです。
①免疫力アップ
②むくみ防止
③血中コレステロール値を下げる
④便秘改善
⑤疲労回復
⑥美肌・美白効果
⑦老化防止
⑧がん予防
⑨アレルギーの緩和
⑩高血圧や動脈硬化の予防
⑪貧血防止
なぜ炊飯器を使うの?
発酵あんこを作るときに、炊飯器を使う理由は何なのでしょう?答えは、発酵の際に温度管理をするため。
発酵は、温度管理が大切!!
発酵あんこを作るときに炊飯器を使う理由は、発酵時の温度管理をするため。発酵には適した温度があり、これがうまくいかないと発酵栗あんこが甘くならず、失敗します。
常温では適温にするのが難しく、発酵するまで時間がかかります。だから、炊飯器の保温機能を使うんです。
ちなみに私が発酵栗あんこを作るときは、50~60度&8時間以上に設定しています。その理由をみていきましょう。
麹菌の適温は?
発酵菌によって違いますが、発酵栗あんこを作るには米麹を使います。麹菌の繁殖が止まるのは45度、徐々に死滅するのは47度以上と言われています。
60度だと麹菌は死滅しちゃうのでは?
発酵菌を生きて腸に届けるには、それ以下の温度にする必要があるのでは?と思われるかもしれません。でも、麹菌は口から摂取した場合、胃酸で溶けると言われています。
発酵食品が体に良いのは「発酵の過程で有益な成分が生成されていたり、消化しにくい物質が消化されやすくなるから」。さらにいわゆる死菌にもちゃんと役割がありますので、さほど気にする必要はないんです。
酵素の適温は?
さらに、麹菌が作り出す酵素にも温度が深く関係しています。その働きは「栗に含まれるデンプンを分解して糖に変えること」。これが発酵栗あんこが甘くなる理由でした。
実は、多くの酵素は60~70度で失活します。活動が止まるとデンプンを分解してくれなくなるので糖ができず、甘くなりません。逆に50度以下でも、酵素の働きは鈍くなります。
酵素が活発に活動する温度は50~60度です。つまり温度が高すぎても低すぎても、NGだということ。これらの理由から、発酵と温度管理は切っても切れない関係なんです。
炊飯器の保温機能を知ろう
私は炊飯器を使って発酵させるとき、必ずふたを開けたままにしておきます。理由は、温度を50~60度に保つため。
一般的な炊飯器の保温機能は、最高だと74度まであがります。先ほどの適正温度よりも高いですね。この温度だと酵素は失活してしまうからなんです。
保温機能はメーカーごとに若干異なりますので、お持ちの炊飯器の説明書をご確認ください。一度実際に温度をはかってみると確実です。
炊飯器で作る際に気をつけること
ふたを開けたまま保温するので、中身が乾燥してパサパサになってしまいます。防止策として、ぬれぶきんを必ずかけましょう。さらに、時々中身をしゃもじでかき混ぜます。
発酵中、ぬれぶきんが乾いたら再度ぬらしてかけなおします。このタイミングでかき混ぜてあげるといいでしょう。それでも水分が少ないときは、適宜お水を足してあげてください。
炊飯器を使うメリットとデメリットって?
〇メリット
最初から最後まで炊飯器一つで作ることができる。
〇デメリット
炊飯器が一定時間使えなくなる。
メリット 最初から最後まで炊飯器一つで作ることができる
発酵食品で健康なカラダを作ろうとすると、長い目でみる必要があります。効果がすぐに出る人と、時間をかけて出る人がいるからです。
いずれにしても、毎日食べることと長い期間続けることが最も効果を得やすい方法。そのためには、できるだけ簡単に&らくをして発酵食品を作りたいですね。発酵栗あんこの作り方は
①栗を茹でてやわらかくする
②米麹と煮汁を加えて発酵させる
の2ステップ。これを最初から最後まで、炊飯器ひとつで担うことができるんです。洗い物が減るので、時短にも。
栗を茹でる方法としては、お鍋や圧力鍋を思い浮かべると思います。炊飯器では、「玄米炊飯モード」もしくは「雑穀モード」で炊くとうまくいきます。
それらのモードがない場合は、ふつうの「炊飯モード」で二度炊きをします。お手持ちの炊飯器にもよると思うので、色々と試してみてくださいね。
私の失敗談
栗を一度「お急ぎモード(早炊きモード)」で炊いたことがありますが、全然軟らかくならず…。そのあと同じくお急ぎモードで二度炊きしましたが、やはり硬いまま。結局、「雑穀炊飯モード」で炊きなおしました。
「雑穀炊飯モード」は時間をかけてゆっくり炊く機能。栗がやわらかくなり、ほっとしました。
デメリット 一定時間、炊飯器が使えなくなる
発酵あんこを作るには、50~60度の温度を8時間以上保つ必要があります。その間、炊飯器が占領されてしまうので、ごはんを炊くことや保温しておくことができなくなります。これはちょっと不便。
私は発酵食品を頻繁に作ります。お味噌や甘酒など米麹を使う場合、炊飯器が一番おいしく、そして失敗なく作れると確信したので、コンパクトなものを発酵食品用に購入しました。
そんなに金額も高くないうえ、小さいので置く場所もとりません。「煮ものモード」や「ヨーグルトモード」もついていて、とても便利です。
炊飯器がなくても発酵栗あんこは作れるの?
炊飯器が使えないと困る方、炊飯器をお持ちでない方もいらっしゃると思います。発酵栗あんこは、炊飯器がなくても作ることができます。
発酵に適した温度は50~60度。つまり、この温度をキープできればいいわけです。これがポイントです。
炊飯器以外の方法って?
発酵の際に一定の温度を保つには、以下の方法が考えられます。
〇ヨーグルトメーカーを使う
〇ホームベーカリーを使う
〇土鍋を使う
〇ステンレスボトル(魔法瓶)もしくはスープジャーを使う
順番にみていきましょう。
ヨーグルトメーカーを使う
発酵食品を手作りし始めると、温度設定とタイマー設定ができるヨーグルトメーカーの便利さに気づきます。
大きさもコンパクトで、お値段も手ごろなので、頻繁に発酵食品を作るという方は、購入を検討してみてもいいかもしれません。
甘酒やお味噌作りなどにも重宝しますよ。
【作り方】
・ヨーグルトメーカーに移し、60度8時間でセットします。
・途中で水分量をチェックして、必要に応じて足してあげましょう。
ホームベーカリーを使う
ホームベーカリーの「ヨーグルトモード」を使います。ただ、メーカーによって機能がついていなかったり、温度設定が違っていたりするので、あらかじめ確認してくださいね。
【作り方】
・ホームベーカリーに移し、60度8時間でセットします。
・途中で水分量をチェックして、必要に応じて足してあげましょう。
土鍋を使う
土鍋の場合は、栗を茹でるところから発酵まで土鍋ひとつで作ることができるというメリットがあります。
タオルでぐるぐる巻きにして温度を保ちますが、電化製品ではないので、一定の温度をキープすることはできません。途中で温度が下がったら、温めなおす必要があります。
【作り方】
・土鍋で栗を柔らかくなるまで煮ます。水を加えて60度に冷まし、米麹を足して混ぜます。
・ふたをした土鍋を、バスタオルでぐるぐる巻きにします。
・冷めてきたら温めなおし、60度をキープして8時間。このとき、水分が足りていないようなら足しましょう。
ステンレスボトル(魔法瓶)もしくはスープジャーを使う
ステンレスボトル(魔法ビン)もしくはスープジャーでも、作ることができます。ただし、ステンレスボトルは時間とともに温度がどんどん下がっていくので、保温に気をつける必要があります。
50~60度をキープするためには、2~3時間おきに温度をチェックして、低くなっていたら鍋で温めなおします。
【作り方】
・ステンレスボトルに移します。
・2~3時間おきに温度をチェックし、低いようであれば鍋で温めなおします。このとき水分が少ないようなら足してあげます。
まとめ
- 『発酵栗あんこ』ってなに?
茹でた栗に米麹を加えて発酵させた、ノンシュガーのあんこ。栗のデンプンを麹菌が分解して糖に変えることで、甘くなる。 - 『発酵栗あんこ』の作り方って?
〇材料は栗と米麹の2つ。
〇手順は次の3ステップ。
①茹でた栗に米麹と水か煮汁を加え
②発酵させるだけ!! - 『発酵栗あんこ』の効果・効能って?
①免疫力アップ
②むくみ防止
③血中コレステロール値を下げる
④便秘改善
⑤疲労回復
⑥美肌・美白効果
⑦老化防止
⑧がん予防
⑨アレルギーの緩和
⑩高血圧や動脈硬化の予防
⑪貧血防止 - なぜ炊飯器を使うの?
〇発酵時の温度管理をするため。発酵には適した温度があり、これがうまくいかないと発酵栗あんこが甘くならず、失敗する。
〇常温では適温にするのが難しく、発酵するまで時間がかかるので、炊飯器の保温機能を使う。 - 炊飯器で作る際に気をつけること
ふたを開けっぱなしにするので乾燥する。防止策として、必ずぬれぶきんをかけ、時々中身をしゃもじでかき混ぜる。必要に応じて水を足す。 - 炊飯器を使うメリットとデメリットって?
〇メリット
最初から最後まで炊飯器一つで作ることでがきること。
〇デメリット
炊飯器が一定時間使えなくなること。 - 炊飯器がなくても発酵栗あんこは作れるの?
炊飯器がなくても以下の方法で作ることができる。
〇ヨーグルトメーカーを使う
〇ホームベーカリーを使う
〇土鍋を使う
〇ステンレスボトル(魔法瓶)もしくはスープジャーを使う
おわりに
実家から毎年送られてくる大量の栗。ありがたいのですが、いつも使い切れなくて。
いつも発酵あんこを作っているのですが、あずきの代わりに栗でもできないかと試してみたところ、大正解でした!!
あずきよりもクセがなくて食べやすいうえ、優しい甘さ。とてもおいしいんです。お砂糖を使っていないから、ヘルシーなのも嬉しいポイント。
栗は、もともととても栄養価の高い食品。それをさらに発酵させることで得られるメリットは大きいです!!
栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめ。
私は、発酵栗あんこを作る際に炊飯器を使っています。それは、温度管理がしやすいから。常温で作るよりも早く発酵してくれるので、気軽に作れるのがメリットです。
たくさん発酵食品を作っていますが、経験上、米麹を使う場合は炊飯器で作る方法が一番失敗が少ないと思います。
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば誰でも作ることができます。ぜひ、今回の記事を参考にして、チャレンジしてくださいね!!
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