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肝臓の働きをわかりやすく!「沈黙の臓器」と言われる肝臓の病気とは?肝臓を良くする4つのポイントって?

「沈黙の臓器」と呼ばれ、不調に気づきにくい肝臓。自覚症状が出た頃には病状がかなり進行しているケースが多く、完治しにくいと言われています。定期健診などで異常が認められた場合は、先延ばしせずに早めに医療機関を受診しましょう。

肝臓はカラダのデトックスをはじめ、大切な役割を担っています。手遅れにならないように、ふだんからの予防と正しい知識を情報としてもっておき、早期に異常を発見することが大切なんです。今回の記事をぜひ参考にしてくださいね。



肝臓とは?


肝臓はどこにあるの?

肝臓はカラダの中で最も大きい臓器で、体重の約50分の1を占めています。場所は右胸の下あたり。肋骨に守られるようにして存在しています。


消化器系の一つである肝臓

肝臓は、口から肛門まで続く消化器系の臓器の一つ。消化器系とは、食べ物の摂取から分解・消化、吸収、排出までを行う臓器の総称です。


肝臓は再生する?!

肝臓は多少切り取られたとしても、再生する唯一の臓器。3分の2の肝臓を切り取られたラットが、1週間ほどで元にもどったという実験があります。




肝臓の働きとは?


肝臓の主な働きは3つあります。

①代謝
②解毒
③肝汁生成


①代謝

多くの食べ物は、そのままではカラダに吸収されません。摂取された食べ物は胃や腸などで消化され、肝臓に送られます。肝臓で栄養素として吸収できるように変化させたのち、貯蔵されます。

例えば糖質をグリコーゲンに変えて蓄え、脳などのエネルギー源として血中に放出するという具合です。


②解毒

肝臓は、体に有害な物質(アルコールやニコチン、薬、アンモニアなど)を分解してろ過し、無害化します。


③胆汁生成

肝臓は、消化液である胆汁を作ります。胆汁は、コレステロールと胆汁酸から生成されます。胆汁は脂肪の消化・吸収を助けたり、血中コレステロール値を調整したりする働きがあります。



肝臓が弱るとどうなるの?


肝臓が弱ると?

肝臓は痛みを感じる神経がなく、異常があっても表面化しずらいため「沈黙の臓器」と言われています。主な症状は

①黄疸
②かゆみ
③倦怠感、食欲低下、吐き気

などです。


①黄疸

黄疸は、皮膚や眼球が黄色くなる状態です。肝機能障害があると、胆汁色素であるビリルビン濃度があがって色素沈着が起こり、黄疸が現れます。

ビリルビンとは?
赤血球中で破壊されたヘモグロビンを胆汁に排泄する成分。肝機能障害によって胆汁に排泄されないと、血液中のビリルビン濃度が上がってしまいます。


②かゆみ

ビリルビンは皮膚の末梢神経を刺激します。適切に排泄されないと、かゆみを引き起こすことがあります。


③ 倦怠感、食欲低下、吐き気

しっかり休んでもカラダのだるさが抜けなかったり、食欲がなく、吐き気があったりすることが続く場合は肝機能が低下している可能性があります。


慢性肝炎と急性肝炎

さらに肝炎は、慢性肝炎と急性肝炎とがあります。慢性肝炎は、肝臓での軽い炎症が半年以上続いている状態。

特に注意が必要なのは慢性肝炎だと言われています。知らない間に症状が進み、肝硬変が発見されて初めて診断されることが多いからなんです。

慢性肝炎
〇倦怠感、疲労感、食欲低下
〇黄疸は稀にみられる

急性肝炎
〇発熱・咽頭痛・頭痛など、風邪に似た症状
〇黄疸、褐色尿
〇食欲低下、倦怠感、吐き気


肝硬変とは?

破壊された肝細胞が再生する過程で肝臓が繊維に置換され、硬くなっていく病気です。肝臓の繊維化が進むとごつごつした状態になり、機能が低下していきます。

初期症状はほとんどありません。進行にともない、倦怠感・疲労感などが現れます。肝臓が硬くなることで腹水や食道静脈瘤などの症状、肝機能が低下することで肝性脳症や黄疸などの症状が出ます。

主な原因は、B・C型ウイルス性肝炎からの進行。慢性肝炎やお酒の飲み過ぎ、自己免疫性肝疾患などから進行する場合もあると言われています。


肝臓の働きを調べる検査とは?

肝機能検査には、血液検査、超音波などの画像検査、肝臓の組織を採取する肝生検があります。健康診断では、血液検査でAST・ALT・γ-GTPの値を調べます。

AST・ALT・γ-GTPとは、肝臓などの臓器にある酵素です。肝臓が弱ると血液中に酵素が流れ出すため、これらの値が高くなります。

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肝臓が弱る原因は?


肝機能が低下する原因は、主に次の4つだと言われています。

①ウイルス
②アルコール
③食生活
④薬剤など


①ウイルス

ウイルスに感染して急性の肝機能障害が起こります。血液検査で調べることができます。A・B・C・D・Eの5種類の型があり、それぞれ感染経路が分かれます。

A型肝炎・E型肝炎
ウイルスに汚染された水や食物からの経口感染

B型肝炎・C型肝炎・D型肝炎
血液や体液からウイルスに感染

黄疸、食欲不振、嘔気嘔吐、全身倦怠感、 発熱などの症状が出ます。一般的に予後は良好ですが、悪化すると肝臓移植手術が必要になることもあります。


②アルコール

お酒の飲み過ぎは、肝臓へのリスクが高いと言われています。飲酒量が多く、飲酒暦が長いほど発症率が高まります。

食欲不振・だるさ・発熱・黄疸・尿の色の変化(紅茶色)が見られます。ひどくなると肝臓の腫れ・上腹部の痛み・腹水・むくみを生じます。進行すると肝硬変や肝臓癌になる場合があるので注意が必要です。


③食生活

食べ過ぎや飲み過ぎによって、肝臓内に中性脂肪がたまります。全肝細胞の30%以上が脂肪化している状態をことを脂肪肝と言います。

脂肪肝になると慢性的な炎症が起こりますが、ほとんど自覚症状がないため知らないうちに肝炎や肝硬変に進んでしまうことがあるので注意が必要です。

④薬剤など

その他、薬の服用、サプリの摂りすぎ、高血圧、糖尿病などの生活習慣病からの合併症、栄養障害などが肝機能低下の一因になり得ると言われています。



肝臓を健康に保つには?


肝機能障害については特効薬がないため、食事療法や運動療法などが大切です。10%以上体重が減ると、肝内の中性脂肪量は50%前後減少すると言われています。

①食事
②運動
③肝臓を温める
④肝臓マッサージ


①食事

〇食べすぎない
〇油を摂り過ぎない
〇糖分を摂り過ぎない
〇アルコールを飲み過ぎない

脂質や糖質の過剰摂取は肥満や脂肪肝を招くので、控えめにしましょう。塩分の摂り過ぎにも注意が必要です。加工食品やレトルト食品、スナック菓子、清涼飲料水、インスタント食品などは肝臓の解毒作用に負担をかけると言われているので避けましょう。

アルコールは控えめに。休肝日は週に2日は設けるようにしましょう。

摂取カロリーの目安とは?

1日に標準体重あたり25~35kcal/kg/日

身長160cmなら1400~2000kcal/日
身長170cmなら1600~2200kcal/日

〇バランスのとれた食事をする
〇ビタミン・ミネラルを摂る
〇食物繊維を摂る
〇タンパク質を摂る
〇肝臓の解毒作用を高める食材を摂る

できるだけ主食・主菜・副菜を用意します。ビタミン・ミネラル・食物繊維は、野菜・きのこ類・海藻類などに多く含まれます。魚介類・肉類・大豆製品・卵・乳製品などの良質なタンパク質も摂りましょう。

また、アサリやシジミなどの貝類、タコやエビなどは肝臓の解毒作用を強めてくれる食品です。

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②運動

肝機能障害時の過度な運動は医師との相談が必要ですが、脂肪肝を予防するためには運動は不可欠です。日頃からカラダを動かす習慣をつけましょう。適度な有酸素運動が効果的であると言われています。


③温める

肝臓には血液がたくさん集まります。肝臓を温めることで全身に送られる血液も温まります。血流が良くなり、代謝が高まります。

カイロや湯たんぽ、ホットタオルなどを肝臓の場所(右側の肋骨あたり)に当てて温めましょう。入浴時に湯船に浸かる、よもぎ蒸しをするなども効果的です。

ただし、温めすぎは肝臓に負担がかかるので、注意しましょう。


④肝臓をマッサージする

血流を良くするためにマッサージも効果的。ただしやり過ぎは逆効果なので、優しくなでる、軽く押すなど力を入れ過ぎないようにしましょう。

〇右側の肋骨に手を当て、左右に約20秒間さする
〇そのまま手のひらでクルクルと円を描くように約30秒間なでる
〇手のひら全体で約10秒間軽く押す



まとめ


  • 肝臓とは?
    〇カラダの中で最も大きい臓器
    〇右胸の下あたり。肋骨に守られるようにして存在
    〇消化器系の臓器の一つ
  • 肝臓の3つの働き
    ①代謝
    ②解毒
    ③肝汁生成
  • 肝臓が弱ると…
    ①黄疸
    ②かゆみ
    ③倦怠感、食欲低下、吐き気
  • 肝臓が弱る原因は?
    ①ウイルス
    ②アルコール
    ③食生活
    ④薬剤など
  • 肝臓を健康に保つには?
    ①食事
    ②運動
    ③肝臓を温める
    ④肝臓マッサージ



おわりに


肝臓について、大切な役割や特徴、病気とその原因、予防策などについてお伝えしてきました。痛みを感じる神経がなく、「沈黙の臓器」と言われる肝臓。

知らず知らずのうちに負担をかけ、気づくと病気が重篤化していた…という話をよく聞きます。手遅れにならないよう、普段からできる予防策を意識してみてください。

そして、定期健診で所見が見られた場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。今回の記事が参考になりますと幸いです。

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