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腸と脳との深い関係~なぜ『腸は第二の脳』と」言われるの?『腸脳相関』とは?簡単に解説します!!

『腸は第二の脳』という言葉を聞いたことがありますか?最近、テレビや雑誌などのメディアで腸が注目されるようになり、健康や美容、ダイエットのために「腸内環境を整えましょう!」と言われることが増えています。

腸が大切な役割を担っていることを伝えるキャッチフレーズのように使われているこの言葉。なぜそのように言われるのか、実際にどのような関係性があるのかと問われると、詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか?

知れば知るほど奥が深い腸の話。今回はわかりやすく、腸と脳との関係についてみていきます。



腸が『第二の脳』と言われるのはなぜ?


腸が『第二の脳』と言われる理由は2点あります。

①腸は脳よりも先に作られるから
②腸は脳から独立して活動しているから


①腸は脳よりも先に作られるから

お母さんのお腹のなかで、受精卵から最初に形づくられるのが腸。そこから胃や食道などの消化器官が続き、脳が出来上がります。脳よりも腸が先に作られるんです。

また、腸は発生学的にも原生生物が最初に獲得した器官。腸の動きをコントロールしていた神経細胞から脊髄ができ、そこからさらに脳ができたと言われています。これが一つ目の理由です。


② 腸は脳から独立して活動しているから

腸には約1億もの神経細胞が存在します。これらの神経細胞は、脳からの指令がなくても独立して活動することが可能です。

例えば、カラダにとって有害なものを食べてしまったときに、脳は瞬時にそれが毒だと判断することができません。腸が独自に判断して拒絶反応を起こし、嘔吐や下痢などで強制的に排泄して侵入を阻止します。

腸は脳とともにカラダに司令を出し、健康を保っているんです。これが『第二の脳』と言われるもう一つの理由です。

腸だけ?
生物の中には脳がなく、腸だけをもつものも存在します。

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『腸脳相関』とは?


『腸脳相関』は双方向の関係性のこと!

『腸脳相関』とは、脳と腸が密接に関連していること。「腸→脳」といった一方向的な関係でなく、「腸⇔脳」といった相方向的な関係性があります。つまり、互いに影響を及ぼし合っているんです。

例えば、自律神経が乱れてぜんどう運動が鈍くなることで便秘を引き起こす(脳→腸)、腸内環境が乱れてセロトニンの合成がうまくいかずに精神的に不安定になる(腸→脳)といった感じです。


自律神経が乱れると腸のぜん動運動がうまくいきません!

腸の働きは「消化・吸収」。カラダにとって大切な栄養を取りこむことと、カラダにとって不要なものを排出するという大切な働きがあります。

口で細かく砕かれた食べ物は、唾液とともに食道を通って胃に送られます。胃で3~4時間かけてドロドロの状態にされ、小腸へ。小腸で約8時間かけて栄養が吸収されたあと、大腸で約10時間かけて水分が吸収され、便として排出されます。

腸内の移動は、ぜんどう運動、分節運動、振子運動という3つの動きを組み合わせて行われます。ぜんどう運動は、縮んだり緩んだりする動きを繰り返すことで腸の内容物をスムーズに送り出しています。

このぜん動運動は、自律神経によって大きな影響を受けます。ストレスによって交感神経が優位になると副交感神経への切り替わりがうまくいかず、ぜん動運動が鈍くなって便秘に。

便が大腸内に停滞している状態が続くと悪玉菌が増え、有害物質が多く生み出されてしまい、カラダに悪影響を及ぼすんです。

自律神経のはたらきは脳の視床下部がコントロールしています。このことから、脳が腸に影響を与えていることが分かります。

腸と自律神経との関係について、詳しくはこちらから↓↓

『腸活』しましょう!!腸と自律神経の深い関係とは?自律神経を整える2つのポイントって?



腸は脳に情報を送っている?!

腸にはたくさんの神経細胞が存在することは先ほど書きましたが、それらは独自のネットワークを形成しており、『腸官神経系』と呼ばれています。

脳からの指令を受けなくても腸管の運動・分泌・血流を制御することができ、生命維持にとって大切な機能を果たしています。

さらに腸は、迷走神経という太い神経を通して脳に情報を送っているということが分かってきました。腸から脳に送られる情報量は9割。実は脳から腸へ送られるよりも多いんです。

腸から送られる情報が感情に影響を与え、メンタルを大きく左右すると言われています。さらに近年では、腸内細菌が腸脳相関に関与しており「腸-脳-腸内細菌相関」という新しい概念に進化してきています。




『腸内細菌相関』とは?


腸脳相関に腸内細菌が関与している?

最近の研究によって、腸脳相関に腸内細菌が関与していることが分かってきました。これを『微生物相関』または『腸内細菌相関』と呼びます。

腸内細菌をもたない無菌マウスを使った研究では、腸内細菌をもつマウスに比べてストレス耐性が弱く、多動や攻撃的な行動がみられました。無菌マウスに通常の腸内細菌を移植したところ、それらが正常化したという報告があります。

さらに無菌マウスの方が通常のマウスよりも脳内神経成長因子が低下していたり、脳内伝達物質の濃度が不足したりなどの違いも明らかになっています。

つまり、腸内環境を整えることがとても大切だということなんです。

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腸内環境が悪化している状態とは?


3つの腸内細菌のバランスが大切

腸にはたくさんの菌が生息しています。腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類され、理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7だと言われています。

〇善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の運動を促す菌

〇悪玉菌
腸内で有害物質を作り出し、お腹の調子を悪くする菌

〇日和見菌
善玉菌と悪玉菌のうち、数が多いほうの味方につく菌


腸内環境が悪化していると?

このバランスが崩れて悪玉菌が増えすぎると、腸内環境が悪化した状態となります。善玉菌が腸内で発酵活動を行うのに対して、悪玉菌は腐敗活動を行い、有害物質を生み出すからです。

腸は栄養を吸収し、不要なものを排出する大切な臓器。腸が弱るとカラダに必要な栄養を吸収できなくなるためエネルギー不足となったり、カラダの有毒物質を便として排出できずに次のような悪影響を及ぼしたりします。

①免疫力が低下する
②太る
③肌トラブルを起こす
④精神不安定になる

詳しくは、こちらを参考にしてください↓↓

腸内環境を整えるとどんな良いことがあるの?腸活で得られる4つのメリットって?


腸を整えるには?

腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響を受けます。腸内フローラのバランスを保つには

〇自律神経を整える
〇生活習慣を整える

がポイントです。「生活習慣を整える」については、①善玉菌を増やす食事への配慮、②質の良い睡眠、③適度な運動の三点を見直しましょう。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓

腸を整えるには?腸内環境の状態はどう判断するの?『腸活』の2つの方法って?

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腸と脳とメンタルヘルスの関係


メンタルに大きく関係しているセロトニン

セロトニンは、脳内の神経伝達物質のひとつで「ハッピーホルモン」と呼ばれ、精神を安定させる働きがあります。不足すると不安やうつ、パニック症などの精神症状を引き起こすと言われています。

セロトニンの働きは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を制御すること。脳はストレスや緊張を感じるとセロトニンを分泌して自律神経のバランスを整えます。

ノルアドレナリンとは?
交感神経の活動を高める神経伝達物質で、副腎皮質から分泌されるホルモン。過剰に分泌されると不安・恐怖・焦燥感などが現れます。

ドーパミンとは?
中枢神経に存在する脳内の神経伝達物質。ドーパミンが分泌されるとやる気や幸福感を得ることができますが、過剰に放出されると過覚醒の状態となり、統合失調症や依存症などを引き起こす可能性があります。


セロトニンの90%が腸に存在しています!

体内には約10㎎のセロトニンが存在するのですが、90%が腸に、8%が血液に、2%が脳という分布になっています。脳よりも腸に多く存在しているんですね!


セロトニンの素が腸から脳に送られる!

必須アミノ酸であるトリプトファンが ヒドリキシトリプトファン( 5-HTP )に変換されたあと、セロトニンとして合成されます。トリプトファンが5-HTPに変換される場所が腸なんです!

腸内で作られたセロトニンが脳内に送り込まれるのではなく、腸内で変換された 5-HTPが脳に送られてセロトニンが合成されるというメカニズムです。


腸内環境が乱れるとセロトニンが不足します!

トリプトファンから5-HTPに変換される時にビタミンB6が必要です。このとき使われるビタミンB6は腸内細菌が合成するものが主となっています。



まとめ


  1. 腸が『第二の脳』と言われるのはなぜ?
    ①腸は脳よりも先に作られるから
    ②腸は脳から独立して活動しているから  
  2. 『腸脳相関』とは?
    腸と脳の双方向の関係性のこと 
    互いに影響し合っている
  3. 『腸内細菌相関(微生物相関)』とは?
    腸内細菌が腸脳相関に関与していることが分かった
  4. 腸内環境が乱れている状態とは? 
    腸内細菌のバランスが崩れている状態のこと 
  5. 理想の割合は
    善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7
  6. 腸を整えるには?
    〇自律神経を整える
    〇生活習慣を整える
  7. 腸と脳とメンタルヘルスの関係
    〇メンタルに大きく関係しているセロトニン
    〇セロトニンの90%が腸に存在している
    〇セロトニンの素が腸から脳に送られる!



おわりに


「腸活」という言葉が流行るほど、健康のために腸を整えることが大切だということが広く知られるようになりました。

健康だけでなく、メンタルにも大きな影響を与えている『腸脳相関』。そして『腸内細菌相関』。腸と脳には深い関係があることが、お分かりいただけたのではないでしょうか?ぜひ腸内環境を整えてくださいね!!

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