簡単&手作り!発酵食品!『にんにく塩麴』レシピ。4つの効能とは?効果的な摂り方もお伝えします!!
ワークショップで発酵しょうがを作った際に、「チューブにんにくの代わりになるものも作りたいです」とリクエストをいただきました。
国産のにんにくは高価。発酵しょうがのレシピと同量を使って手作りするとなると日常使いしにくいな…と思い、麹と合わせて『にんにく塩麴』にしてみることに。
それが、とてもおいしくて使いやすかったんです!しかも市販のチューブにんにくは保存料や食品添加物が気になっていたのですが、材料や製造過程が目に見えると安心していただくことが出来ます。今回は、にんにく塩麴の効果・効能をお伝えしましょう。
この記事の目次
- 1.『にんにく塩麴』とは?
- 2.にんにく塩麴の効果・効能とは?
- 3.免疫力アップ効果
- 4.血行促進効果
- 5.疲労回復効果
- 6.美肌効果
- 7.にんにく塩麴を効果的に取り入れるには?
- 8.まとめ
- 9.おわりに
『にんにく塩麴』とは?
『にんにく塩麴』ってなに?
今回ご紹介するのは、にんにく塩麴。にんにくに米麹と塩を加えて発酵させることで栄養価が高まり、日持ちがするうえ、旨みも増すんです。作り方は大まかに次の3ステップ。
〇にんにくの皮を向いてフードプロセッサーにかけ
〇水と塩切麹を加えて
〇発酵させます!!
レシピについては、「 簡単&手作り!発酵食品!『にんにく塩麴』レシピ。作り方は3ステップ!!」をご覧ください。
発酵食品とは?
発酵食品は、腸を整えることで免疫力をアップさせたりダイエットに効果的だったりと、健康や美容に良い影響をもたらします。
最近ではメディアで取り上げられることも増え、意識的に毎日の食事にとり入れるご家庭も増えています。発酵させることによるメリットは次の通りです。
①消化・吸収がよくなる
②得られる効果・効能が高まる
③保存性が高まる
④おいしい!!
発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
①消化・吸収がよくなる
あらかじめ菌が素材を分解してくれるので消化・吸収がよくなり、消化器系にかかる負担が軽減します。
②得られる効果・効能が高まる
素材がもつ成分に加えて、発酵の過程で増える栄養素や酵素のチカラが加わり、得られる効果・効能が高まります。
③保存性がよくなる
本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。
発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!
発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。
④おいしい!!
そして、何よりもコクや旨味があって本当においしいんです!!発酵の過程でグルタミン酸が増し、うまみ成分が加わることがその理由です。
にんにく塩麴の効果・効能とは?
にんにく塩麴の効果・効能とは?
にんにく塩麴のチカラについてみていきましょう。主な効果・効能は次の通りです。
免疫力アップ効果
血行促進効果
疲労回復効果
美容効果
免疫力アップ効果
免疫力ってなに?
免疫力とは、病原菌やウイルスなどの異物から体を守る機能のこと。「免疫力を上げる」とは、免疫細胞を活発化させてしっかり働くようにすることです。免疫には次の二種類があります。
〇自然免疫
生まれつき備わっている仕組み。
体内に異物が入り込んだときに真っ先に動いて攻撃します。
〇獲得免疫
生まれつき備わっているものではなく、後天的に獲得された免疫反応。
過去の記憶をもとに異物と戦います。
にんにく塩麴と免疫
にんにく塩麴は、免疫力を上げる効果が期待できます。 にんにくに含まれる栄養素と、発酵食品であるということがその理由です。
①アリシンを含んでいる
②ビタミンC を含んでいる
③発酵食品であること
①アリシンの免疫力アップ効果
活性酸素はストレスや激しい運動などによって過剰に生成され、免疫力の低下を招くとされています。免疫力を高めるには、活性酸素を取り除く効果の高い抗酸化食品を積極的に摂ることが必要です。
にんにくにはアリインというたんばく質が多く含まれており、酸素に触れるとアリシンに変化します。 アリシンはにんにく臭のもとになる成分で、抗酸化作用があります。風邪の原因になる連鎖球菌やブドウ球菌を殺す強力な抗菌作用をもっているのも特徴です。
さらに、アリシンを加熱するとスコルジニンという成分が生まれます。スコルジニンは新陳代謝を活発にするので、体内の栄養素の燃焼が活性化され、体を温める効果が期待できます。
体の機能が正常に働くと言われているのが、36.5度。体温が1度下がると、白血球の働きは30%低下します。逆に1度上がると、免疫力は一時的に5~6倍にもなると言われています。
②ビタミンCの免疫力アップ効果
にんにくは100gあたり31.2mgのビタミンCを含んでいます。ビタミンCにも抗酸化作用があり、活性酸素の発生を抑えたり、働きを弱めたりしてくれます。
ビタミンCには白血球の一種であるリンパ球を元気にする働きがあるうえ、 自らもウイルスに対抗する役割を果たしています。 免疫力アップにとって、大切な栄養素なんです。
リンパ球の働き
リンパ球は、インターフェロンというタンパク質の生成を促進します。インターフェロンには、ウイルス排除、増殖抑制などの働きがあります。ウイルスを抑える薬にも使用されています。
③発酵食品の免疫力アップ効果
発酵食品には整腸作用があります。免疫力を上げるために、なぜ腸内環境を整える必要があるのでしょうか?その答えは次の2点です。
①免疫細胞の6~7割が腸に存在しているから
② 腸内の免疫細胞は、良質な腸内細菌によって強くなるから
血行促進効果
血液と健康の関係
血液には二つの働きがあります。ひとつめは栄養分や酸素をカラダの末端の細胞まで運ぶこと。ふたつめは老廃物や二酸化炭素を腎臓や肝臓などの処理器官に運ぶこと。
血行が悪くなると、「栄養分が行き渡らず、老廃物が蓄積される」という悪循環が起こります。血行不良は、肩こり、むくみ、吐き気、生理不順、自律神経の乱れなどの症状を引き起こします。さらに、脂質異常(高脂血症)から動脈硬化、脳梗塞などの脳血管疾患や心筋梗塞など生命に危険を及ぼす疾患にまで発展することがあります。
にんにく塩麴と血液
にんにく塩麴は、血行を促進する効果が期待できます。 その理由は次の通りです。
①アリシンを含んでいる
②ビタミンEを含んでいる
にんにくの有効成分であるアリシンは、加熱することで硫黄化合物に変化して血管を拡張させます。また、ニンニクに含まれるビタミンEも、末梢血管を広げてくれるビタミンです。
疲労回復効果
にんにく塩麴と疲労回復効果
にんにく塩麴には、疲労回復効果があります。 その理由は次の通りです。
①ビタミンB1を含んでいる
②アリシンを含んでいる
③スコルジンを含んでいる
④ビタミンCを含んでいる
にんにくに含まれるビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換することで疲労回復に効果を発揮します。にんにくの有効成分であるアリシンは、ビタミンB1と結合することによりアリチアミンという成分に変わります。アリチアミンは血中に長くとどまるので、スタミナアップや疲労回復に効果があると言われています。
ビタミンB1が疲労回復に効果的な理由とは?
糖質は、「糖質→ブドウ糖→ピルビン酸→アセチルAoC」の順番で変化します。ビタミンB1がサポートするのは、ピルビン酸からアセチルAoCへの変換。ピルビン酸は、体内に蓄積された疲労物質と呼ばれる乳酸を生み出します。
ビタミンB1が不足すると、アセチルAoCへの変換がうまくいかずにピルビン酸としてとどまり、疲労の原因となるのです。
また、ニンニクには特殊な成分のスコルジンが含まれており、これが精力をつける源と考えられています。さらにビタミンCにも、ストレスをやわらげて気持ちを落ち着かせ、神経伝達物質の合成をサポートする働きがあります。
美容効果
美容に効くという理由の一つが、にんにくに含まれる栄養素と、発酵食品であるということ。それぞれの効果をみてみましょう。
①アリシンを含んでいる
②ビタミンCを含んでいる
③ビタミンEを含んでいる
④ビタミンAを含んでいる
⑤発酵食品である
アリシン、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化作用
にんにくに含まれるアリシン、ビタミンC、ビタミンEには抗酸化作用があり、活性酸素の発生を抑えたり、働きを弱めたりしてくれます。
老化は、活性酸素が血管や内臓の細胞を酸化させることで起こります。抗酸化とは、この活性酸素を除去することです。若々しさを保つアンチエイジングは抗酸化物質を摂取することで促進できます。
また、ビタミンCにはコラーゲンの生成を助けてメラニンの生成を抑える作用も。ビタミンEは「若返りビタミン」とも言われています。
アリシンの酸化還元作用
にんにく特融の臭いの元であるアリシンを加熱すると、無臭のスコルジニンに変化します。スコルジニンには強力な酸化還元作用があり、細胞を活性化して新陳代謝を促進します。
私たちの肌は、4週間ごとにターンオーバー(表皮がはがれて生まれ変わること)を繰り返しています。新陳代謝がうまくいかずにターンオーバーが乱れると、肌トラブルにつながるんです。
ビタミンA の美容効果
にんにくの芽の部分に含まれているβカロテンは、体内でビタミンAとして皮膚や粘膜を健康に保つ働きをします。コラーゲン・ヒアルロン酸・グリコサミノグリカンの生成に関わっているとされています。また、ビタミンAにも抗酸化作用があります。
発酵食品の美容効果
発酵食品には整腸作用があります。美容効果を得る際に腸を整えることはとても大切です。腸と美容との関係は、次の通りです。
①便秘になると有毒ガスや活性酸素を発生し、肌荒れにつながってしまう
②腸内環境が整うと、美肌や美髪に必要な栄養をしっかり吸収できる
③腸内環境が整うとストレスが緩和される
にんにく塩麴を効果的に取り入れるには?
調理方法~加熱か?非加熱か?
にんにく塩麴を使う際に、おさえておきたいポイントの一つが調理方法です。加熱するかしないかによって、メリットとデメリットの両方があります。私は、その時に得たい効果・効能から調理方法を選ぶようにしています。
にんにく塩麴を加熱したときのデメリットは2つあります。
①ビタミンCやビタミンB1、ビタミンB6は熱に弱い
②麹菌は約70℃以上で死滅する
麹菌は死滅しても役割がある?!
死菌でも生菌の半分くらいの菌数の効果は期待できます。しかもいわゆる「死菌」にも次のような役割があるので、さほど気にする必要はありません。
〇腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にする。
〇血中コレステロール値を下げるはたらは生菌と同じ。
〇免疫を高める効果がある。
逆に加熱したときのメリットは、にんにくに含まれるアリシンがアホエンに変化することです。アホエンに変化すると、にんにく臭がやわらぎ、胃腸への刺激が軽減します。
また、アホエンになることでプラスされる効果効能があるとも言われています。ただし、100℃以上になるとアホエンも壊れてしまうのでご注意ください。
加熱の際には油を使用しましょう!
加熱調理の際に油を使用すると、にんにくが油の膜に覆われ栄養素の揮発を防ぐことができます。
有効成分であるアリシンは、生のにんにくを細かく刻んだりすりおろしたりすることで多く発生すると言われています。にんにく塩麴は、アリシンがたっぷり含まれているということですね。
食べすぎには注意!!
いくらカラダに良いからとはいえ、食べすぎると胃腸に負担がかかったり、体臭の原因になったりします。とくに生のにんにくは刺激が強いため、注意が必要です。
一般的なにんにくの摂取基準は、次のように言われています。
〇加熱の場合 4片(約20g)
〇生食の場合 2片(約10g)
発酵食品を上手にとり入れるには?
①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること
③食べ過ぎに注意する
発酵食品は薬ではないので、即効性があるというよりは、長く続けることで体質が改善されていきます。まずは一ヶ月。焦らず長い目で摂り続けましょう。
発酵食品は、数種類のものを組み合わせて食べるとさらに効果が得られると言われています。ヨーグルトや納豆、味噌など、色々な発酵食品を日々の食卓に取り入れるといいでしょう。
まとめ
- にんにく塩麴の効果・効能
免疫力アップ効果
血行促進効果
疲労回復効果
美肌効果 - 効果を高める摂り方って?
①調理方法に留意すること
②適量を長く続けること
③他の発酵食品と組み合わせて摂ること
③過剰摂取に注意すること
おわりに
健康に対する意識が高まるなか、注目されているのが発酵食品。メディアや書店で「発酵」という文字を目にすることが多くなり、意識的に日々の食事に摂り入れるご家庭が増えています。
さて今回は、『にんにく塩麴』をご紹介しました。これまでは市販のチューブにんにくを買っていたのですが、保存料や食品添加物が気になっていて…その点手作りだと、安心していただくことが出来ます。 材料にこだわることができるのも嬉しいですね。
さらに発酵させることで栄養価が高まり、得られる効果・効能が増えます。さらに保存性が高まったり、旨みが増したりと、いいことずくめなんです!!
パスタや肉料理など、チューブにんにくの代わりに使えるので、常備しておくと重宝するのでオススメ。発酵食品を手作りするのは一見ハードルが高そうですが、ポイントさえおさえれば簡単なので、ぜひ作ってみてください!
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