幸せホルモン『セロトニン』ってなに?をわかりやすく簡単に!!セロトニンを増やすための4つのポイントとは?
心やカラダを安定させてくれるセロトニンは、別名「ハッピーホルモン」と呼ばれています。セロトニンが不足すると、ネガティブな感情になってしまうんです。うつ病などの精神疾患との関わりも分かっています。
私たち人間は、誰しも幸せでありたいと願うもの。幸福感を感じることができるセロトニンの分泌を増やすにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、セロトニンについて分かりやすくまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
- 1.セロトニンとは?
- 2.脳内のセロトニンの働きとは?
- 3.腸を整えればメンタルが安定する?
- 4.セロトニンを増やす4つの方法
- 5.まとめ
- 6.おわりに
セロトニンとは?
セロトニンってなに?
セロトニンは神経伝達物質のひとつ。消化管粘膜(腸)に90%、血小板中(血液)に8%、中枢神経系(脳)に2%存在しています。必須アミノ酸であるトリプトファンからつくられます。
セロトニンの働きって?
小腸に存在するセロトニンは、ぜん動運動に関与しています。血小板中では、血液凝固や血管収縮、疼痛閾値の調節という働きがあります。
脳内では「ハッピーホルモン」と呼ばれ、精神を安定させる役割があります。不足すると不安やうつ、パニック症などの精神症状を引き起こすと言われています。
脳内のセロトニンの働きとは?
脳内のセロトニンの働きって?
脳内に存在する「ハッピーホルモン」と呼ばれるセロトニン。その働きは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を制御して脳の興奮を抑え、心身をリラックスさせることです。脳はストレスや緊張を感じるとセロトニンを分泌して自律神経のバランスを整えます。
ノルアドレナリンとは?
交感神経の活動を高める神経伝達物質で、副腎皮質から分泌されるホルモン。過剰に分泌されると不安・恐怖・焦燥感などが現れます。
ドーパミンとは?
中枢神経に存在する脳内の神経伝達物質。ドーパミンが分泌されるとやる気や幸福感を得ることができますが、過剰に放出されると過覚醒の状態となり、統合失調症や依存症などを引き起こす可能性があります。
脳内のセロトニンが不足すると?
脳内のセロトニンが不足すると、ノルアドレナリンやドーパミンが制御できなくなり、精神状態が不安定になってしまいます。その結果、次のような症状を引き起こしやすくなるんです。
〇イライラする
〇不安になる
〇ストレスを感じる
〇気分が落ち込む
〇やる気がなくなる
〇集中力が低下する
〇うつ状態になる
〇パニック症を引き起こす
〇攻撃的になる
また、自律神経の調節機能がうまくいかなくなったり、めまいや頭痛が起こりやすくなったり、 不眠症状が出たりします。
腸を整えればメンタルが安定する?
セロトニンの90%が腸に存在しています!
体内には約10㎎のセロトニンが存在するのですが、90%が腸に、8%が血液に、2%が脳という分布になっています。脳よりも腸に多く存在しているため、腸のセロトニンを増やせばメンタルが安定すると考える方が多いんです。
ところが実は、腸のセロトニンと脳のセロトニンとは役割が違います。血液中にセロトニンを点滴しても、うつ病の患者さんは治りません。なぜならば、腸でつくられたセロトニンは血液脳関門によって脳内に入ることができないからです。
血液脳関門って?
血液から脳組織への物質の移行を制限する仕組みのこと
セロトニンの素が腸から脳に送られる!
腸で作られたセロトニンと脳で作られたセロトニンには別のものではありますが、脳のセロトニンを増やすためには、腸を整えることはとても大切なんです。
セロトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンが ヒドリキシトリプトファン( 5-HTP )に変換されてから合成されます。そのトリプトファンが5-HTPに変換される場所が腸。
つまり、腸内で作られたセロトニンが脳内に送り込まれるのではなく、腸内で変換された5-HTPが脳に送られてセロトニンが合成されるというメカニズムです。
腸内環境が悪化すると、トリプトファンから5-HTPへの変換がうまくいかず、脳にセロトニンの素が届きにくくなります。
腸内環境が乱れるとセロトニンが不足します!
トリプトファンから5-HTPに変換される時にビタミンB6が必要です。このとき使われるビタミンB6は腸内細菌が合成するものが主となっています。
腸内環境が悪化するとビタミンB6の合成がうまくいかずに不足するため、 トリプトファンから5-HTPへの変換に支障をきたしてしまうんです。
興味深い実験
腸内細菌をもたない無菌マウスを使った研究では、腸内細菌をもつマウスに比べてストレス耐性が弱く、多動や攻撃的な行動がみられました。無菌マウスに通常の腸内細菌を移植したところ、それらが正常化したという報告があります。
セロトニンを増やす4つの方法
セロトニンを増やすには、次の4つの方法があります。順番にみていきましょう。
①早寝早起きをする
②適度な運動をする
③タンパク質を摂る
④腸内環境を整える
①早寝早起きをする
セロトニンを増やすには、規則正しい生活リズムが不可欠です。なぜなら、セロトニンは脳の覚醒を促す働きがあり、活性化するのは太陽が出ている間。朝日を浴びることで分泌が促され、日が暮れるとその量が減少するからです。
朝と夜でセロトニンの分泌量が増えたり減ったりするのは、睡眠を促す働きをする「メラトニン」というホルモンが関係しています。メラトニンはセロトニンから作られるため、次のような拮抗関係にあるんです。
夜間
メラトニンが多く分泌される
セロトニンの量は抑制される
昼間
セロトニンが多く分泌される
メラトニンの量は抑制される
つまり、昼間のセロトニンの分泌量が多いほど、夜間のメラトニンの分泌量が多くなります。逆に昼間のセロトニンの量が少ないと、夜間のメラトニンの量も少なくなります。
②適度な運動をする
セロトニンが分泌されるセロトニン神経は、次の2つの条件で活性化されます。
〇適度な運動を行うこと
〇日光を浴びること
運動は、一定のリズムで行うものがよりセロトニンの分泌を高めると言われています。朝日を浴びながらのウォーキングはどちらの条件も満たしているためおススメです。
③タンパク質を摂る
セロトニンは「トリプトファン」から合成されます。トリプトファンは、必須アミノ酸のひとつ。体内では生成されないため、食事から摂る必要があります。1日の摂取量の目安は、体重1㎏あたり2㎎です。
また、合成に必要な栄養素がビタミンB6。体にためておくことができないため、毎日十分な量を摂る必要があります。 1日の摂取量の目安は、成人男性で1.4㎎、成人女性で1.1㎎ です。
セロトニンを増やすには、タンパク質とビタミンB6を一緒に摂ると効果的です。それぞれを多く含む食材は次の通り。
〇トリプトファンを多く含むもの
大豆・豆製品、乳製品など
〇ビタミンB6を多く含むもの
バナナ、玄米や小麦胚芽、マグロなどの赤身魚、レバー、乳製品など
また、トリプトファンを含む食材を調理する際には次の順で効率的に増やせると言われています。
焼く
↓
ゆでる
↓
揚げる
一方、ビタミンB6は熱に弱いのでできるだけ加熱時間が短い調理方法が有効です。
セロトニンの分泌を増やすためには、朝ごはんを抜かさないこと!また、セロトニン神経はよく噛むことで活性化されます。
④腸内環境を整える
前項でもお話ししましたが、セロトニンの材料は腸で作られるため、腸内環境を整えることはとても大切。腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響を受けます。腸内フローラのバランスを保つには
①自律神経を整える
②善玉菌を増やす食事への配慮
の2点が効果的です。詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓
腸を整えるには?腸内環境の状態はどう判断するの?『腸活』の2つの方法って?
まとめ
セロトニンとは?
〇神経伝達物質のひとつ
〇消化管粘膜(腸)に90%、血小板中(血液)に8%、中枢神経系(脳)に2%存在
〇必須アミノ酸であるトリプトファンからつくられる
セロトニンの働きは?
ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を制御して脳の興奮を抑え、心身をリラックスさせること
セロトニンが不足すると?
〇イライラする
〇不安になる
〇ストレスを感じる
〇気分が落ち込む
〇やる気がなくなる
〇集中力が低下する
〇うつ状態になる
〇パニック症を引き起こす
〇攻撃的になる
〇自律神経の調節機能がうまくいかなくなる
〇めまいや頭痛が起こりやすくなる
〇不眠症状が出る
セロトニンを増やす4つの方法とは?
①早寝早起きをする
②適度な運動をする
③タンパク質を摂る
④腸内環境を整える
おわりに
誰もが幸せで穏やかな生活を送りたいと願っているはずなのに、ストレス過多な現在、うつ病などの精神疾患で悩む方が増えています。
感情に大きな影響を及ぼす「ハッピーホルモン」と呼ばれるセロトニン。セロトニンの分泌が多い方はメンタルが落ち着き、安心感を抱いています。精神疾患とも関係があるんです。
今回の記事では、セロトニンについてできるだけ分かりやすくまとめました。セロトニンを増やす4つの方法もお伝えしましたので、ぜひ参考にしていただき、できるところから取り組んでみてくださいね。
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