呼吸①呼吸とは?呼吸の6つのプロセスと14の効果!鼻呼吸と口呼吸、胸式呼吸と腹式呼吸の違いって?
人が生命を維持するうえで欠かせない呼吸。当たり前のように行われている呼吸ですが、詳しいメカニズムやその役割について、深く考えたことはないのではないでしょうか。
一口に呼吸と言っても、口呼吸や鼻呼吸、胸式呼吸や腹式呼吸、浅い呼吸や深い呼吸。細かくみていくと、色々な視点から考察することができるんです。実は呼吸は健康やメンタルとも深く関係しています。分かりやすくまとめましたので、ぜひ読んでみてくださいね。
「呼吸②」 の記事はこちらから↓↓
呼吸②浅い呼吸がもたらす5つの健康への影響とは?メンタルにも深い関係が!!浅い呼吸を改善する3つの方法って?
「呼吸③」 の記事はこちらから↓↓
呼吸③情動呼吸を知っていますか?浅い呼吸と深い呼吸がメンタルに及ぼす影響とは?改善のための4つのポイントって?
「呼吸④」の記事はこちらから↓↓
呼吸④お腹痩せに効果あり!!呼吸ダイエットの3つの方法とポイントをご紹介します!!
「呼吸⑤」の記事はこちらから↓↓
呼吸⑤瞑想と呼吸との関係とは?マインドフルネス瞑想のやり方と6つのポイント
この記事の目次
呼吸とは?
呼吸=ガス交換
呼吸とは、空気中から酸素を体内に取りこみ、細胞の代謝によって生じた二酸化炭素を体外へと排出するガス交換のこと。
二酸化炭素が出るのは?
通常、物を燃やすと二酸化炭素が発生します。燃えるものに含まれている炭素 (C) と、空気中の酸素(O)が化合して、二酸化炭素(CO2)ができるからです。
食べ物から得た栄養は、カラダの中で酸素によって燃やされ、エネルギーへと変わります。その際に出るのが二酸化炭素。呼気によって、不要な二酸化炭素を外に排出します。
呼吸は一日に3万回!!
私たちが一回の呼吸で吸う空気の量は、約400〜500mリットル。 一日に約3万回も呼吸しているんです。回数の測定は、胸やお腹の動きをみて「吸って&吐く」を1回と数え、一分間で何回呼吸したかをみます。正常値は、年齢によって異なります。
〇成人
12~20回
〇乳幼児
30~40回
〇新生児
35~50回
新生児~乳幼児期において呼吸の回数が多いのは、1回で取り込める空気の量が少ないから。呼吸の回数でその量を補っているんです。 また、どの年齢においても運動時は空気をたくさん吸うため、回数はもっと多くなります。
呼吸器とは?
気道と肺胞
呼吸器は、気道と肺胞で構成されています。気道と肺胞とは、次の通り。
〇気道
空気の通り道
〇肺胞
ガス交換を行う場所
上気道と下気道
気道はさらに、上気道と下気道に分けられます。
〇上気道
鼻から鼻腔、 鼻咽腔、咽頭、喉頭までのこと
〇下気道
気管、気管支、細気管支、肺のこと
気管は左右の肺のなかに入ると、2つに分かれて気管支となります。気管支はさらに細かく分かれ、肺胞という、ブドウの房のようについている空気が入った小さな袋につながっています。
肺胞は直径0.3mmほど。肺に約3億から6億個あるといわれています。肺胞の周りを毛細血管が網目のように取り囲んでいます。
呼吸の6つのプロセス
呼吸のしくみとは?
呼吸はどのようなしくみで行われているのでしょうか?次の6つのプロセスをたどっています。
①鼻腔や口腔から空気が取りこまれる
②取りこまれた空気は上気道に入る
③下気道から気管に運ばれる
④左右2本に枝分かれした気管支を通って肺に入る
⑤肺胞に到達する
⑥肺胞と毛細血管でガス交換が行われる
息を吸うと酸素が毛細血管を通じて体内に運ばれ、息を吐くと二酸化炭素が体外に排出されるというシステムが呼吸。鼻や口から取りこまれた空気は、上気道から下気道、気管支に運ばれ、気管支を通って肺胞に到達します。
肺胞の周りには、毛細血管が網目のように張り巡らされています。肺胞と毛細血管の間では、次のようにしてガス交換(二酸化炭素と酸素の交換)が行われます。
〇全身をめぐった血液が肺胞の袋に二酸化炭素をはき出す
〇肺胞の中の酸素が血液のなかに取りこまれる
「拡散」によって行われているガス交換
物質は、濃度の高い方から低い方へ移動するという性質をもっており、これを「拡散」といいます。呼吸のガス交換は拡散によって行われていて、酸素や二酸化炭素は次のように移動しています。
〇酸素
濃度の高い肺胞から、濃度の低い毛細血管に移動している
〇二酸化炭素
濃度の高い毛細血管から、濃度の低い肺胞へと移動している
筋肉がない肺
肺には筋肉がありません。息を吸ったり吐いたりする際に、肺自体がふくらんだり縮んだりしているわけではないんです。ではどのようなしくみで、呼吸ができているのでしょうか?
呼吸は、肺を包んでいる胸腔と横隔膜の働きによって行われています。胸腔とは、胸椎、肋骨、胸骨、横隔膜で囲まれた部分。
横隔膜が縮んで下がると胸腔がふくらみ、肺の中に空気が入って息を吸うことができます。反対に横隔膜が伸びて上がると胸腔はしぼみ、肺の中の空気が出て息を吐くことができます。
主な呼吸器疾患
呼吸器の病気には、どのようなものがあるのでしょうか?代表的なものを挙げると次の通りです。
①かぜ症候群、気管支炎
②細菌性肺炎
③誤嚥性肺炎
④肺結核
⑤非結核性抗酸菌症
⑥気管支喘息
⑦ 肺気腫
⑧間質性肺炎
⑨薬剤性肺障害
⑩過敏性肺炎
⑪肺癌
⑫自然気胸
⑬縦隔腫瘍
⑭睡眠時無呼吸症候群
風邪は、鼻、咽頭、喉頭がウイルスに感染した状態、気管支炎は気管、気管支にウイルスが感染した状態です。こじらせると細菌感染に移行することがあります。細菌などの病原菌が肺の中で繁殖すると肺炎を発症します。
細い気管支が炎症を繰り返して狭くなり、ぜい鳴や呼吸困難を引き起こす病気が気管支喘息。自然気胸は肺の表面に穴があいて空気が抜けた状態のことです。
鼻呼吸と口呼吸
呼吸には鼻呼吸と口呼吸とがあります。私たちは鼻と口から空気を取り入れます。「口呼吸よりも鼻呼吸をしましょう」と言われたことはありませんか?
これには理由があって、口呼吸の方が鼻呼吸よりも、取り込んだ空気の中にある異物を除去する働きが低いからなんです。
鼻は、細菌やごみなどの異物が空気と一緒に入ってくると、鼻水やくしゃみなどで体の外に出そうとします。そもそも、異物が容易に入らないように鼻毛が生えています。口にはこういった仕組みがありません。
胸式呼吸と腹式呼吸
呼吸には、胸式呼吸と腹式高級という2つの方法があります。胸式呼吸と腹式呼吸は共に、肋骨と肋骨の間の筋肉である肋間筋を使います。
両者の違いは、横隔膜の使い方。腹式呼吸のほうが、横隔膜を3倍〜4倍動かすといわれています。また、横隔膜に引っ張られて肺が広がりやすくなるため、胸式呼吸に比べて吸うことができる空気の量は多くなります。
〇胸式呼吸
肋間筋を使い、肋骨の上げ下げで行われる呼吸法
〇腹式呼吸
肋間筋と横隔膜を使って空気を取り込む呼吸法
ふだん、胸式呼吸を行っているという方が多いと思います。一般的には腹筋が発達している男性の方が、腹筋が弱い女性よりも腹式呼吸の割合が高いです。
浅い呼吸と深い呼吸
気持ちに余裕がないとき、緊張しているときなどに、「呼吸が浅くなっている」と気づいたり、誰かに言われたりした経験はありませんか?感情と呼吸には、実は深い関係があるんです。
その理由は、脳の中にある偏桃体が情動と呼吸の両方を処理しているから。不安やストレスから呼吸が浅く、早くなっている場合、深く、ゆったりとした呼吸を意識するだけで改善することができます。
呼吸の効果
呼吸には、カラダの隅々に酸素を送って細胞や臓器の活動を維持するという大切な働きがあります。それだけに留まらず、呼吸を整えることで以下のようなメリットがあると言われているんです。
〇ストレスが解消する
〇リラックス効果を得られる
〇脳のパフォーマンスがアップする
〇自律神経が安定する
〇代謝がアップする
〇血流がよくなる
〇血圧が安定する
〇肺の機能が向上する
〇内分泌腺が活性化する
〇便秘が改善する
〇肩こり・腰痛・ひざ痛が改善する
〇ダイエット効果が高まる
〇逆流性食道炎が改善する
〇免疫力が向上する
呼吸をコントロールすることで、カラダも心も整うと言われています。その方法などについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓
まとめ
■呼吸とは?
空気中から酸素を体内に取りこみ、細胞の代謝によって生じた二酸化炭素を体外へと排出するガス交換のこと。
■呼吸器は気道と肺胞で構成されている
〇気道
空気の通り道
〇肺胞
ガス交換を行う場所
■気道はさらに上気道と下気道に分けられる
〇上気道
鼻から鼻腔、 鼻咽腔、咽頭、喉頭までのこと
〇下気道
気管、気管支、細気管支、肺のこと
■呼吸の6つのプロセス
①鼻腔や口腔から空気が取りこまれる
②取りこまれた空気は上気道に入る
③下気道から気管に運ばれる
④左右2本に枝分かれした気管支を通って肺に入る
⑤肺胞に到達する
⑥肺胞と毛細血管でガス交換が行われる
〇全身をめぐった血液が肺胞の袋に二酸化炭素をはき出す
〇肺胞の中の酸素が血液のなかに取りこまれる
■主な呼吸器疾患
①かぜ症候群、気管支炎
②細菌性肺炎
③誤嚥性肺炎
④肺結核
⑤非結核性抗酸菌症
⑥気管支喘息
⑦ 肺気腫
⑧間質性肺炎
⑨薬剤性肺障害
⑩過敏性肺炎
⑪肺癌
⑫自然気胸
⑬縦隔腫瘍
⑭睡眠時無呼吸症候群
■呼吸の効果
〇ストレスが解消する
〇リラックス効果を得られる
〇脳のパフォーマンスがアップする
〇自律神経が安定する
〇代謝がアップする
〇血流がよくなる
〇血圧が安定する
〇肺の機能が向上する
〇内分泌腺が活性化する
〇便秘が改善する
〇肩こり・腰痛・ひざ痛が改善する
〇ダイエット効果が高まる
〇逆流性食道炎が改善する
〇免疫力が向上する
おわりに
私たちがふだん何気なく行っている呼吸。生命維持にとって欠かせない呼吸ですが、実はメンタルや健康と深い関係があるんです。
呼吸をコントロールすることで得られる効果はたくさんあります。まずは、呼吸とは何か?呼吸のメカニズムなどについて分かりやすくまとめました。「呼吸②」では、呼吸法についてさらに詳しくみていきます。ぜひ参考にしてくださいね。
「呼吸②」の記事はこちらから↓↓
この記事へのコメントはありません。