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呼吸③情動呼吸を知っていますか?浅い呼吸と深い呼吸がメンタルに及ぼす影響とは?改善のための4つのポイントって?

呼吸とメンタルは、実は密接な関係にあるんです。大勢の人の前で話をするなど、緊張する場面で心を落ち着かせるために深呼吸をした経験はありませんか?

なぜ呼吸はメンタルに影響を与えるのか?どのような呼吸が効果的なのか?詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

「呼吸①」の記事はこちらから↓↓

呼吸①呼吸とは?呼吸の6つのプロセスと14の効果!鼻呼吸と口呼吸、胸式呼吸と腹式呼吸の違いって?

「呼吸②」 の記事はこちらから↓↓

呼吸②浅い呼吸がもたらす5つの健康への影響とは?メンタルにも深い関係が!!浅い呼吸を改善する3つの方法って?

「呼吸④」の記事はこちらから↓↓

呼吸④お腹痩せに効果あり!!呼吸ダイエットの3つの方法とポイントをご紹介します!!

「呼吸⑤」の記事はこちらから↓↓

呼吸⑤瞑想と呼吸との関係とは?マインドフルネス瞑想のやり方と6つのポイント


呼吸とストレスとの関係って?


呼吸と脳との密接な関係


呼吸には意識して行う随意呼吸と、無意識に行っている代謝呼吸情動呼吸があります。それぞれが脳からの指令でコントロールされています。

随意呼吸とは、深呼吸など意識的にコントロールできる呼吸のこと。代謝呼吸は無意識に行っている呼吸で、自律神経系によって制御されています。

「第三の呼吸」と呼ばれる情動呼吸は無意識に行われており、情動と連動しているのが特徴。メンタルと深い関係があるんです。

〇随意呼吸
・意識して行う呼吸
・大脳皮質が担当している

〇代謝呼吸
・無意識に行っている呼吸
・脳幹が担当している

〇情動呼吸
・無意識に行っている呼吸
・情動によって変化する
・脳大脳辺縁系の中の扁桃体が担当している


情動と呼吸は連動している

実は、情動と呼吸は密接な関係にあります。その理由は、脳の中にある扁桃体が情動と呼吸の両方を処理しているから。 つまり感情と情動呼吸は同じ脳から生まれているのです。 感情が変化すれば呼吸も変化し、呼吸が変化すれば感情も変化します。この連動のことを情動呼吸と呼んでいます。


ストレスを感じると浅く速い呼吸に

パニック障害や不安障害を患っている人は、呼吸が浅いと言われています。精神疾患を抱えていなくても、気持ちに余裕がないときや緊張しているときなどに、呼吸が浅くなっていることに気づいたり、誰かに言われたりした経験はありませんか?

また、浅い呼吸を続けていると自律神経が乱れます。身体を緊張させる交感神経が活発となり、身体をリラックスさせるための副交感神経のはたらきが抑えられてしまうため、ストレスや不安を感じやすくなります。自律神経の乱れによって、夜眠れなくなる方も多いです。


呼吸でメンタルコントロールができる

不安やストレスから呼吸が浅く速くなっている場合、深くゆったりとした呼吸を意識することで改善することができます。



浅い呼吸と深い呼吸


呼吸には、浅い呼吸と深い呼吸とがあります。どのような違いがあるのでしょうか?自分が浅い呼吸になっているかどうかを見分けるにはどうしたらいいのでしょうか?順番に見ていきましょう。


浅い呼吸と深い呼吸

浅い呼吸と深い呼吸との違いは、吸い込む空気の量です。理想的な量は約500mL。それに対して浅い呼吸だと約250mL。倍以上の違いがあることが分かります。

また、吸ったり吐いたりする回数を同じ時間で測定したときに、回数が多い呼吸を浅い呼吸、回数が少なくゆったりした呼吸を深い呼吸と呼んでいます。通常は1分間に約12~18回。浅い呼吸の人は1分間に20回以上です。


浅い呼吸はどうやってわかる?

自分の呼吸が浅いかどうかを調べる方法があります。二通りのやり方を紹介しますので、ぜひ試してみてください。

①ゆっくりと息を吐いてタイムを計る
②ブレスホールドタイムテストを行う

①ゆっくりと息を吐いてタイムを計る

ゆっくりと息を吐き、吐ききるまでのタイムを計ります。20秒未満の場合は、浅い呼吸だと言われています。

②ブレスホールドタイムテスト

鼻から静かに息を吸い、鼻から静かに息を吐いた後、鼻をつまんで息を止めます。そのまま息を吸いたくなるまでの時間を計ります。30秒より前に息苦しくなった人は、呼吸が浅いです。



浅い呼吸を改善するには?


浅い呼吸を改善するための4つのポイント

浅い呼吸を改善するためには次の4つのポイントがあります。詳しく説明していきますので、ぜひ実践してみてくださいね。

①姿勢を改善する
②ストレッチをする
③吐く息を長くする
④腹式呼吸を意識する


①姿勢を改善する

猫背の姿勢は胸が閉じた状態。肺を圧迫してしまい、深い呼吸ができません。深い呼吸のためには、次のような姿勢を意識しましょう。

〇頭のてっぺんに糸がついていて、天井から引っ張られているイメージをして立つ
〇巻き肩にならないようにして、胸を開く


②ストレッチをする

呼吸をする際に動く筋肉をほぐすことも有効です。横隔膜や胸郭まわりの筋肉など、呼吸にかかわる筋肉のことを「呼吸筋」と言います。

呼吸筋の柔軟性と活動を高めることで胸郭可動域が広がり、深い呼吸を行うことができるようになります。胸やお腹、背中などのストレッチを行いましょう。

〇息を吐くときに使う筋肉
肺の外側にある胸壁と呼ばれる部分

〇息を吸うときに使う筋肉
背中と胸の部分

 

③吐く息を長くする

人はストレスを感じると、交感神経が優位となります。交感神経が優位になると、吸うことがメインの呼吸になるんです。

深い呼吸をするためには息を吐き切ることが大切。ところがストレスを感じて吸うことがメインの呼吸になると、しっかり肺の中の空気を外に出すことができず、浅い呼吸になってしまいます。

〇交感神経優位な状態
吸うことがメインの呼吸

〇副交感神経が優位な状態
吐くことがメインの呼吸

息を吸うときと息を吐くときとでは、次のような違いがあります。

〇息を吸うとき
・副交感神経が抑制される
・心拍が上がる
・心身が活性モードになる

〇息を吐くとき
・副交感神経が活性化される
・心拍が下がる
・心身がリラックスモードになる

ため息をつく

深呼吸が難しい人は、ため息をつくところからスタートしても。ため息をつくことで、大きく息を吐き出すことができます。たくさん吐き出すことができれば、自然と吸うことができるからです。


④腹式呼吸を意識する


腹式呼吸は、肋間筋と横隔膜を使って空気を取り込む呼吸。 胸式呼吸に比べて横隔膜を3倍〜4倍動かすといわれています。横隔膜に引っ張られて肺が広がりやすくなるため、吸うことができる空気の量が多くなります。

ふだん無意識に行っているのは胸式呼吸なので、意識的に行う必要があります。腹式呼吸は、どのようなプロセスで行われているのでしょうか?

①息を吐くときにお腹をへこませる
②息を吸うときにお腹をふくらませる

息を吐く時間は、息を数時間の2倍くらいが良いと言われています。吐くときは口から6秒くらい、吸うときは鼻から3秒くらいで、5~10分程度繰り返し行います。

息を吐くときはお腹の中の空気をすべて吐き出し、ぺたんこにすることを意識しましょう。両手を肋骨の下辺りに当てると動きを確認しやすいです。

仰向けに寝転ぶと、自然と腹式呼吸ができます。なかなかうまくいかないときは、仰向けになって感覚をつかむと良いでしょう。

やり過ぎに注意!!

腹式呼吸をやり過ぎると、呼吸性アルカローシスになって気分が悪くなったり、手がしびれたり、めまいや頭痛を起こしたりすることがあります。 呼吸性アルカローシス とは、酸素過多、二酸化炭素不足によって血液がアルカリ性になった状態のことです。




まとめ



■呼吸と脳との密接な関係
〇随意呼吸
・意識して行う呼吸
・大脳皮質が担当している
〇代謝呼吸
・無意識に行っている呼吸
・脳幹が担当している
〇情動呼吸
・無意識に行っている呼吸
・情動によって変化する
・脳大脳辺縁系の中の扁桃体が担当している
■ 情動と呼吸が連動している理由とは?
脳の中にある扁桃体が情動と呼吸の両方を処理しているから
■浅い呼吸と深い呼吸
〇ストレスを感じると浅く速い呼吸に
〇リラックスのためには深くゆったりとした呼吸を
■浅い呼吸かどうかを調べる2つの方法
①ゆっくりと息を吐いてタイムを計る
②ブレスホールドタイムテストを行う
■自律神経と呼吸との関係
〇交感神経優位な状態
吸うことがメインの呼吸
〇副交感神経が優位な状態
吐くことがメインの呼吸
■浅い呼吸を改善するには?
①姿勢を改善する
②ストレッチをする
③吐く息を長くする
④腹式呼吸を意識する
■腹式呼吸のポイント
①息を吐くときにお腹をへこませる
②息を吸うときにお腹をふくらませる



おわりに


呼吸は生命維持としての役割に留まらず、メンタルにも大きく関係していることがお分かりいただけたのではないでしょうか?ふだん無意識に行っている呼吸を意図的にコントロールすることで、緊張状態やストレスが軽減されるとしたら、心強いですね。

深呼吸が上手にできない場合は、深く長く息を吐くことから始めてみましょう。息を吐き切ると、自然に吸うことができます。コツさえつかめば、いつでもどこでも、誰にでもできることなので、ぜひ実践してみてくださいね。




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