発酵食のチカラはすごい!!『松葉サイダー』の賞味期限って?日持ちする保存方法とは?
ひそかなブームとなっている『松葉サイダー』。松葉サイダーは、松の葉に砂糖水を加えて発酵させた微炭酸の飲み物です。たくさんの効果・効能があるため、ジワジワと人気が出ているそう。
健康への関心が高まり、「腸活」が流行るとともに、発酵食品を手作りする方が増えました。市販の商品と違って賞味期限が明示されているわけではないので、「どのくらい日持ちするのか判断に迷う」という声が聞かれます。
今回は、そんなお悩みにお応えして、『松葉サイダー』の賞味期限と保存方法についてお伝えしますね。
この記事の目次
『松葉サイダー』ってなに?
『松葉サイダー』を知らないという方も多いと思います。まずは簡単に説明しましょう。
『松葉サイダー』ってなに?
松葉サイダーは、ほんのり甘い炭酸発酵飲料です。「①砂糖を使用するもの」、「②砂糖を使用しないもの」の2種類があります。
材料は、①が「松の葉と砂糖水」、②が「松の葉と果物と水」だけ。作り方は次の3ステップ。とてもシンプルなんです。
〇松の葉を枝からはずして
〇分量の砂糖水もしくは果物を入れて混ぜ
〇発酵させるだけ!!
松の葉は、なんと言っても無料(タダ)。手に入りさえすれば、コスパ大です。発酵食品を手作りすると聞くとハードルが高そうですが、ポイントをおさえれば簡単にできますよ。
①「砂糖を使用する松葉サイダー」の作り方は
発酵食のチカラはすごい!!『松葉サイダー』の作り方。3ステップでできちゃいます!!をご覧ください。
②「砂糖を使用しない松葉サイダー」の作り方は
『発酵のチカラはすごい!!砂糖不使用『松葉サイダー』の作り方。砂糖なしでも作れるんです!!さらに『松葉調味料』の作り方もご紹介します』を参考にしてください。
砂糖水のかわりに果物と水を使います。砂糖不使用なので、甘さは控えめです。
『松葉サイダー』が炭酸飲料になるメカニズムって?
『松葉サイダー』は、松の葉についている酵母菌が、砂糖水や果物の糖質をアルコールと炭酸ガスに分解することでできます。
酵母菌を使った発酵飲料といえば、ビールやワインがメジャーですね。松葉サイダーも同じ原理。発酵が進むとアルコールになるんです。
『松葉サイダー』の効果・効能とは?
松葉サイダーの効果・効能には、主に次の10個が挙げられます。
①生活習慣病の予防・改善(脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化など)
②免疫力を高める
③デトックス作用
④貧血予防・改善
⑤便秘の予防・改善
⑥体内の余分なコレステロールを排出する
⑦抜け毛防止、育毛促進効果
⑧疲労回復、リラックス、リフレッシュ効果
⑨認知症防止
⑩美白・美肌効果
こんなにたくさんの効果・効能があるなんて、驚きですね。これらは、材料である松の葉に含まれる栄養素と、酵母菌のチカラから得られるものです。
『松葉サイダー』の賞味期限って?
市販品には賞味期限が必ず明記されているので、それを目安に食べきればいいのですが、手作りだとそうはいきません。自己判断に委ねられているので、難しく感じることもあります。
『松葉サイダー』はどのくらいもつの?
『松葉サイダー』の賞味期限は、冷暗所で1年とも3年とも言われています。理論上では、本物の発酵食品が腐ることはありません。
なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。
これを「菌の拮抗作用」と呼びます。つまるところ、保存状態さえよければ相当長い間、日持ちがするということ。
砂糖を入れると腐敗しずらい?
ところが、保存状態などによって腐敗菌が勝ってしまい、カビが生えたり、腐敗したりします。発酵食品を作っていて悩まされるのがこの2つ。それを防ぐために活躍するのが砂糖なんです。
食品に含まれる水には、「結合水」と「自由水」とがあります。微生物が繁殖に利用できるのは自由水だけなので、これを減らせば抗菌力を高めることができます。
具体的に、「乾燥させる、塩漬けにする、砂糖漬けにする」という3つの方法があります。
乾燥させるのは、単純に自由水を減らすため。また、食品に塩や砂糖を加えるのは、塩や砂糖を自由水と結びつけて結合水にし、自由水を減らすためです。
結合水と自由水って?
〇結合水:たんぱく質や糖質と強く結合して離れない水
〇自由水:自由に動くことができる水
また、塩あるいは砂糖を加えると、食材に含まれる水分や微生物の水分は、浸透作用によって塩や砂糖の方に流れ出ていきます。その結果、微生物にとって必要な食材の水分量が減り、増殖しずらくなるんです。
こんな場合は、食べるのを控えて!!
先ほど発酵食品は理論的には腐らないとお伝えしましたが、あくまでも正しい方法で保存ができているという条件つきです。
こんな場合は、食べるのをやめましょう!!
以下の状況が当てはまる場合は、残念ながら食べるのをやめて、新しく作り直しましょう。あくまでも自己判断なので、注意が必要です。
①カビが生えてしまった場合。
②明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合。
①カビが生えてしまった場合
発酵食品を手作りしていると、一番悩まされるのがカビ。せっかく作ったのに、泣く泣く捨てることになってしまった…という話をよく聞きます。
「カビ」とは、微生物群の一種で、菌類の姿を示す俗称。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。
糸状の細胞を伸ばして広がり、胞子を飛ばして拡散します。そして、カビには有益なものと有害なものとがあります。
有害なものは、感染症やアレルギーを引き起こします。さらにカビが作り出す代謝産物であるカビ毒は、発がん性のものもあると言われているので、口にしないようにしましょう。
一方、有益なものもあります。「カビ」と聞くと、頭ごなしに毒だ!!と悪者扱いしてしまいがちですが、豆板醤の材料である米麹の麹菌もカビの一種。カラダに良いカビには、次の3つが挙げられます。
〇コウジカビ
味噌や醤油、甘酒などをつくる。
〇アオカビ
チーズなどをつくる。抗生物質である「ペニシリン」の材料になる。
〇酵母
パンやビール、ワインをつくる。
②明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合
できあがった松葉サイダーはおいしいです。変な臭いもしません。基本的に発酵食品は腐らないとされていますが、保存状態はご家庭の環境によって様々。
これこそ自己判断になるのですが、保存している間に次のような状態になったら、雑菌が繁殖して腐敗している可能性が高いです。食べるのをやめておきましょう。
〇糸を引いている。
〇異臭がする。
〇明らかに変な味がする。
日持ちさせるために気をつけることって?
松葉サイダーを日持ちさせるには、ちょっとした配慮が必要です。気をつけるポイントは以下の通り。順番にみていきましょう。
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②冷蔵庫で保存する。
工夫① 使う道具をあらかじめ消毒する
発酵させる過程で、カビが生じることがあります。なるべくカビが発生しないように、使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。
工夫② 冷蔵庫で保管する
私はいつも常温で1~2日おいて発酵させた後、松葉を取り出し、冷蔵庫に移しています。発酵したかどうかは、次の2点で見極めています。
①ふたを開けたときに、プッシュと音がするかどうか?
②保存瓶の側面からみて、気泡が発生しているかどうか?
冷蔵保存している理由は、カビの発生を防ぐことと、過発酵をしないため。常温でも保存することはできますが、雑菌が繁殖しやすく、腐敗してしまったり、カビが生えやすくなったりします。
また、過発酵になってアルコールになってしまいます。約1~2か月くらい経つとお酒にかわっていき、さらに発酵が進むと酢になるんです。
酵母菌が最も活発に働く温度は、35~38度。10度以下で活動が低下し、55度以上で死滅すると言われています。
つまり、冷蔵庫に入れることで発酵が進みづらくなります。逆にこの温度のときには、過発酵になる可能性が高いということです。
ちなみに冷蔵庫は0℃~10℃、冷凍庫は-12℃以下に温度設定するよう、JIS規格で制定されています。
まとめ
- 『松葉サイダー』ってなに?
『松葉サイダー』は、松の葉についている酵母菌が、砂糖水の糖質をアルコールと炭酸ガスに分解してできた発酵飲料。 - 『松葉サイダー』の作り方って?
〇材料は松の葉と砂糖水の2つ。
〇手順は次の3ステップ。
①松の葉を枝からはずして
②分量の砂糖水を入れて混ぜ
③発酵させるだけ!! - 『松葉サイダー』の効果・効能って?
①生活習慣病の予防・改善(脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化など)
②免疫力を高める
③デトックス作用
④貧血予防・改善
⑤便秘の予防・改善
⑥体内の余分なコレステロールを排出する
⑦抜け毛防止、育毛促進効果
⑧疲労回復、リラックス、リフレッシュ効果
⑨認知症防止
⑩美白・美肌効果 - 『松葉サイダー』の賞味期限って?
1年とも3年とも言われている - 発酵と腐敗の違いって?
メカニズムは同じ。微生物の働きによる食材の変化の結果、人にとって
〇有益であれば発酵。
〇有害であれば腐敗。 - こんな場合は、食べるのを控えましょう!!
①カビが生えてしまった場合。
②明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合。 - 日持ちさせるために気をつけることって?
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②冷蔵庫で保存する。
おわりに
最初、松葉サイダーにあまり魅力を感じませんでした。食いしん坊の私にとって、松がおいしいものだと、どうしても想像できなくて。
ところが発酵について勉強するうちに、その効果・効能の高さに驚き、モノは試しにと、作ってみたんです。
実際に口にしてみると、意外においしくて!!もっと青臭いのかと思っていましたが、クセのないさっぱりした味でした。
松葉は、もともとカラダにとって良い作用をもたらすと言われています。それをさらに発酵させることで得られるメリットは大きいです!!
栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめ。
そんな『松葉サイダー』の賞味期限と保管方法などについて詳しくお伝えしましたが、いかがでしたか?
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、松葉サイダーの作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!
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