これって失敗? 柿酢作りでまさかの困った!! こんな時どうしたらいいの?
柿酢を作り始めて半月くらい、次第に発酵をしてアルコールからお酢へと変化が始まっています。100%の柿から時間を重ねることで、発酵の変化が視覚やニオイを通して感じます。
微生物のチカラで、一つの食べ物が変化をしていく様子を見るのはとても面白い!!
その一方、自家製でつくる発酵食品の難しさを感じることもあります。
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上手く発酵するには??
これは一体どうしたらいいんだろう!?
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そんなことを疑問に感じることも多くあるのが発酵料理の楽しさであり難しさでもあります。一つ一つ確認することで、「なるほど!!」と思うことも沢山ありますね。
今回は、そんな柿酢作りで感じた発酵の失敗談と改善点についてお伝えしましょう。
この記事の目次
- 1.柿酢って何だろう?
- 2.柿酢の作り方
- 3.柿酢づくりでの失敗って?
- 3-1.ショウジョウバエが入ってくる
- 3-2.柿酢の液が蒸発した
- 3-3.カビが繁殖した
- 4.成功した時は?
- 5.発酵と腐敗
- 6.柿酢を作り始めたら白い膜がうっすらつきはじめた!! 産膜酵母って何だろう?
- 7.まとめ
- 8.おわりに
1.柿酢って何だろう?
柿を丸ごと瓶に詰めて発酵させて作る柿酢は、昔農家でも作られてきた果実酒の中の一つで、初めての人でも作りやすいと言われています。
「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあります。柿が赤く実るころ秋は天候が良く過ごしやすいので、医者は商売にならずに青ざめるという意味を持っていて、柿の効果効能もまた含まれています。柿は実だけでなく葉は柿の葉茶となったり、ヘタも使われ、まるごとそのまま使うことができる栄養価の高い果物です。
2.柿酢の作り方
柿をまるごと一つ使って作ります。
作るときのポイントは柿を洗わずに使うこと、柿の表面に付いた酢酸菌や酵母菌のチカラで発酵を促していきます。
柿は完熟でも早熟のモノでも大丈夫ですが、完熟のものの方が発酵をしやすいです。また糖度が高いものならば甘柿、渋柿ともにどちらとも作ることが出来ます。空気に触れるとカビやすくなるので、瓶いっぱいに詰めるとカビ予防が出来ます。渋柿の渋みはアルコールにより、抜けていくのでお酢は渋くならないです。
・柿酢作りのカビを生やさないポイント
1.瓶にぎゅっと詰めていくこと
2.酵母菌が優位になると発酵が成功しやすいです。
*もし青いカビが表面に生えてきて、これ以上使うことが難しければ捨てることをおススメします。
材料
柿・消毒した保存瓶
作り方
①柿は洗わずにサッとホコリがついていたら取ります
②柿のヘタを取り、カビが生えそうな部分は包丁で削っていきます
③消毒した保存瓶に柿を詰めていきます、少しぎゅっと押し込んでいく感じで詰めていきます
④日の当たらない場所に置いておきます
⑤2,3日するとぷつぷつと気泡が立ち始めます、その後4,5日すると柿が浮かんできて、アルコール発酵がすすみ始めます。
1日1回はかき混ぜます。
⑥15日ほどでトロトロになり、酸の香りがしてきます
⑦1ヵ月で柿酢の完成です
*柿をまるごと使うので、無農薬のものがおススメです。
3.柿酢づくりでの失敗って?
柿酢づくりを始めたら、初めの頃は落ち着いたけど時間が経つにつれて次第に変化が見られます。
上手く発酵するときもあれば、中々発酵しずらいことも・・。
失敗した時・・
①ショウジョウバエが入ってくる
②柿酢の液が蒸発した
③カビが繁殖した
柿酢づくりでの失敗はいろんな場面から見られます、その状況からどのように改善していくのかを見ていきましょう。
3-1.ショウジョウバエが入ってくる
柿酢を仕込んでいたら、ビンの中にショウジョウバエが入って産卵してしまいました。発酵臭につれられてショウジョウバエが寄ってくるので、ビンの中に入らないように気を付けていきます。
3-2.柿酢の液が蒸発した
柿酢のビンを直射日光が当たるところに置いていたら、中の液体が蒸発して水分が減ってしまった。温度管理と過度な日光は蒸発する可能性が高いので、あまり陽が当たるところには置かないように気を付けておくことが大切です。
3-3.カビが繁殖した
カビが発生した原因①
ビンを熱湯消毒やアルコール殺菌をしていなかった。
漬ける前にしっかりとアルコール消毒をしておきます。
カビが発生した原因②
上手く発酵せずに雑菌が入ってしまったためにカビが付着してしまった。固形物が浮いたままになっているとカビが繁殖しやすいので、よく混ぜておくことが大切です。
〇カビって何だろう?
カビは世界に約3万種類生息していると言われていて、微生物の中でも30~40%はカビが生息していると言われています。
そして、カビは「糸状菌」「キノコ」「酵母」の3タイプに分けられます。
カビは、実は地球の生態系になくてはならない存在なのです、それは、不要になった有機物を無機物に分解する働きを持っており、もしカビがいなければ、地球上のモノが分解されることなく埋め尽くされてしまうためです。地球の循環にとってなくてはならない存在なのです。排泄物や食べ物、落ち葉などあらゆる有機物を無機物に分解してくれます。
・黒カビ
普段の生活でよく見かけることの多い、一番メジャーなカビです。クラドスポリウムと言われていて、空気中にも多く浮遊しています。
・青カビ
発生率が高いカビで、チーズやパンなどに付着することが多いです。医薬品に使われるペニシリンも含まれています。毒性はないが、他の有毒なカビも発生していることもあるので、気を付けておくことが大切です。
・赤カビ
植物病原菌の一つと言われています、野菜やパンに発生することが多く、腐敗しやすくなります。人体に影響があるため、もしは発生している場合は食べないことをおススメします。
4.成功した時は?
成功した時は、どんな風になっているかな?
成功した時は?
・気泡が立って、柿がビンの中で浮かんできます。
・アルコール臭から、お酢のニオイへと変化していきます。
5.発酵と腐敗
発酵も腐敗も微生物の働きは同じモノ、いずれも食品が置かれた環境や食べ物の成分に適した微生物が増殖していきます。自然界にとってはどちらも有益なものなのです。
5-1.発酵とは
発酵は糖類が分類されて、微生物の働きによって乳酸や酢酸、アルコール成分へと変化していくものです。身体にとってのメリットは、栄養が身体に吸収されやすい、食べ物にうま味が増す、発酵の過程でビタミンなどが生成されるので栄養価が増すなどがあります。
人にとって有効に働いてくれるものを発酵と言います。
5-2.腐敗とは
お魚やお肉のようにたんぱく質やアミノ酸が含まれた食品が分解されて、アンモニアや腐敗臭がしたもので、カビのニオイを感じて食べれないモノのことを言います。
牛乳を放置しておくと、雑菌などの腐敗菌が入ってきて腐った状態となります。この状態を腐敗と言います。
人にとって有害となってしまうものを腐敗と言います。
6.柿酢を作り始めたら白い膜がうっすらつきはじめた!!
産膜酵母って何だろう?
6-1.産膜酵母
酵母の一種で、表面に白く膜のようになっています、複数の酵母が含まれており空気を好む特徴があり、酵母の表面に発生するが身体に害はなく一緒に混ぜても特に問題はないです。
はじめは薄い白い膜の産膜酵母も時間を置いているとドロドロとしたこんにゃくのようなモノが浮いてきます。それらは酢酸菌と呼ばれるものでお酢が完成した証となります。このゼリー状のような塊であるこんにゃくが、アルコールやお酢のニオイがする場合は、産膜性酢酸菌のコロニーと言われるものです。
産膜酵母が発生しているということはしっかりと発酵しているということになります。これを紅茶に入れて発酵させると、乳酸菌飲料の紅茶キノコが出来ます。また、ナタデココは菌の種類は違いますが産膜酵母のかたまりとなったものです。よく見る産膜酵母の一つに梅干しなどの表面が白くなっているものがあります。
・紅茶キノコ
紅茶キノコとは、煮だした紅茶に砂糖と酵母で出来た発酵成分を入れたもので、柿酢を作る際に出来る産膜酵母がその発酵成分に当たります。砂糖を栄養源にしながら発酵を促していき、免疫力の向上や炎症の緩和などの効果があると言われています。
6-2.産膜酵母が出来たら?
その1.すくって取っておく
産膜酵母をそのままにしておくと味が悪くなってしまうので取っておきます。
その2.一緒に混ぜる
産膜酵母が表面に出来たら、身体にも特に害はないので全体的にかき回して一緒に混ぜます。
・産膜酵母とカビの違い
カビは菌糸が伸びて白くほわほわした状態のモノ、産膜酵母は全体的に膜が伸びているもの。
完成した後は・・
そのままの状態で保存をすると雑菌が入りやすくなりますが、手作りの柿酢は出来る限り生で保存をすることで酢酸菌もそのまま生きている状態となります。殺菌をすると、こんにゃく菌や雑菌を抑えて保存力が上りますが、酢酸菌が死滅して発酵しなくなります。
殺菌方法
65℃以上のお湯に柿酢を入れた容器を20分つけ置きします。
容器は?
プラスチックのものを使うと酸で容器が溶けてしまう恐れがあるためビンを使うことをおススメします。
7.まとめ
- 柿酢ってなんだろう?
柿を丸ごと瓶に詰めて発酵させて作る柿酢は、昔農家でも作られてきた果実酒の中の一つで、初めての人でも作りやすいと言われています。柿酢の作り方秋の味覚の一つの柿をまるごと使った、柿酢の作り方です。柿一つで出来てしまう、初めて発酵ものを作る人におおススメです。 - 柿酢づくりでの失敗って?
柿酢づくりをしていたら、虫がビンの周りで飛んでいた李、カビが繁殖したりといろいろな現象が起きてきます。 - ショウジョウバエが入ってくる
柿酢を仕込んでいたら、ビンの中にショウジョウバエが入って産卵してしまいました。 - 柿酢の液が蒸発
柿酢のビンを直射日光が当たるところに置いていたら、中の液体が蒸発して水分が減ってしまった。 - カビが繁殖した
・ビンを熱湯消毒やアルコール殺菌をしていなかった。
・上手く発酵せずに雑菌が入ってしまったためにカビが付着してしまった。 - 発酵と腐敗の違いは?
発酵も腐敗も微生物の働きは同じモノ、いずれも食品が置かれた環境や食べ物の成分に適した微生物が増殖していきます。
・発酵
発酵は糖類が分類されて、乳酸や酢酸、アルコール成分へと変化していくもの。
・腐敗
お魚やお肉のようにたんぱく質やアミノ酸が含まれた食品が分解されて、アンモニアや腐敗臭がしたもの。 - 柿酢を作り始めたら白い膜がうっすらつき始めた!!産膜酵母って何だろう?
産膜酵母
酵母の一種で、表面に白く膜のようになっています、複数の酵母が含まれており空気を好む特徴があります。
・紅茶キノコ
紅茶キノコとは、煮だした紅茶に砂糖と酵母で出来た発酵成分を入れたもので、柿酢を作る際に出来る産膜酵母がその発酵成分に当たります。
・産膜酵母が出来たら取っておく
産膜酵母をそのままにしておくと味が悪くなってしまうので取っておく
・一緒に混ぜる
産膜酵母が表面に出来たら、身体にも特に害はないので全体的にかき回して一緒に混ぜてしまう。
・産膜酵母とカビの違い
カビは菌糸が伸びて白くほわほわした状態のモノ、産膜酵母は全体的に膜が伸びているもの。
8.おわりに
柿酢を作りはじめてみたら、次第にお酢の香りへと変化が始まっています。目で見て、ニオイを感じて少しずつの変化が発酵の面白さに魅了されるきっかけになりますね。
今回は、柿酢の失敗についてお届けしました。
自宅で作り始めると、「この場合はどうしたらいいのだろう?」と疑問に感じることはあると思います。私自身もいろいろな発酵料理を作っている中で、「どうしたら発酵をしてくれるのだろう?」「発酵ってそもそも何?」と感じることが多くありました。
そして、発酵の奥深さの虜になることも♪
柿100%で作る柿酢は、旨味がギュッとつまった美味しい発酵料理です。
作ってみたけど、うまくいかないなという時にはぜひご参考にして下さい♪
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