新潟県の発酵料理4選!! 旨味がギュギュっと詰まった、絶品料理をお届けします♪
新潟県のイメージと言えば、雪深くて寒く、冬の時期には生活をするのが大変そう・・と思われている人も少なくないと思います。
でも、実は山間部は積雪も多く大変ですが、平野部は積雪も少なく積もることがほとんどないので、実は生活に困ることはほとんどありません。
ただ、寒い時期の多い新潟県は、お味噌もゆっくり熟成型。
じっくりと時間をかけて発酵させていきます、そうすることで旨味成分をギュッと詰め込んでいきます。
寒い地域での発酵と、温暖の地域での発酵は少しずつ変わってきますね。
今回は、新潟県を代表する発酵料理4選をご紹介しましょう。
すぐに簡単に作れて、旨味もギュッと詰まった発酵料理は身体にもよく、一口食べるたびに思わず「美味しい!!」と幸せを感じますね。
1.新潟県の気候
「新潟=雪国」というイメージを持つ人も少なくないと思います。
山間部などは3~4mほどの雪が積もることもあり、その一方日本海沿岸の平野部は雪は降りますが、あまり積もらないため、生活に支障をきたすこともありません。
典型的な日本海側の気候で、冬は降雪、降雨が多く季節風が吹き、夏は高温多湿です。また、年間を通して湿気が多いのが特徴的です。日照時間も短く、冬の間は東京の1/3ほどでほとんど晴れ間を見ることがありません。そして、ほとんど晴れることがないので、雨や雪が止んだ時には「晴れた」と言う方言のような言葉があるくらいです。
平均気温は、山ぞいでは12℃、平野部では13℃ほどとなっており、年間を通して少し肌寒い気候となっています。
そんな、北の地に位置する新潟の発酵料理はゆっくり型。ゆっくり、じっくり時間をかけて行っていきます。
2.新潟県のお味噌の特徴
上杉謙信が永禄7年に現在の千葉県に攻め込んだ時に、野田地方で作られていた味噌の作り方を兵が習い、それを農民に広く伝えていきました。新潟県は自然豊かな土地柄で、お米が作られることでも有名です。
特に魚沼産コシヒカリはよく耳にすることも多いかと思います。
そんな自然豊かでお米が豊富な新潟県には代表する2つのお味噌があります。
越後味噌
米味噌に当たり大豆の量が多く米麹の分量が少ないため辛口味噌に分類されます。辛口味噌は、塩の分量にもよりますが麹の量によっても辛味が変わってきます。また、辛口味噌でも越後味噌は赤色味噌に分類され、色合いは淡色に近く、熟成期間が長いのが特徴的です。
佐渡味噌
麹の割合が多く甘味が強い赤色中辛味噌です。米糀の粒がほとんどない麹が使われており、大豆も米の粒もすりつぶして作られます。深い香りが特徴的なお味噌です。
浮き麹
越後味噌には、浮き麹と呼ばれるものがあり、お味噌の上に米麹がふわっと浮いており、発酵の過程で米の中身が溶けだして袋だけが残ったものです。粒はデンプン化していて食べる面では問題ないです。
3.新潟県の発酵料理
初めてきくこともある料理もありますが、話を聞くだけで思わず美味しそうと食べてしまいたくなる新潟県の発酵料理。
今回は、そんな新潟県の4つの発酵料理についてお届けしましょう。
1.どぶろく
2.かんずり
3.煮菜
4.桜飯
3-1.どぶろく
神事と結びつきの強いどぶろくは、「豊作を祈願するための神聖なお酒」という意味もあります。日本酒作りの工程で、「上槽」と呼ばれる醪を個体(酒粕)と液体(原酒)に分ける作業があるが、この工程を経ることなくそのままの状態で飲まれるのがどぶろくです。
飛鳥・奈良時代に豊作の祈願や収穫への感謝をする場でどぶろくを神様に捧げるという風習がありました。岐阜の白川郷では、どぶろくが祭礼に用いられていて、五穀豊穣・家内安全を山の神様に祈願して、村内にある神社で「どぶろく祭」というお祭りが行われています。
3-2.かんずり
世界的にみても珍しい発酵料理で、新潟県妙高市で作られている唐辛子を発酵させた辛味調味料です。一年で一番寒い時期に仕込まれることから「寒造里」とも書かれます。
塩漬けにした唐辛子を雪の上に一度さらして天日干しにする「寒ざらし」を始めに行います。寒ざらしは、3~4日ほど天気の良い日に行います。雪に置いておくことで、唐辛子のアクが抜けて甘味と旨味が増します。その後、唐辛子を雪の中にさらした後にすり潰して、米糀と柚子、塩を混ぜ合わせて約3年間発酵熟成させます。
古くは多くの家庭で作られていて、一家に必ず一つは常備されている調味料です。「手前かんずり」とされて自宅で手軽に作られています。妙高市は長野県に隣接していて、特別豪雪地帯とされるほど厳しい寒さの地域、冷え切った身体を温めるために食べていたと言われています。
簡単かんずり
材料
唐辛子 150g
塩糀 150g
柚子 小1
・混ぜ合わせて3日ほど常温で保存します。
3-3.煮菜
新潟県の郷土料理で、一般家庭でも作られる塩漬けにした菜っ葉を使った郷土料理です。体菜と呼ばれる、明治初期に中国から入ってきた野菜を使って料理します。
それぞれの家庭で、青物がない冬の時期に食べられていて、塩漬けにした体菜は塩出ししてから調理をしていきます。塩漬けにした体菜を油で炒めてだし汁と醤油や味噌で煮たり、人参やごぼう、油揚げを入れたりとたくさんの種類の野菜を入れても美味しい。出汁は煮干しや鰹節などを入れて一緒に煮るとさらに美味しくなる。
材料
体菜の塩漬け 500g
サラダ油 大さじ3
だし汁 適量
味噌 少々
作り方
①塩漬けした体菜は茹でて塩出しをします、煮えたら火を止めて1時間くらいそのまま置いておく。
②水気を切って、3cm幅に切り油で炒めて出汁を加えて煮ていきます。また、お好みで人参や油揚げなどを一緒にいれても美味しいです。
③味噌を入れて味の調整をしていきます。
参照:煮菜 新潟県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)
3-4.桜飯
司馬遼太郎の「峠」に登場する、幕末の長岡藩士「河合継之助」を主人公に書かれた小説の中で、その河合継之助が好んだ食べ物、ごはんにかけて食べる大根の味噌漬けが「桜飯」です。
大根のカリカリとした食感が好まれて、深い味わいのある味噌との相性も抜群です。また、小説の中で床屋と農民の紛争を解決した際に、床屋から「何かお礼をしたいが何がよいでしょうか?」と聞かれた際に河井は「桜飯ほど美味しいものはない」と言ったと言われています。味噌漬けを桜の花に例えていたことから始まっているのか、長岡藩では桜飯と呼んでいたそうです。
材料
大根
塩(大根の分量の8%程)
お味噌(大根と同量)
砂糖 お好みで
作り方
①大根を切って、塩を揉み込む。
②2~3日置いて水気が出てきたら、絞る。
③砂糖を混ぜたお味噌に漬ける
④2~3週間漬け込んだら完成
4.まとめ
- 新潟県の発酵料理
「新潟=雪国」というイメージを持つこともありますが、山間部などは3~4mほどの雪が積もることもあります。 - 新潟県のお味噌の特徴
お米が有名な新潟県は麹の割合が多く、少し辛味を感じるお味噌です。 - 新潟県の発酵料理
・どぶろく
神事と結びつきの強いどぶろくは、「豊作を祈願するための神聖なお酒」という意味もあります。
・かんずり
世界的にみても新潟県妙高市で作られている唐辛子を発酵させた辛味調味料です。
・煮菜
新潟県の郷土料理で、一般家庭でも作られる塩漬けにした菜っ葉を使った郷土料理です。
・桜飯
司馬遼太郎の「峠」に登場する、幕末の長岡藩士「河合継之助」を主人公に書かれた小説の中で、その河合継之助が好んだ食べ物、ごはんにかけて食べる大根の味噌漬けが「桜飯」です。
5.おわりに
新潟県の発酵料理いかがでしたでしょうか?
寒い土地には温かい食べ物が欲しくなりますね、そんな中で出来た発酵料理は美味しく、また身体をポッと温めてくれるものもあります。
糀やお味噌、また塩漬けなど乳酸菌や麹菌などが入った食べ物は、食べるだけで活力が湧き、身体を整えてくれるチカラがあります。
旨味成分もギュッと詰まった新潟県の発酵料理、ぜひ一度お試しください。
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