簡単手作り!乳酸発酵レシピ3選!!その②~発酵たまねぎ、発酵トマト、とぎ汁乳酸菌編
健康ブームにのって、腸内環境を整えることの大切さをメディアで頻繁に目にするようになりました。そこで注目されているのが発酵食品。私のまわりでも、発酵食品を手作りする方が増えています。
市販品の発酵食品は流通上、保存性を高めるために添加物を加えたり、大量生産のために改良がされていたり。その点手作りだと製造過程や材料が目に見えるので安心です。素材にこだわることもできますね。
さて、今回は乳酸発酵レシピ3選。発酵たまねぎ、発酵トマト、とぎ汁乳酸菌をご紹介しましょう。たまねぎもトマトもスーパーなどで手軽に、そして安価に手に入れられるところが魅力的。とぎ汁に至っては無料ですね。
日々の生活にとり入れることができるよう、できるだけ簡単に&シンプルに作る工夫をしています。レシピをご覧いただいて、ぜひ作ってみてください!!
この記事の目次
発酵とは?
そもそも、『発酵』とは、どういうものなのでしょうか?発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。発酵の過程で得られるメリットは次の通りです。
①消化・吸収がよくなる
②栄養価が加わる
③うまみが加わる
④保存性がよくなる
①消化・吸収がよくなる
微生物が生成した酵素は、栄養素を分解します。ある程度分解された状態で摂取されるため、体内での消化・吸収がしやすくなります。
②うまみが加わる
酵素で分解生成されたさまざまな成分は、香りや味を出し、もともとの食材を変身させます。
③栄養価が加わる
食品は発酵させることで栄養価がアップします。 微生物によって食材のデンプンやたんぱく質等の栄養素が分解されることもメリットのひとつ。栄養をスムーズに取り込むことができます。
④保存性がよくなる
本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。
発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!
発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。
腸内環境を整えることで得られる6つの効果・効能
発酵食品は腸内環境を整えてくれます。腸には栄養素の消化吸収機能に加え、免疫機能があります。「腸活」が流行っている理由として、次の6つの効果・効能が期待できます。
①便秘解消
②肌荒れ&ニキビ改善
③免疫力の向上
④アレルギー改善
⑤ダイエット効果
⑥ストレス緩和
①便秘解消
発酵菌は腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増えにくい環境に整えます。また、腸のぜん動運動を促し、排便回数や排便量などを改善します。
②肌荒れ&ニキビ改善
肌荒れやニキビは、悪玉菌が産生する有害物質が原因。発酵菌は悪玉菌を減らし、腸の内容物が腐敗するのを防ぎます。
③免疫力の向上
発酵菌は、免疫細胞の一種である「NK細胞」や「マクロファージ」を活性化させます。免疫力が上がると、風邪やインフルエンザ、発がんリスクの低減などが期待されます。
④アレルギー改善
アレルギー症状は、液性免疫(Th2)が暴走すると起こります。Th2は悪玉菌が増えると優位になるため、発酵菌で腸内環境を整えることが大切です。
⑤ダイエット効果
悪玉菌が増えると、腐敗物が血液に溶け出して血行を悪化させ、消化吸収の機能を妨げます。腸内環境を整え、基礎代謝を上げます。
⑥ストレス緩和
幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%が腸に存在しています。セロトニンが増えると、精神状態が安定します。逆に不足すると、慢性的ストレスや疲労、意欲低下、うつ症状、不安感やイライラ感の原因となります。
乳酸発酵&乳酸菌とは?
ヨーグルトやぬか漬けなどに豊富に含まれる乳酸菌。知れば知るほど、その特徴や効果に驚きます。乳酸菌パワーについて、分かりやすく説明していきましょう。
乳酸菌って?
乳酸菌とは「糖を分解して、乳酸をつくる細菌」の総称。乳酸菌とひと口に言っても、実はたくさんの種類があるんです。乳酸菌の名称は、「属・種・株」の順に表記されており、その特徴ごとに26属、381種、50亜種に分けられています。
その種類は多種多様で、正式に認められている種類は250種以上。 それ以外にも数千種類あるといわれ、その性質や形はさまざま。「種」「株」の違いについては、わかりやすい資料がありますので、引用しておきますね。
代表的な乳酸菌の正式名称
https://kikumasamune-health.jp/lactic-acid-bacteria_type/
ヤクルト「乳酸菌シロタ株」・・・ラクトバチルス属・ガゼイ種・シロタ株
明治「R-1乳酸菌」・・・ラクトバチルス属・ブルガリクス種・OLL1073R-1株
明治「LG-21」・・・ラクトバチルス属・ガセリ種・OLL2716株
メグミルク「ガセリ菌SP株」・・・ラクトバチルス属・ガセリ種・SBT2055株
キリン「プラズマ乳酸菌」・・・ラクトコッカス属・ラクティス種・JCM5805株
カルピス「L-92乳酸菌」・・・ラクトバチルス属・アシドフィルス種・L-92株
乳酸発酵って?
『乳酸発酵』とは、乳酸菌などによって有機物が分解され、乳酸になること。乳酸菌の種類によって、次の2パターンがあります。
〇グルコースから、乳酸だけを産生する。
〇グルコースから、乳酸&エチルアルコール&炭酸ガスを産生する。
乳酸発酵が起きるとどうなるの?
乳酸発酵には、次の2つの特徴があります。
○原料が分解されて甘味が少なくなり、酸味が増して、香りや旨味などの風味が加わる。
○酸性の環境を作り、他の雑菌が繁殖しづらくなるため、原料の保存性が高まる。
これらの特徴を生かして、保存食づくりや、家畜のエサ(牧草など)の保存に利用されています。
乳酸菌の選び方は?
「動物性の乳酸菌と植物性の乳酸菌、どちらを摂取するのが効果的ですか?」と聞かれることがあります。公益財団法人腸内細菌学会は
〇同一の「種」であれば乳酸菌の基本的な性質や遺伝子情報はほとんど変わらない。一方、健康効果については「株」によって大きな差がある。
〇乳酸菌は「動物性と植物性」に分類されるが、分離源によって「微生物学的性質の違いはない」
としています。つまり、乳酸菌を選ぶ際は「動物性か、植物性か」よりも、それぞれの菌種・菌株の特徴に注目した方が良いのです!!
「株」ごとに期待される効果と食品
多種にわたる乳酸菌。得られる健康効果については「株」によって大きな差があるのですね。代表的なものを挙げておくので、乳酸菌を摂る際の参考にしてください。
〇腸内環境改善、抗肥満効果(NTM048株)
キムチ、すんき漬け、豆乳ヨーグルトなど
〇血中中性脂肪低減(R037株)
ぬか床、発酵乳など
〇免疫賦活、歯周病改善効果(HK L-137株)
すぐき漬け、キムチ、ピクルス、鮒ずし、ワイン、サワードウ、豆乳ヨーグルトなど
〇腸内菌叢改善、不安改善効果(KB290株)
すぐき漬け、キムチ、きゅうり古漬けなど
〇風邪予防効果(1073R-1株)(ST9618株)
ヨーグルト、チーズなど
〇免疫調節、アレルギー抑制効果(シロタ株)
ヨーグルト、チーズ、サワードウなど
〇肌の免疫力・バリア機能増強効果(JCM 5805株)
チーズ、サワークリーム、発酵バターなど
〇抗アレルギー効果(MN45株)
醤油、味噌、魚醤、塩辛など
上手に乳酸菌をとる方法って?
Q. 乳酸菌をとり続けると、どのくらいで効果が実感できますか?
A. 便秘の改善や整腸作用は、2週間くらい。免疫力を上げるには、3ヶ月くらい。多くのメーカーの実験で、3か月という結果が出ています。
Q. 乳酸菌の摂取量の目安は、ありますか?
A. 特に決まっていませんが、人間の腸内には100兆くらいの乳酸菌が存在しています。その数を考慮すると、生菌で一日数百億くらい、死菌でその2-3倍程度を摂取しておいたほうが良さそうです。また、1日のうちまとめて摂っても、 小分けにして摂っても、体内に入る菌の量やはたらきは同じです。
Q. 乳酸菌を摂取するのにおすすめの時間帯はありますか?
A. 乳酸菌は薬ではなく、食品です。基本的には好きな時間で良いでしょう。
Q. どのくらいの期間、摂り続けたらいいですか?
A. 乳酸菌は、摂取すると少しずつ体内に蓄積されていきますが、やめるとゆるやかに減少していきます。 長く続けることが大切です。
「簡単手作り!乳酸発酵レシピ3選」をご紹介します!!
野菜を乳酸発酵させるのは、基本的なルールは同じ。材料は、野菜と塩と水だけです。作り方は、下ごしらえした野菜に一定濃度の塩水を加えて発酵させるだけ。とてもシンプルです。コツさえつかめば、誰でも簡単に作ることができるので、ぜひトライしてみてくださいね!!
そしてもう一つ。とぎ汁乳酸菌をご存知でしょうか?お米を研いだ際に出るとぎ汁に、塩と砂糖を加えて発酵させたもの。もちろん飲用も可能ですが、私は入浴剤や万能スプレーとして使用しています。今回は、この3つの作り方をご紹介しましょう。
①乳酸菌たっぷり『発酵たまねぎ』
②乳酸菌たっぷり『発酵トマト』
③乳酸菌たっぷり『とぎ汁乳酸菌』
バージョン① 乳酸菌たっぷり『発酵たまねぎ』
「玉ねぎを食べると血液がサラサラになる」という話を聞いたことがありませんか?カラダに良い栄養価をたっぷり含んだ食材です。また、どんな料理に入れても風味をプラスしてくれる万能野菜。
わが家では、玉ねぎのみじん切り代わりにハンバーグやキーマカレーの具材にしたり、サラダやスープに入れたりと大活躍です。 常備しておくと、さっと使えるので時短にも。作り方はこちらから↓↓
\3つの材料+3つのステップ/で、超簡単!!健康や美容に効果的な『発酵玉ねぎ』の作り方
バージョン② 乳酸菌たっぷり『発酵トマト』
家庭菜園で大量に獲れたミニトマト。食べきれなかった分を発酵させてみたら、とてもおいしくて。トマトピューレやホールトマトのかわりになるので、とても便利。市販のトマト缶は有害物質が含まれていると聞いて、気になっていたので一石二鳥でした。
缶入りのホールトマトが危険だと言われる理由って?
缶の内側には、腐食や金属が溶け出すのを防ぐためにコーティング加工がされています。コーティング剤に使われているビスフェノールA(BPA)という化学物質が、トマトの酸の影響で溶け、体に有害な影響をもたらすと言われています。
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『発酵トマト』はプチトマトでも作れるの?ミニトマトを使った作り方をご紹介します!!
バージョン③ 乳酸菌たっぷり『とぎ汁乳酸菌』
とぎ汁乳酸菌をご存知でしょうか?米のとぎ汁を塩と砂糖を加えて発酵させた液体。飲用もできますし、塗用や浴用などにも使用できます。洗剤代わりに食器洗いやお掃除にも。また、肥料や虫よけとしても使えます。まさに万能液なんです!!
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発酵食品を効果的にとり入れるには?
カラダに良い作用をもたらす発酵食品。その効果・効能を最大限に受け取るためのポイントは2つ。
①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること
①適量を長く続けましょう
発酵食品がカラダに良いとはいえ、一度に多くの量を摂り過ぎることは禁物です。成分によっては摂り過ぎることで、逆にカラダに害を及ぼすことさえあるんです。
発酵食品は薬ではないので、即効性があるというよりは、長く続けることで体質が改善されていきます。まずは一ヶ月。焦らず長い目で摂り続けましょう。
④ほかの発酵食品と組み合わせて摂りましょう
発酵食品は、数種類のものを組み合わせて食べるとさらに効果が得られると言われています。ヨーグルトや納豆、味噌など、色々な発酵食品を日々の食卓に取り入れるといいでしょう。
まとめ
- 発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。 発酵の過程で
①消化・吸収がよくなる
②栄養価が加わる
③うまみが加わる
④保存性がよくなる - 腸内環境を整えることで得られる6つの効果・効能
①便秘解消
②肌荒れ&ニキビ改善
③免疫力の向上
④アレルギー改善
⑤ダイエット効果
⑥ストレス緩和 - 乳酸発酵&乳酸菌とは?
糖を分解して、乳酸をつくる細菌の総称。 - 簡単手作り乳酸発酵レシピ3選
①発酵たまねぎ
②発酵トマト
③とぎ汁乳酸菌 - 発酵食品を効果的にとり入れるには?
①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること
おわりに
健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。ところが、市販されている発酵食品は材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いんです。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。
元々、カラダに良い食材たち。それを発酵させることで得られるメリットは大きいです!!栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめですね。
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてください!!
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