乳酸菌たっぷり!『発酵タケノコ』。温度との関係とは?発酵しない理由って?加熱しても大丈夫?

発酵タケノコは、下茹でしたタケノコを米のとぎ汁と塩とで乳酸発酵させたもの。冷凍したり乾燥させたりしておくと長期保存することができるので、旬 を過ぎても春の味覚を楽しむことができます。

発酵と温度は、切っても切れない関係。発酵食品を手作りするようになると、必ずと言っていいほど温度についての疑問が浮かんできます。

〇発酵しない理由は温度管理にあり?
〇カビと温度との関係って?
〇発酵食品は加熱してもいいの?

今回は、「温度」というキーワードに焦点を当てていきますね。発酵食品を食べたり作ったりする際の参考にしてください!!

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『発酵タケノコ』って?


『発酵タケノコ』ってなに?

それでは早速、『発酵タケノコ』の作り方をご紹介します。材料はタケノコと米のとぎ汁と塩の3つだけ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルなんです。

〇茹でてあく抜きをしたタケノコに
〇米のとぎ汁と塩を混ぜて
〇発酵させるだけ!!

レシピについては『乳酸菌たっぷり!『発酵タケノコ』の作り方。簡単レシピを紹介します!!』をご覧ください。


発酵タケノコを手作りすることのメリットとは?

『発酵タケノコ』を作るメリットって何でしょう?私は次の3つだと思っています。

①安心&安全である
②発酵させることで、栄養価が高まる
③おいしい!!

私は、発酵タケノコを冷凍したり乾燥させたりして保存しています。こうすると長期保存が可能なので、春の味覚を長い間楽しむことができます。以前から市販の水煮タケノコは、原産地や保存料などが気になっていました。手作りだと原材料にこだわれるうえ、製造過程が目に見えるので安心。

また、もともと栄養価の高いタケノコですが、発酵させることで得られる効果・効能がさらに高まります。そして何よりも旨味があって、本当においしいんです!!炒め物にしたり、煮つけてみたり、味噌汁やスープの具としても大活躍しています。

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発酵とは?


発酵とは?

まずは『発酵』について簡単に説明しましょう。発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。発酵の過程で得られるメリットは次の通りです。

①消化・吸収がよくなる
②栄養価が加わる
③うまみが加わる
④保存性がよくなる

①消化・吸収がよくなる

微生物が生成した酵素は、栄養素を分解します。ある程度分解された状態で摂取されるため、体内での消化・吸収がしやすくなります。

②うまみが加わる

酵素で分解生成されたさまざまな成分は、香りや味を出し、もともとの食材を変身させます。

③栄養価が加わる

食品は発酵させることで栄養価がアップします。 微生物によって食材のデンプンやたんぱく質等の栄養素が分解されることもメリットのひとつ。栄養をスムーズに取り込むことができます。

④保存性がよくなる

本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。

発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!

発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。

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発酵しないのはなぜ?


「レシピ通りに作ったのに、発酵しないんだけど…」という悩みをよく聞きます。発酵タケノコの場合、酸味や旨味が感じられない状態ですと、発酵不足だと考えられます。なぜ上手に発酵が進まなかったのでしょうか?これにはちゃんと理由があるんです。

発酵しない理由って?

「発酵が進む」とは、乳酸菌がタケノコに含まれる糖を分解して乳酸を生成すること。発酵しないということは、乳酸菌が活発に働いていないから。たいていは、温度管理に原因があることが多いです。乳酸菌には、活性化する温度、働きが鈍くなる温度、死滅する温度があります。環境によって、増え方が違ってくるんです。

じょうずに発酵させるためのポイントとは?

発酵のメカニズムからみると、じょうずに発酵させるためには温度管理が大切だということが分かりました。一般的に乳酸菌が最も活発に働く温度は、20~45度と言われています。つまり、冬場で気温が低いときには発酵が進みづらくなり、夏場で気温が高いときには過発酵になる可能性が高いということです。

気温が低くて発酵が進まないときには、20~45度を保たなければなりません。逆に夏場は、エアコンが効いていない暑い部屋だと、発酵が進み過ぎてしまったり、カビが生えたりする可能性が。

ご家庭によって室温は様々。季節による寒暖差も大きいです。じょうずに発酵させるには、一定の温度を保つ工夫をしましょう。ちなみに、乳酸菌は50℃以上で徐々に死滅、70℃では1分もたたないうちに死滅すると言われています。

乳酸菌とひと口に言っても、実はたくさんの種類があります。その性質や形はさまざま。種類によって活性化する温度にも差があるんです。

〇高温性 40~45度
〇中温性 30~35度
〇低温性 10度

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カビと温度との関係


発酵食品を作っていて悩まされるのがカビ。せっかく作ったのに泣く泣く捨てることになった…という話をよく聞きます。カビが発育する温度は、5~45℃。最も育つのは15~30℃です。

繁殖を抑えるには、この温度を避ければいいということですね。私は、出来上がった発酵タケノコを冷凍保存しています。

冷蔵庫の温度は強弱などのモードにもよりますが、冷蔵室が約0℃~6℃、野菜室が約3℃~9℃、冷凍室が約マイナス22℃~マイナス16℃、瞬冷凍室が約マイナス18℃~マイナス5℃です。

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発酵食品は加熱してもいいの?


生菌と死菌って?

発酵食品を作っていると、よくいただくのが「発酵食品を加熱してもいいのかどうか?」という質問。乳酸菌は、一定の温度以上で死滅すると言われているからです。CMなどで「生きたまま腸まで届く」というキャッチフレーズを聞いて、死滅して腸まで届かないなんて意味がないんじゃないか?と思われる方もいらっしゃるでしょう。

結論からお伝えすると、火を通すことはさほど気にする必要はありません。なぜなら、死菌にも役割があるからなんです。

乳酸菌
〇最も活発に働く温度 20~45度
〇徐々に死滅する温度 50℃以上
〇死滅する温度    70℃

乳酸菌は種類によって活性化する温度にも差があります。

〇高温性 40~45度
〇中温性 30~35度
〇低温性 10度


「死菌」にも役割があるんです!!

「生きた菌を腸に届けたい」と考える方が多いのですが、乳酸菌を口から摂取した場合、胃酸で溶けると言われています。そもそも発酵食品が体に良いのは「発酵の過程で有益な成分が生成されていたり、消化しにくい物質が消化されやすくなるから」。生きた菌が腸に届かなくても、ちゃんと効果・効能を得ています。

また、死菌でも生菌の半分くらいの菌数の効果は期待できます。しかもいわゆる「死菌」にも次のような役割があるので、さほど気にする必要はありません。その役割については次の通りです。

〇腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にする。
〇血中コレステロール値を下げるはたらは生菌と同じ。
〇免疫を高める効果がある。



まとめ


  • 『発酵タケノコ』の作り方って?
    〇材料はタケノコと米のとぎ汁と塩の3つ。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①茹でてあく抜きをしたタケノコに
    ②米のとぎ汁と塩を混ぜて
    ③発酵させるだけ!!
  • 発酵とは?
    微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。 発酵の過程で
    ①消化・吸収がよくなる
    ②栄養価が加わる
    ③うまみが加わる
    ④保存性がよくなる
  • 発酵しないのはなぜ?
    発酵しないということは、乳酸菌が活発に働いていないから。
    たいていは、温度管理に原因があることが多い。
  • じょうずに発酵させるためのポイントとは?
    温度管理に気をつける
    →乳酸菌が活発に働く温度を保つこと。
  • カビと温度との関係
    5~45℃で発育。最も発生しやすいのは15~30℃。
  • 発酵食品は加熱してもいいの?
    死菌にも役割がある。



おわりに


健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。ところが、市販されている発酵食品は材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いんです。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。

元々、カラダに良いタケノコ。それを発酵させることで得られるメリットは大きいです!!栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめですね。

私は細切りや薄切りにするなど、形状を変えてカットし、それぞれチャック付き保存袋に入れて冷凍保存しています。必要な時に解凍して使えるので、市販の水煮タケノコは買わなくなりました。いただきもののタケノコで作っているので、お財布にも優しいんです。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!

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