手作りの『発酵バター』が分離しない!!これって失敗?いいえ大丈夫です!!

最近話題の発酵食品。健康や美容に効果的だといわれて、テレビや雑誌で特集が組まれるほど人気です。

わが家では、以前から市販の発酵バターを食べていたんですが、「手作りできるかも!」と思い立ち、チャレンジしてみたんです。

すると!!そのおいしさに病みつきに。しかも自分で作ると、材料や作る過程が目に見えるので、安心ですね。

発酵食品を手作りすることは決して難しくはないのですが、途中で「これって失敗?」と、判断に迷うときがあります。

発酵バターに関しては、なかなか分離しなくて、くじけそうになりました。

そんな私の体験を交えながら、「なぜバターが分離しないのか?」について見ていきたいと思います。





発酵バターの作り方


はじめに、発酵バターの作り方について、簡単に説明します。


発酵バターと通常のバターの違いって?

発酵バターと通常のバターの違いは、簡単に言うと「発酵しているかしていないか?」。その違いを簡単にまとめると、以下の通り。

〇非発酵バター(甘性バター)
クリームをかき混ぜて、乳脂肪分を分離させることで作られます。

〇発酵バター
クリームに乳酸菌を混ぜて、発酵させてから作ります。

一般的に売られているバターは、非発酵バター(甘性バター)ですね。

発酵バターは、発酵させることで風味や香りが増し、おいしくなります。

しかも、もともと栄養価の高いバターに乳酸菌が加わることで、さらに健康や美容への効果が増すんですよ。

発酵バターの効果については、「おいしくて魅力がいっぱい!!『発酵バター』の効果・効能って?」に詳しくまとめました。

高コレステロール&高カロリーのバター。「体に悪そう…」と、食べ控えている方も多いと思います。

食べ方にさえ気を付ければ、魅力的な食品なので、こちらの記事も参考にしてくださいね!!

「健康や美容に効果あり!!な『発酵バター』だけど、コレステロールは大丈夫なの?」


発酵バターの作り方

【材料】
〇生クリーム 200㎖
※動物性で、乳脂肪分が高いもの 
〇ヨーグルト 大さじ1
〇塩(有塩にする場合)

量を増やす場合は、単純に倍量にしてください。


【作り方】
①生クリームにヨーグルトを混ぜます。

②発酵させます(40度で約6時間)。

③冷蔵庫で寝かせます(1~3日間)。
※クリームチーズ状になったらOK。

④ハンドミキサーで混ぜます。
※乳清(ホエイ)とバターが分離したらOK。

⑤水分を切って出来上がり。

詳しい作り方については「2つの材料&2つのステップで作れちゃう!おいしくて体にも良い『発酵バター』の作り方」をご覧ください。


「分離しない状態」とは?

ホエイ(乳清)とバターとに分離しない状態は、手順④で起こります。

混ぜても混ぜても、ホイップ状から変わらず、水分と固形物に分離してくれないんです。

でも「これって失敗?」とあきらめかけましたが、ちゃんとリカバリできました!!発酵バターが分離しない理由はふたつ。

〇生クリームの種類による
〇材料の温度が高いことによる

順番にくわしく説明しましょう。



理由その1 生クリームの種類による


発酵バターの材料となる生クリームは、動物性の乳脂肪分35%以上のもの

さらに、乳化剤が入っていない商品を選びます。それ以外だと分離せず、バターを作ることは難しいんです。


生クリームの定義を知ろう

法律でバターは、次のように定義されています。

「生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去し、乳脂肪分を18.0%以上にしたもの」

つまり、生乳や牛乳以外のものから出来ているものは、生クリームではありません。

以前私は、スーパーに並んでいるものすべてが生クリームだと思っていました。


生クリームの種類をみてみましょう

スーパーに並んでいる商品は、次の種類に分けられます。

①動物性のもの(純正生クリーム)

②牛乳や生乳を使用した生クリームに、乳化剤や安定剤を添加したもの

③乳脂肪に植物性脂肪を加えたもの(コンパウンドクリーム)

④植物性のもの(ホイップクリーム)

つまり、①のみが生クリームといえるんです。特に①と②は区別しずらいので、表示の違いを載せますね。

①と②の表示の違いって?

①動物性のもの(純正生クリーム)
『種類別 クリーム(乳製品)』

②牛乳や生乳を使用した生クリームに、乳化剤や安定剤を添加したもの
『種類別 乳又は乳製品を主要原料とする食品』


発酵バターの材料に適している生クリームは?

バターは生クリームを撹拌して、水分と乳脂肪分を分離させて作ります。固形の乳脂肪分がバターです。

④の植物性のものでは、発酵バターを作ることはできません。

③のコンパウンドクリームでは、乳脂肪分が少なすぎて難しいです。

②の乳化剤入りの生クリームは、バターにすることはできます。ただ乳化剤の特性により、分離させるための撹拌に、相当時間が必要です。

乳化剤とは?

水と油のように通常では混ざりにくい2つの性質をもった物質の表面(界面)に働きかけ、その性質を変えて均一に混ざりやすくするために使われる添加物。

そのため、クリームの分離が起こりにくく、バター作りには適さないようです。

①動物性の生クリームは、乳脂肪の割合(35%、40%、42%など)によって商品が分かれています。

発酵バターを作るときに最適なのは、乳脂肪分の割合が高い生クリームです。

種類による特徴をみてみましょう

①動物性のもの(純正生クリーム)
法律で生クリームと定められたもの。乳脂肪分が高いため、濃厚。

②牛乳や生乳を使用した生クリームに、乳化剤や安定剤を添加したもの
・動物性の脂肪分を使用しているため、生クリームと近い味わい。

・添加物が加わっているため法律的には生クリームと表示することはできない。

・安定剤などが加わることで分離しにくく、ホイップするときに扱いやすい。

③乳脂肪に植物性脂肪を加えたもの(コンパウンドクリーム)
・ 動物性の乳脂肪と植物性の脂肪分が加わっているため、ちょうど中間の味わい。

・植物性脂肪が加わっているため、価格もリーズナブルで口当たりが軽い。

④植物性のもの(ホイップクリーム)
・賞味期限が長い、食感が軽い。



理由その2 材料の温度が高い


発酵させた生クリームは、撹拌させる前にしっかりと冷やすことが大切なんです。


ポイントは「冷やすこと」!!

デコレーションケーキを作ろうとして、生クリームをホイップしたのに、なかなか固まらない!!という経験はありませんか?

私は、どんなに混ぜてもツノが立たなくて焦った経験があります。原因は常温のまま混ぜたから。

実はバター作りも同じ。生クリームにヨーグルト(乳酸菌)を混ぜて40度で約6時間発酵させた後、そのまま撹拌して発酵バターを作ろうとすると、確実に失敗します。

いったん冷蔵庫に入れ、1~3日間しっかりと冷やし、寝かせることがポイントなんです。

冷蔵庫で寝かせた後の様子がこちら。写真のように、ちゃんと固まっていれば大丈夫です!!

ちなみに、なかなか分離せずに諦めかけたバターも、冷蔵庫に入れてしっかり冷やしてから、再度ハンドミキサーで撹拌すると、今度はちゃんと発酵バターになりました!!


分離までの所要時間の目安って?

撹拌開始から分離までの時間は、その時々で違うんです。室温や使う生クリームの種類(乳脂肪分の%など)によるのだと思います。

諦めかけたころ、急に水分(ホエイ)と固形物(バター)に分かれ始めたことも。

使った生クリームの種類に問題がなく、発酵させた後の材料をしっかりと冷やしてから撹拌したのであれば、もう少し粘って混ぜ続けてみてください!!

混ぜ始めてから約5分経過のようすがこちら。まずはホイップ状になります。

さらに混ぜると、だんだんそぼろ状に。ここから分離までが予想以上に長く感じるんです。

このときは撹拌スタートから約20分経過した頃、分離が始まりました。


私と同じ失敗した方の、こんな声をみつけましたので載せますね。

常温なのに氷水のボウルを敷いても無駄でした。冷蔵庫に入れる時間が短くても駄目でした。数時間〜一晩しっかり冷やす。固まるまで冷やす。これが大事。

https://livingpokke.com/making_sourcreambutter



まとめ


  • 分離しない理由その1 
    「生クリームの種類による」

    発酵バターの材料となる生クリームは、動物性の乳脂肪分35%以上のもの。

    さらに、乳化剤が入っていないものを選びます。それ以外だと分離せず、バターを作ることは難しいです。
  • 分離しない理由その2 
    「材料の温度が高いこと」

    ポイントは、発酵させた生クリームは撹拌させる前に、しっかりと冷やします!!




おわりに


クリームに乳酸菌を混ぜて、発酵させてから作る『発酵バター』は、健康にも美容にもダイエットにも効果的。

ぜひぜひ手作りしてみてくださいね!!

「『発酵バター』をもっとおいしく&もっと効果的に食べたい!!発酵バターの使い方」も、参考にしてください。

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