発酵食品を手作り!!『自家製豆板醤』。カビを防止するにはどうしたらいいの?

豆板醤は発酵食品です。発酵食品は健康や美容、ダイエットなどに効果的だといわれ、メディアでも頻繁にとりあげられるようになりました。

豆板醤もしかり。色々な効果・効能を得ることができます。そしてなんと、手作りすることができるんです!!

一見ハードルが高そうですが、意外に簡単。栄養価が高くて保存もきくので、常備しています。お料理にもう一味欲しいな~というときに、便利ですよ。

発酵食品を作っていると、時々悩まされるのがカビ。せっかく作ったのに捨てることになってしまった…という話をよく聞きます。

実は、豆板醤の材料である麹菌がカビの一種だということをご存知ですか?食べてもいいカビと、食べてはいけないカビ。矛盾しているように見えますね。今回は『カビ』をテーマにみていきましょう。

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『自家製豆板醤』をご紹介します!!


豆板醤の作り方って?

『豆板醤』の作り方をご紹介します。材料はソラマメ、唐辛子、塩、米麹の4つだけ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルなんです。

〇ソラマメを柔らかく茹でて
〇唐辛子と塩と米麹を混ぜて
〇発酵させるだけ!!

作り方は、こちらをクリックしてご覧ください。『発酵食品を手作り!!3ステップでできちゃう『自家製豆板醤』の作り方』


豆板醤を手作りすることのメリットって?

『自家製豆板醤』を作るメリットって何でしょう?私は次の3つだと思っています。

①安心&安全である
②辛さを調整することができる
③おいしい!!

市販の商品は、大量生産が必須。また流通上、一定の品質を保持しなければなりません。そのために材料が遺伝子組み換えだったり、添加物が入っていたりするものが多いです。

その点、手作りだと原材料にこだわれるうえ、製造過程が目に見えるので安心していただくことができます。

また、唐辛子の種類や量を変えることで、辛さや味を調整できるのもメリット。好みの味を見つけるのも楽しいですよ。何よりもコクや旨味があって、本当においしいんです!!一度作ると市販のものには戻れなくなりました。


豆板醤の効果・効能って?

豆板醤の効果・効能には、主に次の7つが挙げられます。これは、豆板醤の材料であるソラマメ、唐辛子、米麹に含まれる栄養と、発酵させることで得られるものです。

①脂肪燃焼 
②食欲増進 
③疲労回復
④ガンを予防する
⑤カラダを温める
⑥栄養の吸収を助ける
⑦整腸作用 

自家製豆板醤の栄養や効果・効能については、『発酵食品を手作りしましょう!!『自家製豆板醤』の栄養とは? 得られる効果・効能って?』をぜひお読みください!!

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カビってなに?


発酵食品を作っていると、カビに悩まされることがあります。発酵過程でカビが生えてしまい、泣く泣く廃棄した…という方も多いですね。

ところが実は、豆板醤の材料である麹菌もカビの一種。そもそもカビって、いったい何なのでしょうか?人のカラダにどのような影響を及ぼすのでしょうか?


「カビ」ってなに?

「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。糸状の細胞を伸ばして広がり、胞子を飛ばして拡散します。


カラダに良いカビと悪いカビがあるんです!!

豆板醤に使われている米麹。麹菌はカビの一種です。味噌や醤油、甘酒などの発酵食品づくりには欠かせません。カラダに無害で有益なカビには、以下のものがあります。

〇コウジカビ
味噌や醤油、甘酒などをつくる。

〇アオカビ
チーズなどをつくる。抗生物質である「ペニシリン」の材料になる。

〇酵母
パンやビール、ワインをつくる。

ところが一方で、カラダに悪影響を及ぼすカビがあります。人体への影響としては、次の2種類が挙げられます。

①カビそのものによる感染症。
②カビによるアレルギー反応。
③カビ毒による影響。

①カビそのものによる感染症例

〇真菌性肺炎
〇白癬菌(はくせんきん)による皮膚真菌症=水虫
〇食道炎
〇胃腸炎
〇髄膜炎など

②カビによるアレルギー例

〇喘息
〇アトピー
〇アレルギー性鼻炎など

③カビ毒による影響

カビ毒とは、カビが作り出す代謝産物のうち、人や動物に対して有害な作用を示す化学物質の総称。病気を引き起こしたり、発がん性のカビ毒もあるんです。

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カビが発育する5つの条件とは?


菌の繁殖を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか?カビは発育するのに適した条件があります。つまり、その条件を避ければいいということですね。


カビが発育する5つの条件

カビが発育するための5つの条件は、次の通りです。

①酸素
②温度
③水分
④水素イオン濃度
⑤栄養分


条件① 酸素

カビは、酸素のあるところでのみ生育します。これを好気性といいます。市販の食品に入っている脱酸素剤は、湿気るのを防ぐだけでなく、防カビの役目もあるんです。


条件② 温度

カビは、5~45℃で発育します。冷蔵庫でも少しずつ増殖するのですが、最も育つのは15~30℃。繁殖を抑えるには、この温度を避ければいいということですね。


条件③ 水分

食品に含まれる水には、「結合水」「自由水」があります。微生物が繁殖に利用できるのは自由水だけなので、これを減らせば抗菌力を高めることができます。

そのためには「乾燥させる、塩漬けにする、砂糖漬けにする」という3つの方法があります。

乾燥させるのは、単純に自由水を減らすため。また、食品に塩や砂糖を加えるのは、塩や砂糖を自由水と結びつけて結合水にし、自由水を減らすためです。

結合水と自由水って?

〇結合水:たんぱく質や糖質と強く結合して離れない水
〇自由水:自由に動くことができる水


条件④ 水素イオン濃度

カビが発育するのは、pH 3~9。特に、pH 4~6の範囲が最も適した濃度で、弱酸性を好みます。


条件⑤ 栄養分

カビの栄養分は、私たちが口にする食品、皮脂やフケ、ダニの死骸やフンなどのハウスダスト、木材や植物性繊維、石鹸など多岐にわたります。



豆板醤を作る際のカビ対策って?


では実際に、豆板醤を手作りする際のカビ対策として、どのような工夫があるのでしょうか?

①使う道具をあらかじめ消毒する。
②保存容器に詰めるときは、すき間ができないようにする。
③保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
④ヨーグルトメーカーで発酵させ、出来上がりを冷蔵庫で保管する。


工夫① 使う道具をあらかじめ消毒する

発酵させる過程で、カビが生じることがあります。なるべくカビが発生しないように、使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。

私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。


工夫② 保存容器に詰めるときは、すき間ができないようにする

カビは好気性でしたね。空気が入ると雑菌が繁殖しやすくなります。できるだけ隙間ができないように、底からしっかり詰めましょう。


工夫③ 保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く

カビが生えないように、最後に保存容器の口をアルコールで拭きましょう。私は、純度の高い焼酎をキッチンペーパーに含ませてサッとなでるように拭き取っています。ホワイトリカーを使う時もあります。


工夫④ ヨーグルトメーカーで発酵させ、出来上がりを冷蔵庫で保管する

材料をヨーグルトメーカーの容器に移し、60度8時間に設定してスイッチオン。出来あがったら、カビが発育する前に冷蔵庫に入れます。



発酵と腐敗は同じメカニズム?!


発酵と腐敗は、相反するイメージがありますね。ところが、科学的なメカニズムが同じなんです!!

発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化することをいいます。

腐敗も同じく、物質が微生物のはたらきによって分解されたり変化したりして、「新しい物質」を生成するというメカニズム。

この「新しい物質」が、人間にとって有益なものの場合発酵と呼ばれ、人間にとって有害なものの場合腐敗と呼ばれているんです。

本物の発酵食品は、理論上腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。



まとめ


  • 『自家製豆板醤』の作り方って?
    〇材料はソラマメ、唐辛子、塩、米麹の4つ。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①ソラマメを柔らかく茹でて
    ②唐辛子と塩と米麹を混ぜて
    ③発酵させるだけ!!
  • 『自家製豆板醤』を手作りするメリットって?
    ①安心&安全である。
    ②辛さを調整することができる。
    ③おいしい!!
  • 豆板醤の効果・効能って?
    ①脂肪燃焼 
    ②食欲増進 
    ③疲労回復
    ④ガンを予防する
    ⑤カラダを温める
    ⑥栄養の吸収を助ける
    ⑦整腸作用 
  • カビってなに?
    「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称。
  • カラダに有益なカビと有害なカビがあります!!
  • カラダに有益なカビは…
    味噌や醤油、甘酒などをつくるコウジカビ。
    〇チーズなどをつくったり、抗生物質である「ペニシリン」の材料になるアオカビ。
    〇パンやビール、ワインをつくる酵母。
  • 有害なカビがカラダに与える影響とは?
    ①カビそのものによる感染症
    ②カビによるアレルギー反応
    ③カビ毒による影響
  • カビが発育する5つの条件とは?
    ①酸素
    ②温度
    ③水分
    ④水素イオン濃度
    ⑤栄養分
  • 豆板醤を作る際のカビ対策とは?
    ①使う道具をあらかじめ消毒する。
    ②保存容器に詰めるときは、すき間ができないようにする。
    ③保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
    ④ヨーグルトメーカーで発酵させ、出来上がりを冷蔵庫で保管する。



おわりに


発酵食品を手作りしていると、必ず悩まされるのがカビ。せっかくできた発酵食品を泣く泣く捨てた…という話をよく聞きます。

今回は、カビとはなにか?カビの発育条件とは?カビを予防する方法などについて書きましたが、いかがでしたか?

豆板醤が発酵食品だと知ったとき、自分で作ってみたい!!と、色々と調べました。そんなに難しくないということを知って。

わが家は毎年ソラマメの時期になると、実家から大量に送られてきます。しかもありがたいことに無農薬なんです。

一度に使い切れないので、さやから出して生のまま冷凍保存。こうしておくと、作りたいときに自家製豆板醤を作ることができます。

手作りのメリットは、原材料を自分で選ぶことができ、製造過程が目に見えること。市販品は、どうしても大量生産のために保存料や添加物を加えざるを得ません。塩の種類も選べませんよね。

そしてもうひとつ。それは、自分好みの味に調整できること。辛さの調整ができたり、熟成具合を変えたり。とても楽しいですよ。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、自家製豆板醤の作り方は至って簡単。作ってみてくださいね!!

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