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睡眠⑤なぜ寝不足だと免疫力が低下するの?睡眠と免疫力の4つの関係とは?睡眠で免疫を高めるための方法11選

睡眠が大切だということは、多くの方がご存知だと思います。その理由の一つが、免疫力との関係。睡眠に問題があると、免疫力が低下します。免疫は外部から侵入するウイルスや細菌から私たちの身体を守ってくれる大切な機能。

幸せの定義にはいくつかありますが、その土台となるのが健康です。睡眠と免疫との関係について分かりやすくまとめました。免疫力を高めるために、まずは睡眠を見直してみましょう。



免疫力とは?


免疫力とは?

健康への関心が高まり、ウイルスなどの病原菌から身を守るために「免疫力を上げましょう!」と言われています。メディアなどで取り上げられることも増えましたね。そもそも、免疫力とは何でしょうか?

免疫力とは、病原菌やウイルスなどの異物から体を守る機能のこと。「免疫力を上げる」とは、免疫細胞を活発化させてしっかり働くようにすることです。免疫には次の二種類があります。

〇自然免疫
生まれつき備わっている仕組み
体内に異物が入り込んだときに真っ先に動いて攻撃します

〇獲得免疫
生まれつき備わっているものではなく、後天的に獲得された免疫反応
過去の記憶をもとに異物と戦います


自然免疫と獲得免疫の連係プレー

自然免疫と獲得免疫にはそれぞれの役割があります。ウイルスや細菌などの異物が体内に侵入してきたときに「まずは自然免疫が戦い、獲得免疫にバトンタッチし、獲得免疫が敵をやっつける」という協力体制で私たちの身体を守ってくれているのです。

病原体が体内に侵入

自然免疫が素早く攻撃

抗体を作った獲得免疫が攻撃



自然免疫と獲得免疫それぞれの特徴

自然免疫と獲得免疫には、それぞれ次のような特徴があります。

〇自然免疫の特徴
・素早く攻撃をしかける
・敵をやっつける力は弱い

〇獲得免疫の特徴
・異物への反応は遅い
・敵をやっつける力は強い

自然免疫が侵入してきた病原体に素早く反応して攻撃を仕掛けている間に、獲得免疫が自然免疫から情報を受け取り、抗体という武器を作って戦います。

獲得細胞は一度戦った相手の情報を記憶するので、再度侵入してきた際により早く、より強い抗体を作り出すことができるのです。


免疫細胞にはたくさんの種類があります!

免疫細胞には以下のように、たくさんの種類があります。それぞれに役割があり、力を合わせて外敵からカラダを守っています。

〇自然免疫
好酸球、好中球、好塩基球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)

〇獲得免疫
B細胞、形質細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞、メモリーB細胞

免疫には①病原体を食べる、②武器となる抗体を作る、③感染細胞を殺すという三つの作用があります。①は自然免疫、②と③は獲得免疫の仕事。自然免疫のNK細胞は③にも関わっているのです。



免疫力が低下すると?


免疫力が低下すると、感染に対する抵抗力が弱まります。細菌やウイルスに感染しやすくなる、症状が重篤化したり長引いてしまう、病気やケガが治りにくい、感染を繰り返すといったデメリットが生じます。その他にも、次のような状態がみられることが多いです。

〇疲れやすい
〇食欲が低下する
〇アレルギー症状が悪化する
〇肌が荒れる
〇抗生物質の効きが悪くなる
〇予防接種の効きが悪くなる



免疫と睡眠との関係って?


免疫は睡眠と深い関係にあるのですが、その理由をご存知の方は少ないと思います。詳しくみていきましょう。

①免疫力は睡眠時に保たれ、強化されるから
②睡眠時に成長ホルモンが分泌されるから
③寝不足だと自律神経が乱れるから
④T細胞の記憶の持続期間が長くなるから


①免疫力は睡眠時に保たれ、強化される

慢性的な寝不足は、次のような状況を引き起こすことが分かっています。

〇MK細胞の活性度が低下する
〇IL-2の生産量が低下する
〇 IgA 分泌量が低下する

NK細胞とは、自然免疫のひとつ。がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけるとすぐさま攻撃するリンパ球で、ナチュラルキラー細胞と呼ばれています。

IL-2(インターロイキン2)は、 T細胞、B細胞、NK細胞、単球、マクロファージなど免疫に関わる多くの細胞を活性化させるサイトカインというタンパク質です。

1996年に発表された論文によると、42人の健康な男性を午後10時から午前3時まで不眠状態にするという実験において、NK細胞の活性度の低下、IL-2の生産量の低下がみられたそうです。

IgAとは、5種類ある免疫グロブリンの一つ。免疫グロブリンとは、抗体機能をもつタンパク質のことです。

 IgAの分泌量と睡眠時間との関係を調べる研究において、睡眠が5時間以下だと唾液中の IgAの分泌量が低下していました。 逆に9時間を超えた場合も唾液中のIgA 分泌量が下がっており、寝過ぎも免疫力低下につながるという結果が出ています。


②睡眠時に分泌される成長ホルモン

成長ホルモンは免疫と密接な関係があると言われており、傷ついた細胞の修復や疲労回復などの働きがあります。より多くの成長ホルモンを分泌するにはどうしたらいいのでしょうか?一日に分泌される成長ホルモンの7~8割が、深い睡眠時に出ます。

深い眠りは入眠後3時間。特に入眠後3~60分で訪れる最初のノンレム睡眠時に最も多く分泌されると言われています。眠りについて3時間以内に起きてしまうと、成長ホルモンの分泌は止まってしまうため、注意が必要です。

ついやりがちなのは、寝る前にトイレを済ませなかったために夜中に起きてしまう、ソファーなどでうたた寝をしてしまって途中でベッドに移動する、電気がつけっ放しだったことに気付いて消すために起きる…など。このようなことがないように、眠り始めの3時間にしっかり寝れる配慮をしましょう。


③寝不足だと自律神経が乱れるから

自律神経が乱れると血流が悪くなり、免疫力も落ちてしまいます。 心身が健康だと、交感神経と副交感神経は規則正しいリズムで切り替わります。活動時の日中は交感神経が優位に働き、睡眠時の夜間は副交感神経が優位に働きます。

ところが 寝不足になるとこの切り替えがうまくいかず、副交感神経が優位になるべき時間帯になっても、交感神経が働いた状態が続きます。脳は休息できずに興奮状態のままなので、身体や心に影響が出てしまうのです。


④T細胞の記憶の持続期間が長くなるから

獲得免疫であるT細胞には、免疫記憶というシステムが備わっています。免疫記憶とは、一度感染したウイルスや細菌などの情報を記憶して、再度感染した際により速く病原体を攻撃することができる機能です。十分な睡眠をとることで、T細胞の記憶の持続期間が長くなると言われています。


寝不足だと風邪をひきやすくなる?

睡眠時間が5時間未満の人と7時間以上の人を比べると、約2.5倍も風邪をひきやすくなるというデータがあります。さらに風邪をこじらせて肺炎になるリスクも約1.4倍になると言われているのです。



質の良い睡眠をとるには?


最適な睡眠時間とは?

ダイエットに大きな影響を与える睡眠。現代人の大きな課題の一つとして、寝不足が挙げられています。睡眠の質を高めるには、どうしたらいいのでしょうか?

実は、最適な睡眠時間は人それぞれ。 年齢や性差、一人ひとりの体質、季節などによって違ってきます。「〇〇時間寝るのが正解」という決まりはなく、寝過ぎも逆効果の場合があります。

睡眠が足りているかどうかは、日中に眠気で困っていないか?疲れを感じていないか?の2点で判断するといいでしょう。

ちなみに、一般的に言われている理想的な睡眠時間は以下の通り。高齢者は逆に8時間を超えないように注意が必要だそうです。

〇成人 6~7時間
〇小学生 9~12時間
〇中高校生 8~10時間

自分の睡眠時間が足りているかどうかの調べ方など、詳しくは『睡眠①平均&理想の睡眠は何時間?短すぎても長すぎても健康を害してしまうんです!!』にまとめましたので、参考にしてください。


睡眠の質を上げるために改善するべきNG行動5選 

睡眠の質を下げる行動には、次の5点が挙げられます。誰もが心当たりがあることばかりではないでしょうか?一気に変えることは難しくても、少しずつ改善していけたらいいですね。

〇入眠前にスマートフォンをみる
〇入眠前にカフェインを摂取する
〇入眠前にアルコールを飲む
〇入眠前にタバコを吸う
〇入眠前に食事をする


睡眠の質を上げる方法11選

『睡眠の質を下げる行動5選』に留意するほか、睡眠の質を上げるための生活習慣をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

〇毎日同じ時間に起きる
〇起床後に太陽の光を浴びる
〇朝食をとる
〇日中活動的に過ごす
〇適度な運動をする
〇昼寝は早めの時間で30分以内に
〇夕方以降の昼寝を避ける
〇就寝の1~2時間前にお風呂に入
〇寝室を適温にする
〇寝室を暗くする
〇寝具や寝間着にこだわる

睡眠にはメカニズムがあります。睡眠のメカニズムを知ることで、避けるべきこと、取り組むべきポイントが分かります。 詳しくは『睡眠②健康、美容、ダイエットに効果的!!睡眠の質を上げる方法11選&改善するべきNG行動5選』を参考にしてください。



まとめ

■免疫力とは?
病原菌やウイルスなどの異物から体を守る機能のこと
■自然免疫と獲得免疫
〇自然免疫
生まれつき備わっている仕組み
体内に異物が入り込んだときに真っ先に動いて攻撃する
〇獲得免疫
生まれつき備わっているものではなく、後天的に獲得された免疫反応
過去の記憶をもとに異物と戦う
■免疫の種類
〇自然免疫
好酸球、好中球、好塩基球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)
〇獲得免疫
B細胞、形質細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞、メモリーB細胞
■免疫が低下すると?
〇疲れやすい
〇食欲が低下する
〇アレルギー症状が悪化する
〇肌が荒れる
〇抗生物質の効きが悪くなる
〇予防接種の効きが悪くなる
■免疫と睡眠との関係とは?
①免疫力は睡眠時に保たれ、強化されるから
②睡眠時に成長ホルモンが分泌されるから
③寝不足だと自律神経が乱れるから
④T細胞の記憶の持続期間が長くなるから
■ 睡眠の質を上げるために改善するべきNG行動5選
〇入眠前にスマートフォンをみる
〇入眠前にカフェインを摂取する
〇入眠前にアルコールを飲む
〇入眠前にタバコを吸う
〇入眠前に食事をする
■ 睡眠の質を上げる方法11選
〇毎日同じ時間に起きる
〇起床後に太陽の光を浴びる
〇朝食をとる
〇日中活動的に過ごす
〇適度な運動をする
〇昼寝は早めの時間で30分以内に
〇夕方以降の昼寝を避ける
〇就寝の1~2時間前にお風呂に入
〇寝室を適温にする
〇寝室を暗くする
〇寝具や寝間着にこだわる



おわりに


私たち人間は必ず眠ります。健康や美容によって睡眠が大切であると、テレビや雑誌などで改めて話題となっています。ところが意外に知っているようで知らないことも多いのではないでしょうか?

今回は、免疫との関係について分かりやすくまとめました。良質な睡眠は、健康維持にとって欠かせません。さらにダイエットとも切っても切れない関係です。

詳しくは、こちらの記事を参考にしてください→→睡眠③寝不足は太る?!睡眠とダイエットとの関係とは?

睡眠不足が問題視されている昨今。睡眠のメカニズムを知って、できることから改善してみてくださいね。

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