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えっ?お腹にカビが?!腸で過剰にカビが増える「腸内カンジタ」って何?抑制する4つの方法とは?

「お腹にカビがいるかもしれない」と聞いて、ギョッとする人が大半ではないでしょうか?実は、腸の常在菌としてカンジタ菌というカビが存在しているんです。

最近体調が思わしくない…という方は、このお腹のカビが原因かもしれません。腸の中にいるカビって?どんな影響があるの?どうしたらカビの増殖を抑えることができるの?詳しくみていきましょう。



お腹のカビって?


そもそもカビってなあに?

「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。

菌糸と呼ばれる糸状の細胞を伸ばして広がり、胞子を飛ばして拡散します。コロニー(集合体)を形成すると、肉眼でも見ることができます。

カビには、人体に有害なものと有益なものとがあります。有益なものとしては、日本の国菌である麹菌や抗生物質のペニシリンを産出する青カビなどが挙げられるでしょう。


三大微生物「カビ、細菌、酵母」とは?

カビ
・多細胞生物
・胞子をのばして拡散する
・菌糸をのばして広がる
・麹菌、青カビなど

細菌
・単細胞生物
・三大微生物の中で最も小さい
・細胞分裂で増える
・乳酸菌、納豆菌、酢酸菌など

酵母
・単細胞生物
・球形や楕円形
・出芽によって増える
・ビール酵母、イーストなど


お腹のカビはカンジタ菌

お腹の中にカビがいると聞いて、大抵の人は「えっ?!」と思うのではないでしょうか?私たちのカラダの中には、カンジダ菌という常在菌が存在します。

人間の腸には100種類以上の菌が100兆個も存在していて、そのうちカビは約1%。カンジダ菌はそのカビの一種です。 パンを発酵させる酵母(イースト)の仲間で、口・皮膚・消化管・腟に常に生息しています。

腸内環境が整っている状態では人体に害を与えることはありませんが、腸内環境が悪化すると異常増殖してカラダに悪影響を及ぼすのです。


どうやって調べるの?

血液検査、尿検査、便検査で調べることができます。

〇カンジダ抗体検査(血液検査)
〇尿中有機酸検査(尿検査)
〇総合便検査(便検査)



カンジタ菌についてもっと詳しく!


カンジタ菌は日和見菌です

カンジタ菌は日和見菌。腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類され、理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7だと言われています。

〇善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の運動を促す菌

〇悪玉菌
腸内で有害物質を作り出し、お腹の調子を悪くする菌

〇日和見菌
善玉菌と悪玉菌のうち、数が多いほうの味方につく菌

日和見菌は優勢な菌の味方をするため、悪玉菌が増えるとカンジタ菌も急激に増殖します。過剰に増殖してしまったカンジタ菌をもとに戻すのは大変なので厄介なんです。

悪玉菌が増えすぎると?

このバランスが崩れて悪玉菌が増えすぎると、腸内環境が悪化した状態となります。善玉菌が腸内で発酵活動を行うのに対して悪玉菌は腐敗活動を行い、有害物質を生み出すからです。


酵母型から菌糸型へ

免疫力が低下すると、カンジタ菌は酵母型から菌糸型に形態を変え、過剰に増えて健康被害を及ぼします。酵母型のカンジタ菌は常在菌として細胞性免疫を強めたり善玉菌の栄養源として存在しています。

ところが菌糸型に変化すると、糸状にのびて腸粘膜を貫通し、組織の奥に侵入して腸に根をはってしまうんです。



腸内のカビが増えるとどうなるの?


こんな症状が…


悪化した腸内環境はカビを増殖させ、カビは様々な有害物質を発生させます。体内に有害物質が蓄積してカビが増殖すると次のような症状が現れます。

・下痢・便秘
・めまい
・頭痛
・吐き気
・食欲不振
・皮膚トラブル
・アレルギー症状
・関節や筋肉の痛み・しびれ
・倦怠感・疲労
・集中力・記憶力の低下
・抑うつ症状 ・情緒不安定
など

さらに腸の炎症を放置することで次に挙げる病気の発症リスクが上昇するとも言われています。

・腸の病気(クローン病・潰瘍性大腸炎)
・高血圧
・糖尿病
・知症
・ガン


リーキーガット症候群に

腸内のカビの過剰繁殖は、様々な不調をもたらすリーキーガット症候群を引き起こす原因に。腸内のカビが大量に増えることで腸の粘膜が薄くなり、穴が開いてしまうことがあります。空いた穴を通して、腸から体内へ本来入るはずでない細菌や毒素などの有害物質が取りこまれてしまうんです。これをリーキーガット症候群と言います。

リーキーガット症候群は肝臓や脳、副腎に影響を与えます。統合失調症やうつ、認知症などの精神疾患につながるとも言われています。また、アレルギー疾患や自己免疫疾患を引き起こす原因にも。




カンジタ菌が増殖する原因とは?


カンジタ菌が増殖する主な原因は、次の通りです。

①糖質の過剰摂取
②アルコールの過剰摂取
③薬剤の使用
④自律神経の乱れ


①糖質の過剰摂取

カンジタ菌のエサは糖分。特に砂糖を代表とする単純糖質が大好きです。甘いものをよく食べたり飲んだりしていると、腸内でカビが増殖しやすいです。


②アルコールの過剰摂取

アルコールを摂り過ぎると肝臓で分解されたアセトアルデヒドが腸に炎症を起こし、カンジタ菌が増殖してしまう原因に。お酒を毎日飲む人は要注意です。


③薬剤の使用

抗生物質は病原菌だけでなく、腸内の善玉菌にも作用します。善玉菌が減少することでカンジタ菌が一気に増えてしまうんです。抗生物質の使い過ぎには注意が必要です。避妊薬であるピルやステロイド剤もカンジタ菌を増殖させてしまいます。


④自律神経の乱れ

腸のぜん動運動をコントロールしているのは自律神経。自律神経の乱れは便秘や下痢の原因となり、腸内環境を悪化させ、カンジタ菌を増やしてしまいます。食生活や睡眠、運動などの生活習慣や過剰なストレスなどに注意しましょう。



カンジタ菌の増殖を抑制するには?


①食生活に留意する
②薬剤の使用を見直す
③腸内環境を整える
④口腔内を清潔にする


①食生活に留意する

〇カンジタ菌にエサを与えない
〇腸内環境を整える食事にする

糖類や炭水化物は、カンジタ菌が大好きなエサ。日頃摂り過ぎているな…と自覚のある方は控えめにしましょう。アルコールの摂取量にも注意してください。

腸内環境を整える食事については、 「善玉菌そのものを摂取して補う方法」と「善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法 」とがあります。

善玉菌を含むものをプロバイオティクス、善玉菌のエサとなるものをプレバイオティクス、両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。善玉菌は、発酵食品から摂ることができます。

善玉菌の栄養源は食物繊維やオリゴ糖などです。食物繊維は2種類あり、善玉菌を増やす効果がより高いのは水溶性食物繊維だと言われています。


②薬剤の使用を見直す

抗生物質やピル、ステロイド剤の使用過多に注意しましょう。


③腸内環境を整える

腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響を受けます。腸内フローラのバランスを保つには

①自律神経を整える
②生活習慣を整える

がポイントです。「生活習慣を整える」については、①善玉菌を増やす食事への配慮、②質の良い睡眠、③適度な運動の三点を見直しましょう。

腸内環境について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓

腸を整えるには?腸内環境の状態はどう判断するの?『腸活』の2つの方法って?

腸内環境を整えるとどんな良いことがあるの?腸活で得られる4つのメリットって?


④口腔内を清潔にする

カンジダ菌は、主に消化器官で増えていきます。特に口の中で増えたカンジダ菌は食道や腸にまで影響を及ぼします。そのため、まずは口の中を清潔にしてカンジダ菌の増殖を抑えることが有効です。



まとめ


  • お腹のカビって?
    〇常在菌の一つであるカンジタ菌
    〇カンジタ菌は日和見菌
    〇腸内環境が悪化すると急激に増殖する
  • カンジタ菌が増殖すると?
    〇様々な不調が起こる
    〇放置していると重篤な病気になることも
    〇特にリーキーガット症候群に注意
  • カンジタ菌が増殖する理由とは?
    ①糖質の過剰摂取
    ②アルコールの過剰摂取
    ③薬剤の使用
    ④自律神経の乱れ
  • カンジタ菌の増殖を抑制するには?
    ①食生活に留意する
    ②薬剤の使用を見直す
    ③腸内環境を整える
    ④口腔内を清潔にする
  • 腸を整えるには?
    〇自律神経を整える
    〇生活習慣を整える



おわりに


「お腹にカビ!!」と聞いて、驚かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか?カンジタ菌が腸管で過剰に像所くすると、カラダの不調を招いてしまいます。そのまま放置していると、重篤な病気にもつながりかねません。

もともとは常在菌であるカンジタ菌。腸内環境が悪化することで増えすぎてしまい、人体に良くない影響を及ぼすようになるんです。

カンジタ菌が増え過ぎてしまう条件、抑制する方法をお伝えしました。今回の記事を参考にして、できるところから取り組んでみてくださいね。

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