カラダに優しい『発酵マヨネーズ』を作りましょう!!オリーブオイルを使うメリット&デメリットって?
マヨネーズは、約70%が油。市販のマヨネーズは、『サラダ油』を使っている商品がほとんどです。こんなに大量な油だからこそ、できるだけカラダに優しいものを使いたいですね。
手作りだと、材料にこだわることができます。作る過程も目に見えるので、安心です。このような理由から、わたしは『発酵マヨネーズ』を作り始めました。
「カラダに良い油」と聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのはオリーブオイルではないでしょうか?オリーブオイルを使って、『発酵マヨネーズ』を作るとどうなるのでしょう?
〇オリーブオイルはなぜカラダにいいの?
〇オリーブオイルで発酵マヨネーズを作ることはできるのかな?
順番にみていきますね。
この記事の目次
- 1.『発酵マヨネーズ』ってなに?
- 2.油のおはなし
- 3.オリーブオイルのおはなし
- 4.『発酵マヨネーズ』をオリーブオイルでつくれるのかな?
- 5.まとめ
- 6.おわりに
『発酵マヨネーズ』ってなに?
健康への意識が高まり、『腸活』が注目されています。腸活とは、腸の調子を整えること。腸が元気になると、便秘解消や肥満防止、免疫力が高まったり、心が安定したりと、いいことづくめです。
そして、腸活に有効なのが発酵食品。メディアなどで頻繁に取り上げられ、すっかりその知名度はアップしました。
『発酵マヨネーズ』は、マヨネーズや材料を発酵させて作るのではなく、発酵食品である甘酒や塩麴、そしてお酢を使って作ります。
私は、2種類の発酵マヨネーズを作っています。それぞれ風味が違うのですが、どちらもおいしいですよ!!
①甘酒と豆乳を使ったバージョン
②塩麴と卵を使ったバージョン
『発酵マヨネーズ』の作り方については「『発酵マヨネーズ』の作り方。甘酒バージョン&塩麹バージョン。2種類の味をご紹介します!!」をご覧ください。
〇発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化することをいいます。
〇発酵食品にすると、次のようなメリットがあります!!
・消化・吸収がよくなります。
・栄養価が加わります。
・うまみが加わります。
・保存性がよくなります。
発酵の最大のメリットは「消化・吸収がよくなる」こと。微生物があらかじめデンプンやたんぱく質を分解してくれるので、内臓への負担が軽減します。特に、腸内環境を整えることは、健康を保つ上でとても大切です。
油のおはなし
悪者扱いされることが多い油。でもちゃんと、カラダを維持するための役割があります。また、ひと口に油と言っても種類があって、それぞれ特性があるんです。
油には種類があります!!
オリーブオイルを知るために、まずは油について簡単に説明していきましょう。油の主成分である脂質は大きく次の2つに分けられます。
①飽和脂肪酸
常温で固まる「脂」(肉やバター、ラードなど)
②不飽和脂肪酸
常温で液体の「脂」(植物油や魚など)
マヨネーズに使われている植物性油は、『②不飽和脂肪酸』です。不飽和脂肪酸はさらに次のように分類されています。
〇多価不飽和脂肪酸
体内で作ることができません。
【オメガ3系】(えごま油、亜麻仁油など)
【オメガ6系】(紅花油、コーン油、ごま油など)
〇一価不飽和脂肪酸
体内で作ることができます。
【オメガ9系】(菜種油、こめ油、オリーブ油など)
【オメガ3系】【オメガ6系】【オメガ9系】の順に説明します。
【オメガ3系】(α-リノレン酸、DHA、EPA)
・血液をサラサラにするので、血栓予防、動脈硬化の改善、高血圧の予防に効果的です。
・コレステロール値を下げる効果があります。
・えごま油、亜麻仁油など
【オメガ6系】(リノール酸)
・細胞膜の形成、細胞を固くする、止血するなどの効果があります。
・現代人は摂り過ぎだと言われています。
・紅花油、コーン油、ごま油、グレープシードオイルなど
【オメガ9系】(オレイン酸)
・美容、心臓病・動脈硬化の予防、コレステロールの低下に効果があります。
・菜種油、こめ油、オリーブ油など
油の役割って?
人間が生きていくために必要な3大栄養素は「炭水化物、タンパク質、脂質(油)」。そのひとつである脂質には、次のような大切な役割があります。
〇人間が活動するためのエネルギー源です。
〇細胞膜や血液、ホルモンをつくる材料となります。
〇脂溶性ビタミンの体内への吸収を促します。
控えるべき油と、摂り入れるべき油があります!!
〇『トランス脂肪酸』は控えましょう!!
〇オメガ6系の油は控えめにしましょう!!
〇オメガ3系の油を摂りましょう!!
〇『トランス脂肪酸』は控えましょう!!
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸のリノール酸を多く含む植物油脂(主にオメガ6)に水素を添加し、飽和脂肪酸に変えたもの。
トランス脂肪酸を使った代表的な油脂に、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、食用調合油、マヨネーズがあります。
これらはスナック菓子、クッキーやチョコレート、ラクトアイス、パン、カップ麺、カレールー、インスタント食品などあらゆる加工食品や、ファーストフードのポテトなどにも使われています。
トランス脂肪酸を多く摂取すると、悪玉コレステロール(LDL)を増加させ、善玉コレステロール(HDL)が減少して、動脈硬化(冠動脈疾患)のリスクを高めると言われており、注意が必要です。
〇オメガ6系の油は控えめにしましょう!!
現代人はオメガ6を摂り過ぎる傾向にあります。オメガ3とオメガ6の摂取比率は「1:4」が良いと言われているので、オメガ6を控えるくらいがちょうどよいでしょう。
〇オメガ3系の油を摂りましょう!!
『オメガ3脂肪酸』は、魚介由来のDHA、魚介由来のEPA、植物由来のαリノレン酸(亜麻仁油、えごま油など)の3つに分けられます。体内で作ることができないので、食事やサプリメントから摂取する必要があります。
DHA・EPAは、血中の悪玉コレステロールを除去し、高血圧や生活習慣病を予防する効果があります。
DHAは脳内の神経伝達を担うシナプス・精神の安定を担うセロトニンの材料になり、認知症予防や精神安定の効果があります。
αリノレン酸は、体内に入ることによってDHAやEPAに変化する性質があります。
オリーブオイルのおはなし
オリーブオイルは油の種類でみると、不飽和脂肪酸のうちの一価不飽和脂肪酸であり、『オメガ9系』に分類される油です。
オリーブオイルって?
オリーブは種子ではなく、果実からオイルをとります。日本では、次の2種類に分けられています。
〇バージンオリーブオイル
精製されていないもの
〇オリーブオイル(ピュア)
精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたもの
〇バージンオリーブオイル
バージンオリーブオイルとは、オリーブの果実を搾ってろ過しただけの一番搾りの油のこと。
4つのグレードに分類されていて、最高品質のものが『エキストラバージンオイル』と呼ばれます。
未精製のため、ポリフェノール類などの微量成分が含まれています。
〇オリーブオイル(ピュア)
精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたもの。香りや風味が少ないです。
ブレンドの比率に決まりはないので、ほぼ無味無臭のものもあれば、オリーブオイルらしさを感じるものもあります。
ポリフェノール類などの微量成分は含まれていません。オレイン酸の比率は、バージンオリーブオイルと同じくらい高いです。
「ピュア」と呼ぶのは、日本国内だけです。正式には「オリーブオイル」という名前に分類されています。
オリーブオイルがカラダに良いとされるのは?
〇オレイン酸のチカラ
〇微量成分のチカラ
〇酸化しずらいから
〇コールドプレス製法だとトランス脂肪酸を含まないから
〇オレイン酸のチカラ
オリーブオイルの脂肪酸は、77.3%がオレイン酸。オレイン酸には「悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを減少させない」という働きがあり、動脈硬化にともなう心筋梗塞・脳梗塞・高血圧などの生活習慣病を予防します。
また、「皮膚を柔らかくする」という効果があり、角質のゴワツキ、乾燥による小じわなどを抑制・改善することができ、美肌にもうれしい効果が期待できます。
〇微量成分のチカラ
オリーブに含まれるオレウロペインというポリフェノールは、抗酸化力が大変高く、血中コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化などの血管系の疾患を予防すると言言われています。
〇酸化しずらいから
基本的に不飽和脂肪酸は酸化しやすいのですが、オリーブ油は酸化しにくいと言われています。
酸化って?
空気中の酸素と油が反応して起こる変化のこと。「光、高温、空気」などにより促進されます。
油が酸化すると過酸化物質が発生するので、酸化した油を摂取すると、体内に活性酸素が発生します。
〇コールドプレス製法だとトランス脂肪酸を含まないから
ほとんどの食用油は、溶剤抽出法と呼ばれる製法で作られます。化学溶剤を用いて油を抽出した後、高温に加熱して不要な物質を取り除くやり方です。9割以上の油を絞ることができるうえ、コストもかかりません。
『コールドプレス』は、摩擦で熱が発生しないように、ゆっくりと時間をかけながら圧搾する方法です。30度以上の温度をかけずに油分を抽出している場合のみ、製品に『コールドプレス(低温圧搾製法)』と表示することができます。
この抽出方法だと、トランス脂肪酸を含まないオリーブ油ができるんです。
『発酵マヨネーズ』をオリーブ油でつくれるのかな?
市販のマヨネーズのほとんどは、サラダ油が使われています。使う量を控えた方が良いとされる『オメガ6系』の油ですね。
オリーブオイルは、『オメガ9系』の油。効果などをみると、『発酵マヨネーズ』の材料としては、コールドプレスのエキストラバージンオリーブオイルを使うのが一番よさそうです。
ところが実は、マイナス面もあるんです。それは次の2点。長所と短所を把握したうえで、選んでいくことになります。
〇苦みがあること。
〇乳化しにくいこと。
苦みがあること
オリーブオイルを使ってマヨネーズを作られた方の失敗談をみてみると、一番多いのが「苦くて食べられない」というものでした。
エキストラバージンオリーブオイルの苦みは、オレオカンタールやオレウロペインといった、オリーブオイル独自のポリフェノールによるもの。
この独特な苦みを軽減するには、二つの方法があります。一つめは、オリーブオイル(ピュア)を使うということ。
ただし精製過程で熱が加わるため、コールドプレス製法と違ってトランス脂肪酸が含まれています。また、微量成分が含まれていません。
もう一つの方法は、コールドプレス製法で、かつマイルドな風味のエキストラバージンオリーブオイルを使うこと。これが一番良いのですが、お値段は高くなります。
乳化しにくいこと
エキストラバージンオリーブ油には、油の分解物が含まれているため、マヨネーズを分離させる原因になることがあります。乳化しにくく、ゆるめに仕上がります。
こちらはお好みなので、固めのの『発酵マヨネーズ』が食べたい方には、不向きと言えるでしょう。
〇乳化(エマルション)とは?
油や水分のように、本来混ざり合わないものが均一に混ざり合う状態のこと。
〇乳化剤とは?
乳化した状態を保つために加える、「水と油を結び付けておく材料」のこと。
サラダ油ってなに?
植物油は、精製度によって、半精製油、精製油、サラダ油に分けられます。サラダ油は特に精製度が高く、サラダなど冷たいものに使っても濁ったり固まったりせず、生食に向いています。
JASが決めたサラダ油の原料の規格は、アブラ菜(なたね)、綿実、大豆、ごま、紅花、ひまわり、とうもろこし、米(米糠)、落花生です。オリーブオイルは規格に入っていません。
原料名によって、なたねサラダ油(キャノーラ油)、コーンサラダ油などと呼ばれています。なたね&大豆など、二種類以上の油を混ぜ合わせて作るサラダ油は、調合サラダ油となります。
ゴマ油やオリーブ油など、あえてその風味を残しているものは、半精製油にあたります。
まとめ
- 『発酵マヨネーズ』ってなに?
マヨネーズや材料を発酵させて作るのではなく、発酵食品である甘酒や塩麴、そしてお酢を使って作ったもの。 - 油は大きく分けて2種類ある。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸はさらに以下のように分けられる。
〇多価不飽和脂肪酸:体内で作ることができない
【オメガ3系】(えごま油、亜麻仁油など)
【オメガ6系】(紅花油、コーン油、ごま油など)
〇一価不飽和脂肪酸:体内で作ることができる
【オメガ9系】(菜種油、こめ油、オリーブ油など) - オリーブオイルは日本では次の2つに分けられる。
〇バージンオリーブオイル
精製されていないもの
〇オリーブオイル(ピュア)
精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたもの - オリーブオイルがカラダに良い理由って?
〇オレイン酸のチカラ
〇微量成分のチカラ
〇酸化しずらいから
〇コールドプレス製法だとトランス脂肪酸を含まないから - エキストラバージンオリーブオイルで『発酵マヨネーズ』を作ることのマイナス点もある
〇苦みがあること。
〇乳化しにくいこと。
おわりに
マヨネーズは約70%が油で作られています。その多くが植物性油。私は、少しでもカラダに良いマヨネーズを使いたくて、『発酵マヨネーズ』を手作りするようになりました。
市販のマヨネーズに比べて、手作りの『発酵マヨネーズ』は原材料にこだわることができたり、使う量を調整したりすることができます。また、作る過程がみえるので安心ですね。さらに、カラダにやさしい発酵食品を使っているので、魅力倍増なんです!!
オリーブオイルは、カラダに良い油として広く知られています。その理由について説明してきました。ところが、『発酵マヨネーズ』をエキストラバージンオリーブオイルで作るデメリットもあるんです。
どの油を使うか…楽しみながらオリジナルの『発酵マヨネーズ』を作ってみてくださいね!!少しでもカラダに良いマヨネーズができあがりますように。
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