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不妊②不妊治療とは?ステップごとにわかりやすく~保険適用と条件についてもまとめました

不妊治療という言葉は知っていても「実際にどのようなものなのかチンプンカンプンで…」という方、妊活を意識したときに「何から始めたら良いかわからない」という方など、戸惑いの声をよく聞きます。

一般的な治療のステップ、お金のこと、普段からできるセルフケアの方法について分かりやすくまとめました。ぜひ参考にしてください。不妊の原因や検査方法などについては、こちらの記事をお読みください↓↓

不妊①不妊治療とは?原因や検査、治療についてわかりやすくまとめました



カップルの10%が不妊?


不妊とは、妊娠を希望している健康な男女が避妊をせずに性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないこと。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。

約10組に1組のカップルが不妊に悩んでいるというデータがあります。妊娠を希望するカップルの年齢が上がっていることにより、さらに増加しているという意見も。

医療機関における不妊治療とは?また、妊活をするにあたって自分でできるセルフケアにはどのようなものがあるのでしょうか?



原因が分かっている場合の不妊治療


産婦人科で行う検査の結果で異状が認められた場合は、それに応じた策を講じることになります。不妊の原因は、女性側にある場合と男性側にある場合とがあります。

WHOが不妊のカップルを対象に行ったレポートによると、不妊原因の内訳は女性因子37%、男性因子8%、女性及び男性因子35%、原因不明5%、調査中に妊娠成立したものが15%でした。


女性側の治療

女性側の治療としては、次のようになります。

〇排卵障害に対する治療
〇卵管狭窄・閉塞に対する治療
〇子宮内膜症に対する治療
〇慢性子宮内膜炎に対する治療

〇排卵障害に対する治療

排卵誘発薬を内服したり注射したりすることで、卵巣を刺激。排卵を促しつつ、タイミング法や人工授精などを行います。

〇卵管狭窄・閉塞に対する治療

卵管が閉塞していたり、卵管の周囲が癒着していたりする場合は、卵管を開通させるか体外受精を行います。卵管癒着剥離術や卵管カテーテルを用いた卵管形成術が、卵管を開通させる方法です。頸管粘液に異常があれば人工授精を行います。

〇子宮内膜症に対する治療

子宮の内側を覆っている子宮内膜、もしくはそれに似た組織が、子宮の内側以外の場所にできてしまう病気。子宮内膜症による不妊は約4割だというデータがあります。

その理由は、子宮内膜症による癒着で卵管や卵巣、子宮、腸管などが閉鎖し、精子や受精卵が通過しずらいことです。また、チョコレート嚢胞がある場合も妊娠しずらいと言われ、大きくなるほどそのリスクは高まってしまいます。

チョコレート嚢胞とは?

卵巣に子宮内膜症ができ、古い血がたまって卵巣がふくれて炎症や周囲組織との癒着を起こした状態。

子宮内膜症については腹腔鏡下での手術後、タイミング法・人工授精・体外受精を行います。子宮内膜症については、以下の記事を参考にしてください↓↓

子宮内膜症とは?検査方法や症状、原因などを詳しく説明します!!

慢性子宮内膜炎に対する治療

慢性子宮内膜炎は女性の約10%が発症し、そのうち不妊患者の罹患率は2.8~39%。着床不全や妊娠初期の早期における流産の原因のひとつとして考えられています。

胚移植を何度Wしても着床しない反復着床不全(RIF)の方で慢性子宮内膜炎を発症している方は約14~67.5%。 反復流産の方で慢性子宮内膜炎を発症している方は9.3~67.6%と言われています。

なぜ子宮内膜炎になると着床不全になるのか?というメカニズムは、まだ解明されていません。近年の研究によって 、エストロゲン(女性ホルモン)といプロゲステロン(黄体ホルモン)に反応する受容体が少なくなることが着床不全に繋がるのではないかと報告されています。次のような治療を行います。

①抗生剤
②プロバイオティクス
③エストロゲンの投与

子宮内膜炎については、以下の記事を参考にしてください↓↓

子宮内膜炎とは?症状や検査、治療について分かりやすく説明します!!


男性側の治療

男性側の治療としては次のようになります。

〇乏精子症に対する治療
〇無精子症に対する治療
〇勃起障害・射精障害に対する治療

〇乏精子症の治療

乏精子症は、精液の中に精子の数が少ない状態。ホルモン療法や漢方を使います。 精索静脈瘤が原因の場合は、手術を検討します。

精索静脈瘤とは?

精索静脈瘤は、男性不妊の約40%の原因と言われています。静脈内の弁が不具合を起こし、お腹から精巣に血液が逆流して、静脈がこぶ状にふくれているもの。逆流する血液は温かいので、精巣内の温度を上げてしまいます。精子は熱に弱いため、ダメージを受けてしまうのです。

〇無精子症の治療

精液検査を2回行い、2回とも精⼦を確認できない場合に無精⼦症と診断されます。⼀般男性の約100⼈にひとり、男性不妊症の⽅では約10⼈にひとりの割合だと言われています。次の2種類に分けられます。

・閉塞性無精子症
精子を作ることができるが、精子を運ぶ過程に問題がある

・非閉塞性無精子症
精子をうまく作ることができない

閉塞性無精⼦症、⾮閉塞性無精⼦症ともに、薬物療法などの治療による改善の⾒込みはほとんどありません。精管閉塞がある場合は精路再建手術、もしくは手術によって精巣から精子を採取して顕微授精などを行います。

〇勃起障害・射精障害の治療

勃起障害治療薬等で治療したり、人工授精を行ったりします。



原因が分からない場合の不妊治療


排卵と受精を補助する治療を行います。一般的には、タイミング法→排卵誘発法→人工授精→ 生殖補助医療(体外受精・顕微授精)という治療法をステップアップさせていきます。


タイミング法

超音波や基礎体温、黄体化ホルモン測定によって排卵日を予測し、性交のタイミングを合わせる治療。 最も妊娠しやすい時期は、排卵日の1~2日前です。男性の精子に問題がない場合や、女性の両側の卵管閉塞がない場合に行なわれます。


排卵誘発法

内服薬や注射で 卵巣を刺激して、排卵を促す方法。通常、排卵障害の方に行います。排卵があっても、タイミング法や人工授精の妊娠率を上げる目的で使用する場合もあります。


人工授精

マスターベーションによって採取した精液から運動している良好な精子を取り出して、 最も妊娠しやすい排卵日の1~2日前に細いチューブを用いて子宮内に注入する治療法。


生殖補助医療(体外受精・顕微授精)

体外受精・顕微授精は、手術で卵子を取り出し、体外で精子と受精させたあとに子宮に戻す治療。最も妊娠の可能性が高い方法と言われています。

顕微授精は、 顕微鏡で確認しながら細い針を使って精子を卵子の中に注入します。精子と卵子が自然に受精しない場合や、精子数が極端に少ない場合に採用される治療です。

①膣の方から細い針を刺して卵巣から卵子を採取します
②体外で精子と受精させます
③受精した卵を胚まで育てます
④受精卵(胚)を子宮に戻します



不妊治療とお金の話



不妊治療と聞いて、経済的な心配をする方が多いのではないでしょうか?これまで不妊治療は、原因を調べるための検査とその症状に対する治療については保険適用ですが、人工授精や体外受精などは自由診療となり、ステップアップするごとに高額な費用がかかっていました。

ところが 2022年4月以降、人工授精などの高度不妊治療にも保険が適用されることとなり、不妊治療のハードルが下がりつつあります。

とはいえ一定の条件があり、 保険が適用される回数は、女性が40歳未満の場合は子ども一人に対して最大6回まで、40歳~43歳未満の場合は最大3回までとなっています。



セルフケアについて


日頃からできること

産婦人科に通って専門医の指示を仰ぐことと同時に、ご自身でできる「妊活」も意識しましょう。ここでキーワードとなるのは「健康なカラダづくり」。妊娠しやすい環境を自らつくることが大切です。

そのためには、心とカラダを健康に保つこと。ストレスや疲労をできるだけためないようにするとともに、生活習慣を見直します。具体的に挙げますので、できることから取り組んでいきましょう。 

①冷え対策
②卵子の老化を阻止
③食生活
④睡眠
⑤運動
⑥抗ストレス
⑦禁煙
⑧子宮内フローラを整える

セルフケアについて、詳しくは次の記事を参考にしてください↓↓

生理周期と基礎体温をチェック

女性の場合、妊活に欠かせないのは妊娠しやすいタイミングを知ること。指標となる生理周期と基礎体温のチェックをしましょう。

生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数のことで、一般的には25~38日。この期間に「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」のサイクルがあります。

基礎体温とは、安静時の体温。毎日決まった時間、基本的には起床後すぐに測ります。記録を続けるとご自身のリズムを知ることができます。



まとめ


  • 不妊とは?
    妊娠を希望している健康な男女が避妊をせずに性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないこと。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義している。
  • 原因が分かっている場合の不妊治療
    〇女性側の原因に対して
    ・排卵障害に対する治療
    ・卵管狭窄・閉塞
    ・子宮内膜症に対する治療
    ・慢性子宮内膜炎に対する治療
    〇男性側の原因に対して
    ・乏精子症に対する治療
    ・無精子症に対する治療
    ・勃起障害・射精障害に対する治療
  • 原因が分からない場合の不妊治療
    〇 タイミング法
    〇排卵誘発法
    〇人工授精
    〇生殖補助医療(体外受精・顕微授精)
  • 不妊治療のお金について
    〇 2022年4月以降、人工授精などの高度不妊治療にも保険が適用された
    〇保険が適用される回数
    ・女性が40歳未満の場合は子ども一人に対して最大6回まで
    ・女性が40歳~43歳未満の場合は最大3回まで
  • セルフケアについて
    ①冷え対策
    ②卵子の老化を阻止
    ③食生活
    ④睡眠
    ⑤運動
    ⑥抗ストレス
    ⑦禁煙
    ⑧子宮内フローラを整える



おわりに


一昔前に比べると、子どもを望む時期が高齢化してきており、不妊治療を始めるタイミングが遅くなっています。そのため、不妊に悩むカップルの数も増えていると言われています。

精子や卵子は加齢に伴ってその力を失っていくので、若いうちから将来に対して備える必要がありますが、実際は関心が向かない方が多いというのが現状です。

いざというときに後悔しないように、知識をもっておくことは無駄ではありません。今回の記事が参考になれば幸いです。

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