砂糖不使用!!栗で作る『発酵あんこ』。気になる糖質量って?そもそも糖質ってなに?にお答えします!!
メディアで取り上げられ、注目を浴びた『発酵あんこ』。通常はあずきで作るのですが、栗を使ってみたんです。栗のコクとマッチして、すごくおいしくて。個人的にはこちらの方が好みでした。
栗は豊富な栄養素を含んでいるうえ、麹菌を使って発酵させるので、カラダに良い作用をもたらします。砂糖不使用というのもうれしいところ。
でも実は、糖質量が多いんです。糖質過多は、肥満や生活習慣病の原因になります。そこで
〇発酵栗あんこの糖質量って?
〇そもそも糖質ってなに?
〇発酵栗あんこに当てはめてみると?
今回は気になる「糖質」に焦点を当てていきましょう。
この記事の目次
- 1.『発酵栗あんこ』ってなに?
- 2.発酵栗あんこの糖質量って?
- 3.糖質ってなに?
- 4.糖質の役割と摂取量について
- 5.『発酵栗あんこ』に当てはめてみると?
- 6.まとめ
- 7.おわりに
『発酵栗あんこ』ってなに?
『発酵栗あんこ』を知らないという方も多いと思います。まずは簡単に説明しましょう。
『発酵栗あんこ』ってなに?
発酵栗あんこは、栗に米麹を加えて発酵させたノンシュガーのあんこ。材料は、この2つだけ。作り方も次の2ステップ。とてもシンプルなんです。
〇茹でた栗に米麹と水か煮汁を加え
〇発酵させるだけ!!
市販のあんこはお砂糖たっぷり。それに比べて発酵栗あんこは砂糖不使用なのが嬉しいですね。発酵食品を手作りすると聞くとハードルが高そうですが、ポイントをおさえれば簡単にできますよ。
詳しい作り方については「砂糖不使用!!ノンシュガーの『発酵栗あんこ』。材料は栗と米麹だけ!!作り方をご紹介します」をご覧ください。
炊飯器を使ったレシピをご紹介しているので、参考にしてくださいね。
砂糖不使用の『発酵栗あんこ』が甘くなるメカニズムって?
『発酵栗あんこ』が砂糖不使用なのに甘いのは、麹菌が栗に含まれるでんぷんを分解して糖にするから。甘酒と同じメカニズムです。
『発酵』とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
『発酵栗あんこ』の効果・効能って?
発酵栗あんこの効果・効能には、主に次の11個が挙げられます。こんなにたくさんの「カラダに良いコト」があるなんて、嬉しくなりますね。
これらは、材料である栗に含まれる栄養素と、発酵のチカラから得られるものです。
①免疫力アップ
②むくみ防止
③血中コレステロール値を下げる
④便秘改善
⑤疲労回復
⑥美肌・美白効果
⑦老化防止
⑧がん予防
⑨アレルギーの緩和
⑩高血圧や動脈硬化の予防
⑪貧血防止
発酵栗あんこの糖質量って?
発酵栗あんこの糖質量はどのくらいなのでしょうか?材料である栗と米麹それぞれについてみていきましょう。
100gあたりの糖質量は、栗が32.7g、米麹が57.8g。発酵栗あんこは栗の重さに対して米麹50%の割合で作っています。
これを単純に計算すると、発酵栗あんこ100gに含まれる糖質量は約41gになります。
他の食品と比較すると…
〇さつまいも 100gあたり29.7g
〇ごはん 100gあたり36.8g
糖質ってなに?
「糖質=炭水化物」と思っている方が多いのですが、実は炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたものなんです。詳しくみていきます。
糖質って何?
炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたもの。下の図が分かりやすいです。糖質の代表的なものにはデンプン、糖アルコール、オリゴ糖などが挙げられます。
糖質制限ダイエットをするときに、ごはんなどの炭水化物を控える方が多いと思います。でも、炭水化物には食物繊維も含まれているんです。
単純に炭水化物を減らすということは、知らないうちに便秘解消などに役立つ食物繊維も減らしているということなんですね。
糖質と糖類って?
〇糖質とは
炭水化物から食物繊維を除いたもの。
〇糖類とは
糖質から多糖類・糖アルコールを除いたもの。
つまり「ブドウ糖、果糖、砂糖」など甘いものです。
糖質の役割と摂取量について
「糖質制限ダイエット」の流行とともに、あまり良いイメージがない糖質。その役割って何でしょうか?どのくらいの量を摂取するべきなのでしょうか?
糖質の役割って?
『タンパク質』『糖質』『脂質』は三大栄養素と呼ばれ、私たち人間の生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源です。
糖質は、その三大栄養素の一つ。特に、激しい運動をするときや脳を働かせるときに消費されます。
糖質を摂り過ぎるとどうなる?
糖質の摂り過ぎは肥満につながったり、生活習慣病の原因となります。
血糖値があがるとなぜ太るの?
https://brand.taisho.co.jp/contents/diet/detail_116.html#:~:text
食事で糖質を摂ると血糖値が上がり、膵臓から血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。 実は、このインスリンには血中の糖分を脂肪に換えて体にため込む働きが。
血糖値が緩やかに上昇するのであれば問題ありませんが、急激に上昇するとインスリンは過剰に分泌され、脂肪をため込みやすくなってしまいます。
さらに、いったん上がった血糖値が再度下がる時に空腹を感じます。この時、どうしても甘いものが食べたくなってしまうんです。これも肥満につながる原因となります。
生活習慣病とは?
日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされています。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-040.html
糖質が不足するとどうなる?
糖質が不足するということは、生命維持のために必要なエネルギーが足りなくなるということ。疲労を感じやすくなったり、集中力が低下したりします。
糖質が不足すると起こる主な症状は?
疲労感、イライラ、判断能力の低下、眠気、ふらつき、動悸、怒り、敵意、焦燥感、落ち込みなど。
理想的な摂取量は?
糖質は、少なすぎても多すぎてもNG!!それでは、どのくらいの糖質を摂るのが理想的なのでしょうか?
糖質は食事摂取基準によると、1日のエネルギー摂取量の50~65%が理想だとされています。分かりやすく書くと
1日あたり130g
1食あたり20~40g
2006年にアメリカの糖尿病学会が示したガイドラインより
具体的な食事に当てはめてみると
〇1食あたりの糖質量は、40g
〇3食あたりの糖質量は、120g
〇間食で摂っていい糖質量は、10g
糖質量を比べてみましょう!
〇砂糖大さじ1杯(約9g) 約8.9g
〇ごはん茶碗1杯(約150g) 約58.5g
〇食パン6枚切り2枚(約120g) 約53.6g
〇うどん1玉 (約250g) 約52g
〇クッキー5枚(約55g) 約28g
〇板チョコ1枚(約50g) 約26g
『発酵栗あんこ』に当てはめてみると?
糖質量が多めの発酵栗あんこ。でも、血糖値は上がりにくいと言われています。その理由は何でしょうか?簡単に言うと、「発酵栗あんこは白砂糖を使っていない」ためなんです。
栗は低GI値食品です
栗は、低GI値食品です。茹でた栗には100g中36.7gの炭水化物が含まれていますが、でんぷん質であるのがポイント。でんぷん質は、糖に比べると身体への吸収や血糖値の上昇が穏やかです。
GIとは?
炭水化物を含む食品を食べたときの、血糖値の上がりやすさを表した指数。一般的にGI55以下の食品を低GI食品と呼びます。
低GI食品は、血糖値の急激な上昇が起こらないと言われ、メタボリックシンドローム予防に有効です。
インスリンの過剰な分泌を抑える食物繊維
発酵栗あんこは、麹菌が栗に含まれるでんぷんを分解してブドウ糖に変えるため、摂り過ぎると高血糖を引き起こします。
ただ、栗も米麹も血糖値を下げるイヌリンなどの植物繊維を豊富に含んでいるため、インスリンの過剰な分泌を抑えていると言われています。
発酵栗あんこと同じく、米麹を使った発酵食品である甘酒について、以下のような記述がありました。
20歳以上70歳以下の男女18名に「麹甘酒118g」と「米糖化液118g(プラセボ)」を飲んでもらい、飲用後2時間までの血糖値とインスリン量を測定する研究を行いました。その結果、麹甘酒を飲んだときは、米糖化液を飲んだときに比べて、血糖値とインスリン量の上昇が抑制されていることが判明。麹甘酒には、食後血糖値とインスリン量の上昇を抑制する成分が含まれることが明らかとなりました。
https://www.hakkaisan.co.jp/research-development/koji-amazake/koji-amazake3
出典: J. Brew. Soc. Japan, 115, 43-53(2020)
白砂糖を多く含むお菓子などに比べて血糖値が上がりにくいというのは、これらの理由によるもの。ただし、過剰な摂取は肥満や生活習慣病につながるので、注意しましょう!!
まとめ
- 発酵栗あんこ100gに含まれる糖質量は約41g
- 糖質ってなに?
炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたもの。 - 糖質の役割とは?
〇私たち人間の生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源。
〇特に、激しい運動をするときや脳を働かせるときに消費される。 - 糖質を摂り過ぎると…
肥満につながったり、生活習慣病の原因となる。 - 糖質が不足すると…
生命維持のために必要なエネルギーが足りなくなる。疲労を感じやすくなったり、集中力が低下したりする。 - 理想的な摂取量とは?
〇1日のエネルギー摂取量の50~65%
・1日あたり130
・1食あたり20~40g - 発酵栗あんこに当てはめると?
〇栗は低GI値食品である。
〇インスリンの過剰な分泌を抑える食物繊維を豊富に含んでいる。
おわりに
実家から毎年送られてくる大量の栗。ありがたいのですが、いつも使い切れなくて。いつもあずきを使って発酵あんこを作っているのですが、あずきの代わりに栗でもできないかと試してみたところ、大正解でした!!
クセがなくて食べやすいうえ、優しい甘さ。とてもおいしいんです。お砂糖を使っていないから、ヘルシーなのも嬉しいポイント。
栗は、もともととても栄養価の高い食品。それをさらに発酵させることで得られるメリットは大きいです!!
栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめ。
そんな発酵栗あんこ。糖質量が多いのが気になるところ。糖質ってなに?その役割は?発酵栗あんこに当てはめると?…ということを詳しくみてきましたが、参考になりましたでしょうか?
健康維持に欠かせない栄養素もいっぱい詰まっているので、ぜひ手作りしてみてくださいね!!あくまでも、食べすぎには注意しましょう!!
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