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お砂糖を使わない『発酵あんこ』…甘くない!!苦い!!こんな失敗をしないための工夫をまとめました

メディアで紹介され、注目されている発酵あんこ。お砂糖を使っていないため、とてもヘルシーだと人気なんです。

発酵あんこはスーパーでは売られていないので、自分で作ります。

材料も手順もとてもシンプルなのですが、発酵食品を手作りするのに、はじめはちょっとしたポイントをおさえる必要が。

実は私も、はじめて発酵あんこを作ったときは失敗でした。できあがりを食べてみると


苦い!!
甘くない!!

残念な結果に…。

〇なぜ失敗したのでしょうか?
〇どうすればおいしく作ることができるのでしょうか?

私の体験をふまえて、お伝えしていきますね。



発酵あんこの作り方


市販のあんこや和菓子は、パッケージに貼られている原材料をみると、たいてい一番最初に「砂糖」と書かれています。

原材料は、一番使用量が多いものから表示されているので、お砂糖がたっぷり入っているということですね。

発酵あんこは、お砂糖を使っていないのに優しい甘さ。それは「発酵」のおかげなんです。

発酵あんこはスーパーでは売っていないので、自分で作ります。

材料は2つ。小豆と米麹。そして手順も2ステップ。小豆を煮て、米麹を加え、発酵させたらできあがりです。

まずは、基本的な作り方を簡単に説明しましょう。

【材料】
〇小豆 200g
〇米麹 200g
〇水  600㏄(400㏄+200㏄)

【用意するもの】
〇ザル
〇炊飯器
〇ふきん

【作り方】

①小豆をサッと洗ってザルにあけます。

②炊飯器の内釜に小豆と水400㏄を入れ、玄米モードで炊きます。

玄米モードがない場合は、通常の炊飯モードで二度炊きします。指でつぶせる固さになればOK。

③煮あがったら水200㏄を加え、小豆をつぶしながら混ぜて60度まで冷まします。

④米麹を加え、均一になるまでよく混ぜます。

⑤炊飯器のふたを開けたまま、ぬれぶきんをかぶせ、保温モードで発酵させます(50~60度で8時間以上)。

途中何度か、乾燥しないようにぬれぶきんをかけ直します。そのときに軽く混ぜます。水分が足りないようであれば足しましょう。

⑥発酵したらしゃもじですりつぶしながら混ぜます。つぶあんの完成です!!

⑦さらにひと手間『こしあん』に少量の水を加えて、フードプロセッサーにかけたら、こしあんになります。

詳しい作り方については、「お砂糖不使用!!『発酵あんこ』の作り方~3つの材料&2ステップでできちゃいます」を参考にしてください。写真つきで説明しています。



失敗① 発酵あんこが苦い


発酵あんこが苦い理由とは?

発酵あんこは、なぜ苦くなってしまったのでしょうか?その答えは「渋切り」をしなかったから。

※発酵あんこの作り方の手順には、渋切りはあえて入れてありません。その理由はこのあと説明しますね。

発酵あんこの材料であるあずきの外皮には、サポニンという成分が含まれています。

サポニンは、体に良い効果をもたらしますが、残念ながら苦みや渋み、えぐみの原因になるんです。

このサポニンを取り除くことで、苦みはほぼなくなり、食べやすくなります。

サポニンの健康効果・効能って?

サポニンは殺菌点・抗菌作用に優れています。漢方薬などにも使われ、カラダに良いと言われています。

主な効果・効能は次の通りです。

・肥満を予防する。
・コレステロール値を下げる。
・血流を改善する。
・免疫力を高める。
・肝機能を高める。
・咳や痰を抑制する。


苦みをなくすにはどうしたらいいの?

サポニンを取り除くには、小豆を煮るまえに、「いったん茹でこぼして、その汁を捨てる」という工程を加えます。

この作業を渋切りと言います。


渋切りの方法って?

渋切りは、煮る前の小豆を短時間茹でこぼすこと。手順は次の通りです。

①お鍋に小豆と、小豆が浸るくらいの水を入れて火にかけます。
②沸騰させ、5分位そのままに。
③お湯を捨て、ザルにあけます。


渋切りをするデメリットも

渋切りをすると、たしかに苦みや渋み、えぐみはなくなります。ところが同時に、含まれる栄養素も流してしまうことに。

渋切りをせずに小豆を炊く方が、より高い健康効果を得られます。私が発酵あんこの作り方の手順に、渋切りを入れていない理由がこれなんです。

渋切りをするかしないかは、悩ましいところですね。



失敗② 発酵あんこが甘くない


できあがった発酵あんこは、なぜ甘くなかったのでしょうか?その原因は、発酵がうまくいかなかったから。

お砂糖不使用発酵あんこがどうして甘いのかというと、それは発酵のチカラなんです。

発酵ってなに?

発酵食品がカラダに良いことは、広く知られるようになりました。でも、発酵ってなに?と聞かれると、詳しく説明できる方は少ないのではないでしょうか?

発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること

これに、発酵あんこができる過程で何が起きているかを当てはめてみると

「微生物=米麹の麹菌」の働きによって
「有機物=デンプン」が分解されて
「別の物質=糖」に変化した

ということになります。お砂糖を使っていない発酵あんこが甘い理由はこれなんです!!

さらに詳しく説明すると、有機物が分解されるのは、酵素のチカラ。

発酵菌は、たくさんの酵素を作ります。その酵素が有機物を分解してくれるんです。


発酵あんこが甘くなかった原因は?

先ほど、発酵あんこが甘く仕上がらなかったのは、「発酵がうまくいかなかったから」だと書きました。

言い換えると、発酵菌が作る酵素がちゃんと働くことができなかったから。

つまり、アミラーゼという酵素が、デンプンを糖に分解することができなかったことが原因なんです。

それはなぜなのでしょう?


発酵には適した温度があります!!

発酵には、発酵が進む温度と、その活動が遅くなったり、止まってしまう温度とがあります。

発酵が進む温度とは、つまり発酵菌が活発に動くのに適した温度。

多くの酵素は60~70度で失活します。活動が止まるとデンプンを分解してくれなくなるので糖ができず、甘くなりません。

逆に50度以下でも、酵素の働きは鈍くなります。

酵素が活発に活動する温度は50~60度。つまり温度が高すぎても低すぎても、NGだということですね。

これを押さえておかないと、発酵がうまくいかず、甘さが足りなくなるんです。


温度管理に気をつけるのはここ!!

発酵あんこを作るときの手順のなかで、具体的に気をつける場面は2カ所。それは、煮た小豆に麹を加えるときの温度と、発酵させているときの温度です。

〇煮た小豆に麹を加えるとき
60度以下に冷ます

〇発酵させるとき
50~60度を保つ



おいしい発酵あんこをつくるコツ


私の失敗をもとに、ポイントを2つお話しました。その他に、発酵あんこを作るときに気をつけていることを3つ挙げますので、ぜひ参考にしてくださいね。

〇小豆をよく煮る
〇水加減はお好みで
〇こしあんにするには、ブレンダーかフードプロセッサーで!!


小豆をよく煮る

甘みが足りない原因は「温度調整」に大きな原因があると書きましたが、もう一つ気をつけたいことがあります。それは

小豆が固いと、甘みが足りなくなってしまう

ということ。最初に発酵あんこを作ったとき、炊飯器の早炊きモードを使いました。二度炊きしたんですが、それでも固くて。

そのまま発酵させたんですが、甘みが足りず、おいしくなかったんです。

二度目は反省を生かして小豆をしっかり煮てみたら、甘みが増しておいしくできました!!

ポイントは、指でつまんで潰せる固さになるまで炊くこと。

私はいつも、炊飯器の玄米モードを使っています。これだと、ゆっくりと時間をかけて炊いてくれます。

圧力釜やお鍋で煮る場合も、このポイントを参考にしてくださいね。


水加減はお好みで

「発酵あんこの作り方」で書いた水加減は、あくまでも参考にしてください。

わが家でも、子どもたちは「ちょうどいい」と言い、主人は「もう少し水分が欲しいなぁ」と言っています。

発酵させる季節やお部屋の状況によって湿度は様々。その時々で、微妙な違いが生じます。乾燥し過ぎると、おいしくなくなります。

発酵させている間に、ぬれぶきんをかけ直したり、かき混ぜたりすると思います
。このときに水分が足りていないようなら、足してあげましょう。


こしあんにするには、ブレンダーかフードプロセッサーで!!

発酵あんこの出来上がりは、つぶあんの状態。お好みで簡単にこしあんに出来ます。私はここで失敗しました。

写真のようなミキサーでこしあんにしようと思ったのですが、多めの水分を加えないと回らなくて、やわらかくなりすぎてしまいました。

こしあんにするときはブレンダーか、下の写真のようなフードプロセッサーがおススメです!!



まとめ


  • 発酵あんこの作り方

    〇材料は?
    小豆と米麹と水。

    〇手順は?
    2ステップ。小豆を煮て、米麹を加え、発酵させたらできあがり。
  • 失敗① 発酵あんこが苦いのは?

    〇原因は?
    小豆を煮るまえに「渋切り」をしなかったこと。

    〇対策は?
    渋切りをする=苦みや渋み、えぐみの原因となるサポニンを取り除くため、小豆をいったん茹でこぼし、その汁をすててから煮る。

    〇渋切りのデメリットは?
    汁と一緒に、栄養素も流してしまうことになる。
  • 失敗② 発酵あんこが甘くないのは?

    〇原因は?
    発酵がうまくいかなかったこと。

    〇対策は?
    麹菌が作る酵素がデンプンを糖に分解できるよう、以下の通りに温度管理する。
    ・煮た小豆に麹を加えるときは、60度以下に冷ます。
    ・発酵させるときは、50~60度を保つ。
  • おいしい発酵あんこをつくるコツは?

    〇小豆をよく煮る指でつまんでつぶせる固さになるまで、しっかり煮る。

    〇水加減はお好みで発酵させている間、乾燥しているようなら、水分を加える。

    〇こしあんにするときブレンダーかフードプロセッサーを使う。



おわりに


お砂糖を使わないのに優しい甘さの発酵あんこ。はじめて作ったとき、甘くないうえに苦みもあって、失敗してしまいました。

なぜ失敗したのか?
どうすればおいしく作ることができるのか?

詳しくみてきましたが、参考になりましたでしょうか?私の体験が、みなさんの成功につながりますように。

発酵あんこはダイエットに効果的なのはもちろん、健康維持に欠かせない栄養素もいっぱい詰まっているので、ぜひ手作りしてみてくださいね!!

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