簡単レシピ!『発酵カレールー』の効能とは?カレー粉のスパイスと麹菌のW効果がすごいんです!!

『発酵カレールー』は、その名の通りカレー粉を発酵させた調味料。 簡単に作れるので、冷蔵庫に常備しています。もともとカラダに良いと言われるカレー粉を発酵させることで、その効果がさらにパワーアップするんです!!

原材料や添加物が気になっていた市販のカレールー。発酵カレールーは手作りなので、使うものや作る過程が目に見えるので、安心です。今回は、発酵カレールーがもたらす効果・効能についてお伝えします。ぜひ作ってみてくださいね。



『発酵カレールー』とは?



発酵カレールーとは、その名の通りカレー粉を発酵させた調味料。材料はカレー粉と麹、塩の3つだけ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルです。

〇カレー粉に米麹と塩を加え
〇水を足して
〇発酵させるだけ!!

レシピについては発酵カレーの簡単レシピ!作り方は3ステップ!!『発酵カレールー』を手作りしてみませんか?をご覧ください。



①カレー粉の効果・効能とは?


まずは、カレー粉のチカラについてみていきましょう。主な効果・効能は次の通りです。

①消化促進効果
②免疫力アップ効果
③老化防止効果
④抗炎症作用による効果
⑤脳を病気から守る効果


①消化促進効果

香りのもとであるクミンやコリアンダーには、消化促進効果があります。かつては胃薬として使われていて、食欲促進効果も期待できます。胃腸が弱っている方に有効ですね。

ターメリックに含まれるクルクミンには、肝臓の働きを助け、消化機能をサポートしてくれます。


②免疫力アップ効果

ターメリック(ウコン)には、クルクミンという成分が含まれています。米国の研究発表によると、免疫システムを強化するためのたんぱく質を約3倍程度増やす働きがあるそうです。胃腸の活動をよくする作用も。

ターメリック、クミン、シナモンには強い抗酸化作用があります。免疫細胞や組織にダメージを与える活性酸素を抑制することで、免疫力低下を防ぎます。

また、クミンは血流をよくする働きも。血流がよくなると、白血球などの免疫細胞の働きが活発になります。 クミンに含まれるビタミンAは、粘膜の健康を支えています。ウイルスなどの侵入を防ぐために、粘膜は健康な状態を保持する必要があります。

コリアンダーにはウイルスや細菌を死滅させる殺菌作用が、シナモンには抗炎症作用が、 カルダモンには免疫抑制効果があります。免疫力は過剰に働くと、自己免疫疾患を起こすことがあります。

自己免疫疾患とは?

免疫細胞は、通常であればウイルス等の病原体を攻撃しますが、誤って自己の組織を攻撃してしまうことがあります。それによって生じる疾患のことを「自己免疫疾患」といいます。


③老化防止効果

ターメリックは、ウコンの根茎を乾燥させて粉末にしたもの。インドでは、ニキビや吹き出物の薬として利用されてきました。

ターメリックに含まれるクルクミンという成分には強い抗酸化作用があり、老化を防いでくれます。 また、しみやしわの原因となる紫外線の一部を跳ね返して吸収しにくくするという効果 も。

どうして「抗酸化=アンチエイジング」なの?

老化は、活性酸素が血管や内臓の細胞を酸化させることで起こります。抗酸化とは、この活性酸素を除去することです。若々しさを保つアンチエイジングは抗酸化物質を摂取することで促進できます。

クミンには老化を促進させる糖化を抑え、できてしまったAGEを分解・排泄させる作用があります。また、コラーゲンの生成をサポートするビタミンC、皮膚や粘膜の健康を保つビタミンB2、強い抗酸化作用があるビタミンEを含んでいます。

糖化とは?

体内で余った糖質がたんぱく質と結合してAGEという物質になること。肌の老化を促進します。

コリアンダー(パクチー)はハーブの一種で、βカロテンが豊富に含まれています。 βカロテンは体内で吸収されるとビタミンAに変わり、皮膚や内臓の粘膜を強化したり肌の細胞を元気にしたりします。また、抗酸化力の強いビタミンE、コラーゲンの生成を高めるビタミンCも豊富です。

カルダモンは多年草のハーブ。強い抗酸化作用があります。カルダモンに含まれるビタミンB2、ナイアシン、ビタミンCなどが、皮膚や肌細胞の活性を促します。


④抗炎症作用による効果

ターメリック(ウコン)やコリアンダーには抗炎症作用があります。特にターメリックに含まれるクルクミンというポリフェノールは特に効果が高く、糖尿病や肥満、動脈硬化、関節リウマチ、炎症性腸疾患などの病気に効くと言われています。


⑤脳を病気から守る効果

ターメリックに含まれるクルクミンは脳の炎症やプラーク形成を予防し、アルツハイマーなどの脳疾患から守る働きがあります。



②麹の効果・効能とは?


発酵カレールーは、米麹を使って発酵させます。麹といえば、お味噌などの発酵食品を作るときに大活躍する菌。でも、その栄養素や働きなどを詳しくご存知の方は意外に少ないのではないでしょうか?また、発酵食品はカラダに良い作用をもたらすと言われていますが、その理由についても、みていきましょう。


麹菌のチカラ

麹菌は「ニホンコウジカビ」という菌(カビの一種)。日本特有のもので、国菌に指定されています。主な特徴を挙げてみましょう。

①豊富なビタミンB群
②たくさんの酵素
③食物繊維
④オリゴ糖

①豊富なビタミンB群

麹菌は代謝の過程でビタミン類を生成します。なかでもビタミンB群が豊富。血行と代謝をアップしてくれるので、美肌効果を期待できます。その他の詳しい効果も挙げておきますね。

・疲労回復効果:
ビタミンB1
・成長を促進する効果:
ビタミンB2、ビタミンB6
・粘膜や皮膚を健康に保つ効果:
ナイアシン
・エネルギーを生成する効果 :
パントテン酸
・女性の健康を保つ効果:
葉酸
・血糖値を下げる効果:
ビオチン

②たくさんの酵素

麹菌は、発酵の過程でアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼなど30種類以上の酵素を生成します。酵素には食物に含まれる栄養素を分解して、消化・吸収を助ける役割があります。

③オリゴ糖&食物繊維

麹の酵素はオリゴ糖を生み出します。米麹に含まれている食物繊維とともに、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。

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発酵ってなに?

微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。

発酵によって得られるメリットは、以下のとおりです。

①消化・吸収がよくなる。
②うまみが加わる。
③栄養価が加わる。
④保存性がよくなる。

麹菌が生成した酵素は、栄養素を分解します。ある程度分解された状態で摂取されるため、体内での消化・吸収がしやすくなるというメリットが。発酵食品に整腸作用があると言われる理由の一つです。


腸内環境を整えることで得られる6つの効果・効能

発酵食品は腸内環境を整えてくれます。腸には栄養素の消化吸収機能に加え、免疫機能があります。「腸活」が流行っている理由として、次の6つの効果・効能が期待できます。

①便秘解消
②肌荒れ&ニキビ改善
③免疫力の向上
④アレルギー改善
⑤ダイエット効果
⑥ストレス緩和

①便秘解消

発酵菌は腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増えにくい環境に整えます。また、腸のぜん動運動を促し、排便回数や排便量などを改善します。

②肌荒れ&ニキビ改善

肌荒れやニキビは、悪玉菌が産生する有害物質が原因。発酵菌は悪玉菌を減らし、腸の内容物が腐敗するのを防ぎます。

③免疫力の向上

発酵菌は、免疫細胞の一種である「NK細胞」や「マクロファージ」を活性化させます。免疫力が上がると、風邪やインフルエンザ、発がんリスクの低減などが期待されます。

④アレルギー改善

アレルギー症状は、液性免疫(Th2)が暴走すると起こります。Th2は悪玉菌が増えると優位になるため、発酵菌で腸内環境を整えることが大切です。

⑤ダイエット効果

悪玉菌が増えると、腐敗物が血液に溶け出して血行を悪化させ、消化吸収の機能を妨げます。発酵菌は腸内環境を整え、基礎代謝を上げます。

⑥ストレス緩和

幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%が腸に存在しています。セロトニンが増えると、精神状態が安定します。逆に不足すると、慢性的ストレスや疲労、意欲低下、うつ症状、不安感やイライラ感の原因となります。

国立がん研究センターのHPに、興味深い研究結果が紹介されていたので、載せておきます。

発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連

今回の研究では、45−74歳の男女約9万人の方々を、約15年間追跡した調査結果にもとづいて、大豆食品、発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連を調べました。

男女ともに発酵性大豆食品の摂取量が多いほど、死亡全体のリスクの低下がみられました。本研究の結果から、発酵性大豆食品の摂取量が多いと死亡のリスクが低くなる可能性が示唆されました。

https://epi.ncc.go.jp/jphc/825/8437.html

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発酵食品を効果的にとり入れるには?


発酵食品の効果的なとり方とは?

カラダに良い作用をもたらす発酵食品。その効果・効能を最大限に受け取るためのポイントは2つ。

①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること

①適量を長く続けましょう

発酵食品がカラダに良いとはいえ、一度に多くの量を摂り過ぎることは禁物です。成分によっては摂り過ぎることで、逆にカラダに害を及ぼすことさえあるんです。

発酵食品は薬ではないので、即効性があるというよりは、長く続けることで体質が改善されていきます。まずは一ヶ月。焦らず長い目で摂り続けましょう。

④ほかの発酵食品と組み合わせて摂りましょう

発酵食品は、数種類のものを組み合わせて食べるとさらに効果が得られると言われています。ヨーグルトや納豆、味噌など、色々な発酵食品を日々の食卓に取り入れるといいでしょう。


加熱について

麹菌が活性化したり、死滅したりする温度があります。麹菌が生成する酵素にも、作用するのに最適な温度があります。麹を使って発酵食品を作っていると、よくいただく質問が「加熱してもいいかどうか?」。結論からお伝えすると、麹は一定の温度以上で死滅しますが、火を通すことはさほど気にする必要はありません。

①麹菌
〇増殖に適した温度 25~30度
〇繁殖が止まる温度 45度
〇死滅する温度   50度前後 

②酵素
〇失活する温度 60~70度、50度以下

「生きた菌を腸に届けたい」と考える方が多いのですが、麹菌を口から摂取した場合、胃酸で溶けると言われています。そもそも発酵食品が体に良いのは「発酵の過程で有益な成分が生成されていたり、消化しにくい物質が消化されやすくなるから」。生きた菌が腸に届かなくても、ちゃんと効果・効能を得ています。

また、死菌でも生菌の半分くらいの菌数の効果は期待できます。しかもいわゆる「死菌」にも次のような役割があるので、さほど気にする必要はありません。その役割については次の通りです。

〇腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にする。
〇血中コレステロール値を下げるはたらは生菌と同じ。
〇免疫を高める効果がある。



まとめ


  • 『発酵カレールー』の作り方って?
    〇材料はカレー粉と米麹、塩、水。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①米麹と塩を混ぜてカレー粉を加え
    ②水を足して
    ③発酵させるだけ!!
  • カレー粉の効果・効能とは?
    ①消化促進効果
    ②免疫力アップ効果
    ③老化防止効果
    ④抗炎症作用による効果
    ⑤脳を病気から守る効果
  • 麹の効果・効能とは?
    ①糖質の吸収を抑制する効果
    ②便秘を改善する効果
    ③免疫力を高める
    ④疲労回復効果
  • 麹の栄養素とは?
    ①豊富なビタミンB群
    ②たくさんの酵素
    ③食物繊維
    ④オリゴ糖
  • 腸内環境を整えることで得られる効果・効能
    ①便秘解消
    ②肌荒れ&ニキビ改善
    ③免疫力の向上
    ④アレルギー改善
    ⑤ダイエット効果
    ⑥ストレス緩和
  • 効果・効能を高めるとり方とは?
    ①適量を長く続けること
    ②他の発酵食品と組み合わせて摂ること
  • 加熱について
    一定の温度で麹菌は死滅するが、死菌にも役割があるためさほど気にする必要はない。




おわりに


健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。発酵させることで栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめですね。

市販のカレールーは、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いのでは?と、ずっと気になっていました。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。しかも発酵食品なので、ダブルで嬉しくなります。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!

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