お砂糖を使っていない『発酵あんこ』。気になる効果・効能を、3つのポイントから解説します!!
健康への関心が高まって、注目されているのが「発酵食品」。手軽に摂れるヨーグルトや納豆などが人気ですね。
腸内環境を整えてくれる発酵食品は、それ以外にもたくさんあります。
ダイエットをしているのに、甘いものがなかなかやめられなくて、そんな時に出会ったのが『発酵あんこ』。砂糖不使用なのに甘くて、しかも栄養豊富なんです!!
〇発酵あんこの効果を知りたい
〇どんな栄養素が含まれているの?
〇どんな効果があるの?
発酵あんこの魅力に迫ります。
この記事の目次
発酵あんこってなに?
発酵あんこを一言で説明すると「煮た小豆に米麹を加え、発酵させて作ったあんこ」のこと。
発酵あんこの大きな魅力は
①材料のあずきと米麹の栄養価の高さ
②お砂糖を使っていない
③発酵食品である
ということ。発酵あんこの材料は、あずきと米麹の2つ。どちらも栄養価の高い食品です。
また、通常のあんこは小豆をお砂糖と一緒に煮詰めて作ります。でも発酵あんこは、お砂糖を使いません。
米麹を加えて発酵させることで、甘みが加わるからです。おかゆに米麹を加えて発酵させる甘酒と同じですね。
そして発酵あんこは、文字の通り発酵食品。発酵菌がさらに効果・効能を高めてくれるんです。
発酵あんこが体にいい理由①
あずきの力
発酵あんこの材料であるあずき。あずきは、低脂質・高タンパクで、食物繊維の豊富な健康食品です。このあずきのチカラがすごいんです。
あずきの栄養素って?
まずは、あずきの成分をみてみましょう。下の図が分かりやすいので、引用させていただきました。
あずきの大きな特徴は、次の通りです。
〇食物繊維と糖質で構成される炭水化物が中心。
〇タンパク質が豊富。
〇低脂質である。
ちなみに、大豆や落花生などは脂質が中心です。
小豆の効果は?
あずきには豊富な栄養素が含まれています。その主なものを挙げましょう。
〇食物繊維
〇タンパク質
〇ビタミンB群
〇鉄やカリウムといったミネラル
〇サポニン
〇ポリフェノール
それぞれの栄養素がもたらす効果をみていきますね。
〇食物繊維
・腸内環境を整えます。
・コレステロール値を下げます。
・糖尿病を予防します。
・高血圧を予防します。
・肥満を予防します。
〇ポリフェノール
・抗酸化作用があります。
・アンチエイジングの効果があります。
抗酸化ってなに?
釘が酸化すると茶色く錆びたり、リンゴが酸化すると茶色く変色して腐ります。同じように人間のカラダも酸化します。
カラダや血管の老化、シミやシワ、肌あれなどのトラブル、生活習慣病やがんを引き起こしたりします。
抗酸化とは、「カラダの酸化を抑える」ということです。
〇鉄分
・貧血を予防します。
・疲労を回復します。
〇サポニン
・肥満を予防します。
・コレステロール値を下げます。
・血流を改善します。
・免疫力を高めます。
・肝機能を高めます。
・咳や痰を抑制します。
〇ビタミンB1
・疲労を回復します。
・皮膚や粘膜の健康を維持します。
・糖質をエネルギーに変えます。
・神経機能を健康に保ちます(神経の伝達や脳の活動を正常に保ちます)。
〇カリウム
・高血圧を予防します。
・むくみを予防・改善します。
・筋肉を正常に保ちます。
あずきの栄養素の含有量って?
あずきに含まれる栄養素と、その働きについてみてきました。さらにそれらの栄養素が、100gのあずきの中にどのくらいの量含まれているのかをみていきます。
目安として、一日の摂取推奨量も書きました(食事摂取基準2015より)。ぜひ参考にしてください。
〇食物繊維
・あずき100gに含まれる食物繊維は17.8g。
・食物繊維の一日の摂取推奨量は、成人男性が20g、成人女性が18g以上とされています。
あずきに含まれる不溶性食物繊維は、ごぼうの約5倍&さつまいもの約9倍なんです!!
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維とは?
不溶性食物繊維
潤滑性があり、排便を促進します。
水溶性食物繊維
保水性があり、水分を吸収して便をやわらかくします。
ちなみに、 あずきに含まれる不溶性食物繊維は茄でることによって5割以上も増加します。発酵あんこも小豆を茹でて作るので、5割増しということですね!!
〇ポリフェノール
抗酸化作用に効くポリフェノールは、赤ワインの1.5倍。これは豆類の中でも特に含有量が多い数値です。
〇鉄分
・あずき100gに含まれる鉄分は5.4㎎。
・鉄分の成人女性一日の摂取推奨量は10.5㎎とされています。
〇サポニン
サポニンはあずきの外皮に含まれており、苦みや渋み、えぐみの元となる成分です。豆類100gに含まれるサポニンは3~5g。
食事摂取基準2015に、一日の推奨摂取量は示されていません。
〇ビタミンB1
・あずき100gに含まれるビタミンB1は0.45㎎。
・ビタミンB1の成人女性一日の摂取推奨量は0.9~1.4㎎とされています。
〇カリウム
・あずき100gに含まれるカリウムは1500㎎。
・カリウムの一日の摂取推奨量は、成人男性が3000㎎、成人女性が2600㎎とされています。
発酵あんこが体にいい理由②
米麹の力
発酵あんこの材料はあずきと米麹。次に、米麹のチカラについてみていきましょう。
米麹ってなに?
米麹とは、「蒸したお米に麹菌を種付けし、繁殖させて発酵したもの」。
米麹をつくるのに使われる麹菌は「ニホンコウジカビ」という菌(カビの一種)。日本特有の菌で、国菌に指定されています。
米麹は味噌や甘酒など、伝統的な発酵食品に使われています。
米麹の栄養素って?
米麹に含まれる主な栄養素は、次の通りです。
〇ビタミンB群が豊富に含まれています。
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・葉酸
・ビオチン
・ナイアシン
・パントテン酸等
〇酵素がたくさん含まれています。
〇食物繊維が含まれています。
〇オリゴ糖が含まれています。
〇ビタミンB群が豊富に含まれています
血行と代謝をアップするビタミンB群は、美肌効果が期待できます。その他の詳しい効果も挙げておきますね。
・疲労回復効果:
ビタミンB1
・成長を促進する効果:
ビタミンB2、ビタミンB6
・粘膜や皮膚を健康に保つ効果:
ナイアシン
・エネルギーを生成する効果 :
パントテン酸
・女性の健康を保つ効果:
葉酸
・血糖値を下げる効果:
ビオチン
〇酵素がたくさん含まれています
米麹に含まれるアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーなどの酵素が食品の成分を分解することで、栄養の消化吸収を促進します。
〇食物繊維やオリゴ糖が含まれています
米麹に含まれる食物繊維やオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えます。
発酵あんこが体にいい理由③
発酵の力
最後に、発酵についてみていきます。最近話題の発酵食品。カラダに良いと言われる理由は何なのでしょうか?
発酵ってなに?
発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化することをいいます。
発酵あんこができるとき、どんなことが起こっているのでしょうか?
茹で上がったあずきに米麹を加えると、発酵が始まります。発酵の過程で、麹菌はたくさんの酵素を生み出します。
その酵素がでんぷんをブドウ糖に、たんぱく質をアミノ酸に分解します。
発酵あんこがお砂糖を使っていないのに甘くなる理由は、これなんですね。
発酵食品にすると、どんなメリットがあるの?
発酵食品にすることで、どんなメリットが加わるのでしょうか?
発酵の過程で
〇うまみが加わります。
〇保存性がよくなります。
〇栄養価が加わります。
〇消化・吸収がよくなります。
発酵の最大のメリットは「消化・吸収がよくなる」こと。微生物があらかじめデンプンやたんぱく質を分解してくれるので、内臓への負担が軽減します。
特に腸内環境を整えることは、健康を保つ上でとても大切です。
腸内環境を整えるメリットって?
最近、「腸活」という言葉をよく耳にします。そのくらい、腸内環境を整えることへの関心が高まっているということなんです。
そもそも、腸の働きをご存知ですか?
腸は、胃でとかされた食物から、栄養や水分を消化・吸収する場所です。
でも実は、その役割は消化器官にとどまらず、次のような特徴もあります。
〇体の約70%の免疫細胞が集中している。
〇幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%が腸に存在している。
セロトニンって何?
「セロトニン」は別名「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のことです。セロトニンが増えると、精神状態が安定します。
逆にセロトニンが不足すると、慢性的ストレスや疲労、意欲低下、うつ症状、不安感やイライラ感の原因となります。
腸内環境を整えると
〇便秘が改善します。
〇免疫力が高まります。
〇アレルギー症状が緩和します。
〇ホルモンの合成を助けます。
睡眠ホルモン「メラトニン」が快眠に導いたり、幸せホルモン「セロトニン」がストレスを緩和したりします。
〇ダイエット効果があります。
〇美肌効果があります。
こうしてみると、腸内環境を整えることは、いいことずくめ。消化・吸収で優秀なチカラを発揮する発酵食品は、腸活のためのスーパーフードなんですね!!
まとめ
- 発酵あんこってなに?
煮た小豆に米麹を加え、発酵させて作ったあんこのこと。 - 発酵あんこの大きな魅力は
①材料のあずきと米麹の栄養価の高さ。
②お砂糖を使っていない。
③発酵食品であること。 - 発酵あんこが体にいい理由① あずきの力
あずきに含まれる栄養素は
〇食物繊維
〇タンパク質
〇ビタミンB群
〇鉄やカリウムといったミネラル
〇サポニン
〇ポリフェノール - 発酵あんこが体にいい理由② 米麹の力
米麹に含まれる栄養素は
〇豊富なビタミンB群
〇たくさんの酵素
〇食物繊維やオリゴ糖 - 発酵あんこが体にいい理由③ 発酵の力
発酵食品にするメリットは
〇うまみが加わる。
〇保存性がよくなる。
〇栄養価が加わる。
〇消化・吸収がよくなる。
その中でも最大のメリットは
「消化・吸収がよくなり、腸内環境が整うこと」 - 腸内環境を整えるメリットは
〇便秘が改善する。
〇免疫力が高まる。
〇アレルギー症状が緩和する。
〇ホルモンの合成を助ける。
睡眠ホルモン「メラトニン」が快眠に導いたり
幸せホルモン「セロトニン」がストレスを緩和したりする。
〇ダイエット効果がある。
〇美肌効果がある。
おわりに
発酵あんこの魅力を、「①小豆のチカラ ②米麹のチカラ ③発酵のチカラ」という3つのポイントから説明しました。
健康にも、美容にも効果的なことがお分かりいただけたと思います。
発酵あんこは、スーパーなどでは販売されていないので、手作りすることになります。
発酵あんこの作り方については、「お砂糖不使用!!『発酵あんこ』の作り方~3つの材料&2ステップでできちゃいます」をご覧ください。
お砂糖不使用でヘルシーな発酵あんこを、ぜひ手作りしてくださいね!!
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