万能な発酵液『とぎ汁乳酸菌』の作り方。3つの材料&2ステップで!!
『とぎ汁乳酸菌』をご存知ですか?簡単に説明すると、お米を研いだときの「とぎ汁」にエサとなる砂糖と塩を加えて乳酸発酵させたもの。
乳酸菌と言えばヨーグルトがすぐに浮かびますね。健康ブームにのって、発酵食品が注目され、乳酸菌のパワーについて広く知られるようになりました。たくさんの種類のヨーグルトが販売されていることからも、関心の高さが分かります。
そんな乳酸菌がたっぷり含まれた『とぎ汁乳酸菌』。実は少ない材料で簡単に、しかも低コストで作ることができるんです。
作り方と使い方について、早速ご紹介したいと思います!!
この記事の目次
『とぎ汁乳酸菌』の作り方って?
『とぎ汁乳酸菌』の作り方をご紹介します。材料は米のとぎ汁、砂糖、塩の3つだけ。作り方も次の2ステップ。とてもシンプルです。
①米のとぎ汁に分量の塩と砂糖を入れて
②撹拌して発酵させるだけ
【材料】
〇米のとぎ汁 1ℓ
〇塩 10g(米のとぎ汁に対して10%)
〇砂糖 30g(米のとぎ汁に対して30%)
【準備するもの】
〇保存容器
(ふたがしっかり閉まるもの)
【作り方】
①米のとぎ汁を用意します。
〇米のとぎ汁は、一番最初の濃いものを使います。
〇あらかじめ煮沸消毒しておいた保存容器に入れます。
〇発酵によってガスが出るとあふれてしまうので、保存容器の八分目までにしています。
〇一番初めのとぎ汁で量が足りなければ、二番目のものを少し足しても大丈夫です。
私はガラス容器を使っていますが、ペットボトルでもOK。
②分量の塩と砂糖を加え、放置します。
〇米のとぎ汁の量に対して、塩10%、砂糖30%の濃度で作ります。
〇塩は、あら塩がのぞましいです。
〇砂糖は、未精製のものがのぞましいです。
③撹拌します。
〇蓋をしたら、容器を振って撹拌します。
乳酸菌のエサとなる砂糖が混ざりあうように、しっかりと撹拌します。
④発酵させます。
〇常温で発酵させます。
〇一日一回、ふたを開けてガス抜きをします。
〇一日一回、保存容器を振って撹拌します。
〇数日~一週間程度常温におくと完成です。
発酵の途中でガスが出て、容器が爆発することがあります。予防するために、こまめにガス抜きをしましょう。
ガラス容器が破損すると危険です。くれぐれも注意してください。
〇最初の頃は沈殿して二層に分かれるので、毎日撹拌します。
〇発酵の過程でガスが発生します。保存容器が破損したり、ふたを開けたときにあふれ出したりする可能性があるので、こまめにガス抜きしましょう。
⑤できあがったら常温か冷蔵庫で保存します。
すぐに使い切るのであれば常温でも大丈夫。ただし、どんどん乳酸発酵が進んでいくので、発酵を止めたい場合は冷蔵庫で保管しましょう。
成功か失敗かの見極めは?
成功の場合は次の状態になります。
〇蓋を開けたときに、「プシュッ」という炭酸の音がする。
〇甘酸っぱいニオイがする。
蓋を開けたときに変な香りがしたら、雑菌が繁殖している可能性が高いです。もったいないですが、また新しく作り直してください。
『とぎ汁乳酸菌』を作るときのポイントとは?
とても簡単に作ることができる『とぎ汁乳酸菌』ですが、失敗しないために押さえておいたほうが良いポイントがあります。
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②ミネラルウオーターか、浄水した水を使う。
③米のとぎ汁は、一番最初の濃いものを使う。
④塩は、あら塩がのぞましい。
⑤砂糖は、未精製のものがのぞましい。
⑥ガス抜きをする。
⑦しっかりと撹拌する。
ポイント① 使う道具をあらかじめ消毒する
発酵させる過程で、カビが生じることがあります。なるべくカビが発生しないように、使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。
私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。
ポイント② ミネラルウォーターか浄水した水を使う
水道水は塩素が含まれているため、乳酸菌が繁殖しずらく、失敗する可能性があります。ミネラルウォーターや浄水器を通した水を使いましょう。
ポイント③ 米のとぎ汁は、一番最初の濃いものを使う
米のとぎ汁は一番最初の濃いものを使います。乳酸菌、酵母、麹、胚芽やデンプンなどを多く含んでいるので、より発酵が進みます。栄養価的にもいいですね。お米は無農薬のものを使うとベストです。
『発酵』とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
ポイント④ 塩はあら塩がのぞましい
乳酸菌や酵母の細胞を作るためには、ミネラルが必要です。「食塩」は精製されてミネラルが取り除かれています。塩化マグネシウムや塩化カリウムを含んでいる「あら塩」を使うことがのぞましいです。
あら塩と食塩の違いって?
〇あら塩
未精製塩。海水のミネラルを残したもの。「自然塩」や「天然塩」と呼ばれています。
〇食塩
精製塩。海水からミネラルを取り除いたもの。
ポイント⑤ 砂糖は未精製のものがのぞましい
精製されていない砂糖には、アミノ酸やミネラルが含まれています。精製された白砂糖でも発酵しますが、健康や味覚のために、未精製のものがのぞましいと言われています。
砂糖は、主にサトウキビなどの汁を搾って、水分を飛ばした食品。
〇黒糖、粗糖とは?
精製・精白せずに商品化したもの。ミネラル・ビタミン・酵素など、いわゆる「不純物」がたくさん含まれています。
〇白砂糖とは?
精製されたもの。黒糖の状態から不純物を取り除き、甘みだけを抽出しています。
ポイント⑥ ガス抜きをする
発酵の過程でガスが発生します。放っておくと保存容器が破損してしまったり、ふたを開けたときに中身が飛び散る可能性があるので、こまめにガス抜きをします。
ポイント⑦ しっかりと撹拌する
発酵の過程で砂糖は乳酸菌のエサとなるので、一日一回は混ざり合うようにしっかり撹拌しましょう。発生した二酸化炭素を逃がし、新たな酸素を溶け込ませるという意味もあります。
『とぎ汁乳酸菌』は何に使うの?
「とぎ汁乳酸菌はすごく良いよ」と言われて作ってみたけれど、実際に何に使ったらいいのでしょうか?主な使い道は、次の通りです。
①飲用する。
②掃除に使う。
③消臭剤として使う。
④入浴剤として使う。
⑤化粧水として使う。
こんなに多用できるなんて、万能液と言えますね!!
『とぎ汁乳酸菌』の効果って?
色々な使い方ができる『とぎ汁乳酸菌』。乳酸菌のチカラ、とぎ汁のチカラによって、次のような効果・効能があるんです。
①腸内環境を整える効果
②汚れを落とす効果
③消臭効果
④美肌効果
『とぎ汁乳酸菌』の保存方法って?どのくらいもつの?
『とぎ汁乳酸菌』の保存方法については、冷蔵保存と常温保存、どちらの意見もみられました。ちなみに私は入浴剤として使用しているので、常温で保存しています。
本物の発酵食品は、理論上腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。
このように発酵のチカラによって腐りにくいと言われているとぎ汁乳酸菌ですが、明らかに見た目や臭いがおかしいと感じたら、雑菌が繁殖している可能性が…。残念ですが、新しく作り直しましょう。
まとめ
- 『とぎ汁乳酸菌』ってなに?
お米を研いだときの「とぎ汁」にエサとなる砂糖と塩を加えて乳酸発酵させたもの。 - 『とぎ汁乳酸菌』の作り方って?
〇材料は、米のとぎ汁、塩、砂糖のみ。
〇手順は次の2ステップ。
①米のとぎ汁に分量の塩と砂糖を入れて
②撹拌して発酵させるだけ - 『とぎ汁乳酸菌』を作るときのポイントは?
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②ミネラルウオーターか、浄水した水を使う。
③米のとぎ汁は、一番最初の濃いものを使う。
④塩は、あら塩がのぞましい。
⑤砂糖は、未精製のものがのぞましい。
⑥ガス抜きをする。
⑦しっかりと撹拌する。 - 『とぎ汁乳酸菌』は何に使うの?
①飲用する。
②掃除に使う。
③消臭剤として使う。
④入浴剤として使う。
⑤化粧水として使う。 - 『とぎ汁乳酸菌』の効果って?
①腸内環境を整える効果
②汚れを落とす効果
③消臭効果
④美肌効果 - 『とぎ汁乳酸菌』の保存方法って?どのくらいもつの?
常温保存か冷蔵保存。ニオイや味などが明らかにおかしい場合は廃棄する。
おわりに
ごはんを炊くたびに出る「米のとぎ汁」。捨てるのはもったいないと思ったことはありませんか?昔から再利用についてはいろいろな知恵が伝わっています。
そのとぎ汁を発酵させることでさらに効果が高まり、用途も広がるんです。飲んだり、お料理につかったりして、健康食品として。掃除や洗濯の際の洗剤代わりに。消臭剤としての役目も果たします。
美肌効果もあるので、化粧水や入浴剤としても使えます。本当に万能なんです!!
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、とぎ汁乳酸菌の作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!
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