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自律神経②自律神経失調症になったら?どのような治療方法があるの?自律神経を整える方法とは?ポイントをわかりやすく!

自律神経が乱れると、なんとなくやる気が出ない、イライラする、カラダが重だるくていつも調子が悪い、疲れがとれないなど、心身の不調がみられるように。

現代人に増えている自律神経失調症。ストレスや生活習慣に原因があると言われています。自律神経①では、自律神経の乱れについてみてきました。今回は、治療や改善のためのポイントなどについて書いていきます。今回の記事を参考にしていただいて、日頃できることからとりくんでいきましょう。


自律神経とは?


末梢神経系の一つである自律神経は、呼吸や消化といったあらゆる内臓器官、血管循環などを調整する神経です。自分の意志と関係なく、24時間休むことなく働きます。「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。

交感神経
・昼間活発になる
・交感神経が優勢だと心身が活動的な状態

副交感神経
・夜間活発になる
・副交感神経が優勢だと心身がリラックスした状態


自律神経失調症って?


自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起こる様々な症状の総称のこと。安定した状態だと交感神経と副交感神経のバランスは1:1で保たれています。

ところが、次のような要因によってどちらか一方が優位になったり、どちらも弱ってしまったりすると、心身の不調が現れるのです。自律神経が乱れると血流の低下や腸内環境の悪化を招き、それが健康に影響を及ぼすと言われています。

①ストレス
②生活習慣の乱れ
③加齢
④ホルモンバランス

自律神経失調症は、「さまざまな自律神経系の不定愁訴を有し、一方で臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と定義されています。つまり次の3点に当てはまる状態を指します。

〇自律神経の乱れによる不調がある
〇検査などをしても病気や異常が見つからない
〇精神障害がない

『自律神経』『自律神経失調症』とは?その診断方法や分類などについてなど、詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓

自律神経の乱れがもたらす不調とは?自律神経失調症の検査&治療についてもわかりやすく!



自律神経失調症の治療方法とは?


自律神経失調症の主な治療方法は次のようになります。

①薬物療法
②漢方療法
③心理療法
④生活習慣の改善


①薬物療法

一般的な精神科や心療内科において行われるのは、薬物療法です。自律神経失調製剤、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠導入剤、睡眠薬などを用いてつらい症状を緩和していきます。

うつ病などの二次的被害を防ぐ目的もあります。ただし、副作用が強く出る薬もあるので自己判断はせずに、必ず医師の診断のもとで服用しましょう。

〇自律神経失調製剤

中枢である脳の視床下部に直接作用して、自律神経のバランスを安定させる薬です。副作用が少なめ。

〇精神安定剤(抗不安剤

自律神経の緊張を緩和させ、不安や緊張などを軽減したり解消したりする薬。次の2種類があります。 眠気やめまい、脱力感などの副作用がみられます。

〇メジャー トランキライザー
・別名『抗精神病薬』『強力精神安定剤』
・効果が強い
・副作用が強い
・耐性や依存性が生じやすい
・ヒルナミン ・レボトミン ・エビリファイ ・リスパダール ・ルーラン など

〇マイナー トランキライザー
・別名『抗不安薬』
・効果が弱い
・副作用が弱い
・耐性や依存性が生じることはほとんどない
・デパス・レキソタン・メイラックス ・ソラナックス ・コンスタン ・ワイパックス ・ホリゾン ・セルシン コントール ・リーゼ ・セディール ・グランダキシン ・バランス など

抗うつ薬

うつ病の原因が脳内の神経伝達物質のバランスの乱れであるという仮説に基づき、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質のバランスを調整してうつ症状をやわらげる薬です。多くの方に副作用がみられます。

不安に対する作用が強い SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)と、意欲・易疲労感に対する作用が強い SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬) とに分類されます。

〇SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)
・脳内の神経伝達物質(セロトニン)の量を増やす
・レクサプロ、ジェイゾロフト

〇SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
・脳内の神経伝達物質(ノルアドレナリンやセロトニン)の量を増やす
・イフェクサー、サインバルタ
〇NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
脳内の神経伝達物質(ノルアドレナリンやセロトニン)の量を増やす
・リフレックス

〇睡眠導入剤、睡眠薬

睡眠を促す薬。超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型などがあります。以前よりも副作用は少なくなっていますが、長く使用すると依存を生じることがあります。

〇その他

・ビタミン剤

ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEには自律神経のバランスを整える作用があります。他の薬との併用が基本です。

・ホルモン剤

更年期障害の女性に処方されます。女性ホルモンを補充してホルモンバランスを整え、症状を抑えます。


②漢方療法

漢方は気の巡りを整えることで、自律神経の乱れからくる諸症状を抑えます。漢方には自律神経に特化した薬があるわけではなく、その人の不調に応じた薬が処方されます。例えば、次に挙げたような薬が心の症状に関係したものです。

この他にもいくつかあります。漢方薬は副作用や飲み合わせがないと誤解されがちですが、そんなことはありません。必ず医師の指示に従って服用しましょう。

〇黄連(おうれん)

精神の不安を抑え、神経が過敏な状態を鎮めます。不眠・食欲不振・腹痛・下痢などにも効果があります。

〇抑肝散(よくかんさん)

イライラや興奮を抑えます。発作的な怒りや落ち込みがある方に。神経症・不眠症・更年期障害などにも効果があります。

〇芍薬(しゃくやく)

女性ホルモンのバランスが崩れて起こる自律神経失調症に処方されます。血の巡りが良くなり、余分な水分が整えられることで効果を得ることができます。


③心理療法

自律神経失調症は、カラダと心の両面へアプローチするのが一般的。メンタル疾患と区別がつきづらい面があります。うつ病や適応障害などを併発する場合も多いです。自己判断はせずに、医師の診断を仰ぎましょう。上記に挙げた薬物治療に加えて、カウンセリングなどの心理療法を行います。


④生活習慣の改善

自律神経失調症は、ストレスと生活習慣の乱れが主な原因であると言われています。根本的な解決のために、治療と並行して次のような生活習慣の改善をしていきます。

〇生活リズムを整える
〇食生活の改善
〇質の良い睡眠を充分とる
〇適度な運動

早起きをして太陽光を浴びる、日中は体をよく動かして夜は充分な睡眠をとること。栄養バランスの良い食事を3食摂る、適度な運動をする、湯船につかってカラダを温めるなど、日頃からできることに取り組みます。



自律神経を整えるには?


自律神経失調症の治療でもお伝えしましたが、自律神経を整えるために大切なことは次の通りです。

①ストレスを緩和する
②生活習慣を見直す


①ストレスを緩和する

ストレスが加わると、まずは交感神経が刺激され、体が活発に動く状態が続きます。通常はその後、適当なタイミングで副交感神経に切り替わり、体が休まっていきますが、強いストレスにさらされた状態が続くと、副交感神経への切り替わりがうまくできなくなり、自律神経に乱れが生じてしまいます。できるだけストレスを緩和できるように、ふだんから意識することが大切です。


②生活習慣を見直す

何かと多忙な現代人は、生活習慣が乱れがち。日頃から意識をするだけで全然違ってきます。全てをパーフェクトにしようとするとかえってストレスになってしまうので、できることから始めてみましょう。

〇生活リズムを整える
〇食生活の改善
〇質の良い睡眠を充分とる
〇適度な運動をする

〇生活リズムを整える

自律神経を整えるには、体内時計を正常に働かせることが大切。早く起きて太陽光を浴びる、日中は体をよく動かして夜は充分な睡眠をとりましょう。

〇食生活の改善

ついつい食事を抜いたり深夜に食べたり暴飲暴食をしたりと、消化のために働く内臓に負担をかけていることが多いんです。さらにジャンクフードに頼ったり、外食やコンビニ食などが中心になったりと、栄養も偏りがち。

カロリー過多の反面、隠れ栄養失調の人が増えていると言います。できるだけ栄養バランスの良い食事を一日三回摂ることが望ましいです。

ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEには自律神経のバランスを整える作用があります。カルシウムはイライラを鎮め、不眠解消の効果があります。

ストレスが加わると?

〇神経の働きを正常に保つ「ビタミンB群」が急激に消費される。

〇全身の抵抗力を高める副腎皮質ホルモンが分泌される。副腎皮質の合成に関わるのがビタミンC。

また、腸と自律神経には相関関係があります。自律神経が乱れると腸内環境が悪化し、逆に腸内環境が整うと自律神経も整うんです。

その理由は、腸内環境が改善されるとストレスが軽減されるから。自律神経が乱れる大きな原因となるストレス。 幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%が腸に存在しています。

セロトニンが増えると、精神状態が安定します。逆に不足すると、慢性的ストレスや疲労、意欲低下、うつ症状、不安感やイライラ感の原因となるんです。 腸を整える発酵食品を意識して取り入れることをおすすめします。

自律神経と腸との関係について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓

『腸活』しましょう!!腸と自律神経の深い関係とは?自律神経を整える2つのポイントって?

〇質の良い睡眠を充分とる

睡眠不足や昼夜逆転など、生活習慣が乱れると体内時計が狂ってしまい、自律神経が正常に働きません。副交感神経から交感神経への切り替わりがうまくいかず、倦怠感が抜けなかったり、やる気や集中力が低下したりなどの影響が出てきます。

良い睡眠とは、寝つきが良く、途中で目を覚ますことなく深く眠っている状態を指します。日中眠気に襲われたり、疲労感が抜けなかったりする場合は、睡眠不足の可能性が高いです。

最適な睡眠時間には個人差があり、一概に「何時間以上寝ましょう!」と指標を示すことは難しいです。ここでは睡眠の質をあげるためにできることを書いておきます。

〇就寝1~2時間前に入浴する
〇就寝90分前からブルーライトをカットする
〇就寝時は部屋を真っ暗にする
〇仰向けで寝る
〇毎日の睡眠リズムを一定にする
〇起床時に太陽の光を浴びて体内時計を整える

就寝時間に向かって体温を下げていくと眠気を感じ、スムーズに入眠することができます。就寝1~2時間前にゆっくり湯船に浸かってカラダを温めておくと、体温が下がる時間と入眠のタイミングとがちょうどよく重なります。

メラトニンは、体内時計を調整して睡眠へと誘導してくれるホルモン。夜に光を浴びると急速に合成が抑制されてしまうため、スマホなどは避けましょう。

〇適度な運動をする

ストレスは自律神経の乱れにとって大敵ですが、運動にはストレス発散効果があります。また、適度な疲労は睡眠の質を向上させます。運動が血流を促進したり、ホルモン分泌を促してくれたりする点も、自律神経を整える上で大切な要素です。

ストレス発散となる運動は、楽しく行える有酸素運動。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングやスイミング、ヨガやピラティスなどが良いでしょう。

運動するタイミングですが、朝にカラダを動かすことでその後1日の体内リズムがつくられるのでおススメ。夕方も、一日かけて体温が上がり筋肉が動かしやすい時間帯です。

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まとめ


  • 自律神経とは?
    〇交感神経
    ・昼間活発になる
    ・交感神経が優勢だと心身が活動的な状態
    〇副交感神経
    ・夜間活発になる
    ・副交感神経が優勢だと心身がリラックスした状態
  • 自律神経が乱れる原因は?
    ①ストレス
    ②生活習慣の乱れ
    ③加齢
    ④ホルモンバランス
  • 自律神経失調症の治療とは?
    ①薬物療法
    ②漢方療法
    ③心理療法
    ④生活習慣の改善
  • 自律神経を整えるには?
    〇生活習慣を見直す
    〇ストレスを緩和する
  • 生活習慣の改善
    〇生活リズムを整える
    〇食生活の改善
    〇質の良い睡眠を充分とる
    〇適度な運動



おわりに


最近、私の周りで自律神経の乱れから不調を訴える人が増えています。その原因は、生活習慣の乱れとストレスだということがお分かりいただけたと思います。

残念なことに現代の日本は、生活習慣の見直しが必要な人、常にストレスを抱えている人共に、急増。それに伴って自律神経失調症の罹患数も増加しています。

自律神経失調症の治療方法、自律神経を整える方法についてみてきました。今回の記事を参考にして、自律神経を整えていきませんか?

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