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自律神経①自律神経の乱れがもたらす不調とは?自律神経失調症の検査&治療についてもわかりやすく!

なんとなくやる気が出ない、イライラする、カラダが重だるくていつも調子が悪い、疲れがとれない…明らかな病気の原因は特定されないにもかかわらず、心身の不調を抱える人が増えています。

このような悩みは、自律神経の乱れが原因かもしれません。自律神経という言葉はよく聞くけれど、詳しいことはよく分からなくて…という方のために、分かりやすくまとめました。ぜひ参考にしてください。



自律神経ってなに?


神経とは?

神経細胞(ニューロン)は、細胞本体と神経線維でできていて、全身に糸のように張り巡らされています。神経は、中枢神経系と末梢神経系とに分類されます。

末梢神経は体性神経系と自律神経系に分けられ、体性神経系には運動神経と知覚神経があります。運動神経は自分の意思で動かすことができますが、自律神経は動かすことができません。

①中枢神経系
 
②末梢神経系
 〇体性神経系
 ・運動神経 
  骨格筋を働かせて運動を行う神経
 ・知覚神経
  痛みを伝える神経
 〇自律神経系
  呼吸、消化、血液循環などを調整
  する神経

神経線維の長さは地球4周分?!

脳の神経線維をつなぎ合わせると約16万km、地球4周分以上。全身の神経線維を足すと、とんでもない長さになるんです!!


神経の役割とは?

末梢神経系から得た情報を中枢神経系に送り、中枢神経系が分析・整理・判断し、その情報をまた末梢神経系が全身に送るという「情報ネットワーク」の役割を果たしています。常に情報のやりとりをしながら、私たちの生命活動を支えているんです。

①中枢神経系
〇末梢神経から伝達された情報を分析・整理・判断し、全身に指令を出す役割
〇脳と脊髄から成る
〇脳は頭蓋骨、脊髄は脊柱によって守られている

②末梢神経系
〇全身からの情報を脳に送る役割
〇中枢神経からの指令を全身に伝える役割
〇脳と脊髄以外の神経
〇全身の組織・機関に分布している


自律神経とは?

末梢神経系の一つである自律神経は、呼吸や消化といったあらゆる内臓器官、血管循環などを調整する神経です。自分の意志と関係なく、24時間休むことなく働きます。「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。

交感神経
・昼間活発になる
・交感神経が優勢だと心身が活動的な状態

副交感神経
・夜間活発になる
・副交感神経が優勢だと心身がリラックスした状態



自律神経が乱れると?


自律神経の乱れとは?

「自律神経が整っている」とは、交感神経と副交感神経のバランスがとれている状態のこと。これらのバランスが崩れると、カラダを調整するチカラが低下してしまいます。自律神経が乱れると、次のような症状があらわれることが多いです。

〇慢性的な疲れ
〇やる気が出ない
〇頭痛
〇めまい
〇動悸
〇吐き気
〇肩こり
〇腰痛
〇便秘または下痢
〇食欲不振
〇胃痛、不快感
〇不眠
〇体温調節ができない
(冷え、のぼせ、多汗)
〇手足のしびれ
〇血圧の異常
〇ドライマウス、ドライアイ
〇肌荒れ
〇風邪をひきやすい
〇メンタルが不安定
(イライラ、集中力低下、不安、焦り、うつ)


自律神経の4つのパターン

自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、そのバランスが1:1で保たれていると、安定している状態。交感神経と副交感神経のバランスには、次の4つのパターンが当てはまります。

① 交感神経と副交感神経、どちらも高い
② 交感神経が高く、副交感神経が低い
③ 感神経が低く、副交感神経が高い
④交感神経と副交感神経、どちらも低い

①交感神経と副交感神経どちらも高い

交感神経と副交感神経が働くべきところで働くという、健康的な状態。メンタル的にも意欲的。食欲もあり、寝つきも良い。疲れを溜め込むこともなく、体温も安定しています。

②交感神経が高く、副交感神経が低い

頑張りすぎタイプ。活動モードから休息モードへの切り替えがしにくい状態。力が入り過ぎているため、ストレスを抱えやすく、イライラしがち。寝つきが悪かったり、血流が悪くなって冷えや免疫機能の低下などが起こりやすくなります。

交感神経が低く、副交感神経が高い

のんびりタイプ。やる気がなく、カラダのだるさや眠気が続く状態。アレルギー症状やうつ状態になりやすいです。

④交感神経と副交感神経どちらも低い

無気力タイプ。活動モードと休息モードのメリハリをつけづらい状態。やる気がなく、万年倦怠感があります。空腹感を感じやすかったり、昼間に眠気に襲われたりします。


自律神経はなぜ乱れるの?

自律神経のバランスが崩れる大きな原因は色々ありますが、特に影響を及ぼすのが次の3つ。それに加えて、気温の寒暖差も影響していると言われています。

①ストレス
②生活習慣の乱れ
③加齢
④ホルモンバランス

①ストレス

ストレスは交感神経を優位にします。強いストレスにさらされ続けると、副交感神経への切り替わりがうまくいかなくなり、常に緊張状態になってしまうんです。

②生活習慣の乱れ

睡眠不足や昼夜逆転、不規則で偏った食生活、運動不足など、生活習慣が乱れると体内時計が狂ってしまい、副交感神経から交感神経への切り替わりがうまくいかず、倦怠感が抜けなかったり、やる気や集中力が低下したりなどの影響が出てきます。

③加齢

自律神経は加齢に影響を受けます。交感神経は歳を重ねてもその働きはほとんど変わりません。ところが副交感神経は、10年ごとに約15%働きが低下すると言われています。男性は20〜30代、女性は30〜40代にかけて急下降します。

つまり、副交感神経の働きは弱くなり、交感神経の働きは以前のままの状態なので、全体的なバランスが崩れてしまうというわけなんです。

④ホルモンバランス

ホルモンバランスが大きく変化する妊娠や更年期は、自律神経が乱れやすいです。特に更年期はホルモンバランスが崩れて自律神経も乱れるため、つらい症状が出る方が多いです。

更年期障害については、次の記事に詳しくまとめてありますので、ご覧ください↓↓

更年期とは?①更年期障害ってどんな症状?女性ホルモン「エストロゲン」が減るとどうなるの?

更年期とは?②更年期障害にならない人、なりやすい人がいるのはなぜ?症状を改善するための方法って?


自律神経が乱れるとなぜ不健康になるの?

自律神経のバランスが乱れると、なぜ様々な不調が現れるのでしょうか?主な原因は次の2点です。

①血流の低下
②腸内環境の悪化

①血流の低下

自律神経が乱れると、副交感神経の「血管を拡張する」という働きが低下し、血管の収縮が過剰になるため血の流れが悪くなります。

血流が悪くなると老廃物を運ぶことができないため、排出されなかった毒素が体内に溜まってしまいます。また、カラダの隅々の細胞まで栄養や酸素を届けることもできなくなります。

血流が低下することによるカラダへの影響については、こちらの記事をご覧ください↓↓

簡単にわかる血の話。健康に悪影響を及ぼす血行不良。血液の役割とは?なぜ血の巡りが悪くなるの?血流改善のために大切なこととは?

血行不良は万病のもと!!血管年齢が高く、ドロドロの血だとリスク大!!血流を改善するポイントとは?

②腸内環境の悪化

腸は、免疫機能やメンタルの状態と密接に関わっています。腸内環境を正常な状態に保つためのぜん動運動は、自律神経がコントロールしています。自律神経が乱れるとぜん動運動がスムーズに働かなくなり、腸内環境が悪化します。

自律神経と腸との関係について、詳しくはこちらの記事にまとめてありますので、参考にしてください↓↓

『腸活』しましょう!!腸と自律神経の深い関係とは?自律神経を整える2つのポイントって?

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自律神経失調症とは?


自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起こる様々な症状の総称のこと。次の4つのタイプに分類されます。

①本態性型自律神経失調症
②神経症型自律神経失調症
③心身症型自律神経失調症
④心身症型自律神経失調症


①本態性型自律神経失調症

生まれつき自律神経が乱れやすい体質の人。低血圧、虚弱体質、体力に自信がない人に多いです。


②神経症型自律神経失調症

心理的な要因によって自律神経が乱れる人。感受性が強く、些細な精神的ストレスやカラダの不調に過敏に反応してしまうタイプが当てはまります。


③心身症型自律神経失調症

原因は、日常生活におけるストレスを抑え込んでしまうこと。まじめで几帳面、責任感が強い人が当てはまります。自律神経出張賞において最も多くみられるタイプです。心身ともに症状があらわれます。


④抗うつ型自律神経失調症

ストレスを積み重ねることによってうつ症状を生じるタイプ。まじめで几帳面、完璧主義の方に多いです。心身症型自律神経失調症が進むと抗うつ型自律神経失調症になると言われています。頭痛・だるさ・食欲不振・不眠などの症状があらわれます。



自律神経失調症の検査って?



主に次のような検査があります。

①問診
②除外診断
③自律神経機能検査
④心理テスト


①問診

ほとんどの病院で、まずは問診を行います。ふだんの生活の様子や心身の状態などを聞かれることが多いです。


②除外診断

他の病気の可能性を除外するために次のような検査をします。

〇血液検査
〇脳波検査
〇心電図検査
〇超音波検査
〇画像検査


③自律神経機能検査

交感神経と副交感神経の反応性とバランスが分かります。両手首にクリップと上腕に血圧計用カフを装着し、立っている時と座っている時の血圧と心電図を測定します。自律神経に問題がなければ、両者の数値に大きな差は出ません。

また、とがったもので皮膚を引っかいた際にその跡がすぐに消える場合は問題ないのですが、赤くなったり腫れたりすると自律神経失調症の疑いがあると言われています。


④心理テスト

自律神経失調症は、精神状態が密接に関わっています。ストレス耐性などのテストによって精神面の検査をします。



自律神経失調症の治療と自律神経を整える方法


自律神経失調症の治療方法

自律神経失調症の主な治療方法は次のようになります。

〇薬物療法
〇漢方療法
〇心理療法
〇身体症状の緩和


自律神経を整えるには?

自律神経を整えるために大切なことは、次の通りです。

〇生活習慣を見直す
〇ストレスを緩和する

食事、睡眠、運動などの生活習慣を見直しましょう。自律神経が乱れる大きな原因はストレス。できるだけストレスを緩和できるように、ふだんから意識することが大切です。

詳しくは次の記事を参考にしてくださいね↓↓



まとめ


  • 神経とは?
    ①中枢神経系
    ②末梢神経系
    〇体性神経系
    ・運動神経 
     骨格筋を働かせて運動を行う神経
    ・知覚神経
     痛みを伝える神経
    〇自律神経系
    呼吸、消化、血液循環などを調整する神経
  • 神経の役割は?
    ①中枢神経系
    〇末梢神経から伝達された情報を分析・整理・判断し、全身に指令を出す役割
    〇脳と脊髄から成る
    〇脳は頭蓋骨、脊髄は脊柱によって守られている
    ②末梢神経系
    〇全身からの情報を脳に送る役割
    〇中枢神経からの指令を全身に伝える役割
    〇脳と脊髄以外の神経
    〇全身の組織・機関に分布している
  • 自律神経とは?
    〇交感神経
    ・昼間活発になる
    ・交感神経が優勢だと心身が活動的な状態
    〇副交感神経
    ・夜間活発になる
    ・副交感神経が優勢だと心身がリラックスした状態
  • 自律神経が乱れる原因は?
    ①ストレス
    ②生活習慣の乱れ
    ③加齢
    ④ホルモンバランス
  • 自律神経が乱れるとなぜ不健康になるの?
    ①血流の低下
    ②腸内環境の悪化
  • 自律神経失調症とは?
    ①本態性型自律神経失調症
    ②神経症型自律神経失調症
    ③ 心身症型自律神経失調症
    ④ 心身症型自律神経失調症
  • 自律神経失調症の検査
    ①問診
    ②除外診断
    ③自律神経機能検査
    ④心理テスト
  • 自律神経失調症の検査
    〇薬物療法
    〇漢方療法
    〇心理療法
    〇身体症状の緩和
  • 自律神経を整えるには?
    〇生活習慣を見直す
    〇ストレスを緩和する



おわりに


最近、私の周りで自律神経の乱れから不調を訴える人が増えています。その原因は、生活習慣の乱れとストレスだということがお分かりいただけたと思います。

残念なことに現代の日本は、生活習慣の見直しが必要な人、常にストレスを抱えている人共に、急増。それに伴って自律神経失調症の罹患数も増加しています。

そもそも神経ってなに?自律神経とは?今回の記事を参考にして、自律神経を整えていきませんか?

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