一日で出来る簡単『手作り 味噌』。これって白カビ?白い点々&つぶつぶが!!種類別に対処法をご紹介します
手作り味噌の表面に、白いものが発生することがあります。初めて見たときは何なのかが分からず、困惑しました。市販の商品と違って防腐剤が入っていないので、判断に悩むところ。
調べてみると、カラダに有害なものもあれば無害のものもあり…。今回ご紹介する『簡単味噌』は一日でできるため、「白いもの」が出来にくいというメリットがあります。
ただ、保存状態によっては発生し得るので、その正体と対処方法について書いていきます。ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
なぜお味噌が一日で出来ちゃうの?
通常は、数ヶ月から一年間熟成させて完成する味噌。それが一日でできちゃうんです!!不思議ではありませんか?
そのヒミツは、炊飯器やヨーグルトメーカーを使って作ること。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するから、早く仕上げることができるんです。
一日でできる『簡単味噌』。材料は大豆と米麹と塩の3つだけ。作り方も次の3ステップ。
〇大豆を茹でて
〇米麹と塩を加えて
〇発酵させるだけ!!
作り方については『一日で出来る!!簡単『味噌』の作り方』をご覧ください。
通常の味噌作りと異なる点は、短期間で発酵させるため、米麹の量が多いこと。そのため、よりマイルドな仕上がりとなります。
また、発酵時間が短いので出来上がりはさっぱりとした白味噌です。発酵時間を延長することで、熟成味噌に近づけることができます。
私が味噌を手作りする理由とは?
私が味噌を手作りし始めた理由は次の2点から。
①原材料にこだわることが出来る。
②作る過程が目に見える。
市販の味噌は、大量生産のために遺伝子組み換えや農薬などの心配があったので、国産の大豆を買って作りたかったんです。
塩についてもこだわることができます。私が選んだのは、食塩ではなくミネラル分の多い塩。水も水道水ではなく、浄水を使っています。
もちろん、化学調味料や保存料も無添加。安心していただくことができますね。
「白いもの」ってなに?
手作り味噌の表面に、白いものができた…という経験はありませんか?初めて見た方はまず「カビだ!」と思いますよね。私もそうでした。
発酵食品を手作りしていると、悩まされるのがカビ。せっかく作ったのに、泣く泣く廃棄した…という声もチラホラ聞かれます。
この「白いもの」の正体として考えられるのは次の3つです。順番にみていきましょう。
①産膜酵母
②チロシン
③白カビ
①産膜酵母とは?
産膜酵母とは酵母の一種で、白い膜を作り出す特徴があります。耐塩性があるため、味噌や醤油、梅干しなどの表面に発生することが多いです。
酵母とは?
食べ物に含まれる糖をアルコールと炭酸ガスに分解する働きをもつ菌のこと。自然界のあらゆるものに生息しています。パンやお酒を作ることで知られています。
②チロシンとは?
大豆に含まれているタンパク質が酵素によって分解され、チロシンというアミノ酸になります。
水に溶けにくい性質があり、小さなうろこ状の結晶として析出したものが白いツブツブに見えるのです。
味噌の種類や熟成の度合いによってできたりできなかったりします。5~15 ℃くらいの環境で、ゆっくりと発酵が進む場合に生じやすいと言われています。
湯がいたタケノコの表面ある白い粒状のものも、チロシンです。
③白カビとは?
「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。糸状の細胞を伸ばして広がり、胞子を飛ばして拡散します。
色で分類すると、黒カビ、赤カビ、青カビ、緑カビ、黄カビ、白カビの6種類になります。それぞれに特徴や違いがあり、カラダに有害なもの、無害なものがあります。
白カビは見た目がふわふわしていいます。青カビや黄カビの仲間であることがほとんどです。
有害?無害?対処法って?
産膜酵母、チロシン、白カビのいずれかであるとお伝えしました。それらは有害なのでしょうか?無害なのでしょうか?発生した場合、どのように対処したらいいのでしょうか?
①産膜酵母について
〇酵母の一種なので、カラダに害はありません。
〇熟成中は、そのままでも大丈夫だと言われています。ただ、旨味成分を栄養源とするため、時間がたつに従って商品が劣化します。私は途中で取り除いています。
②チロシンについて
〇アミノ酸の一種なので、無害です。
〇味噌の麹のチカラが強いほど出来やすく、熟成されている証拠です。取り除く必要はありません。
③白カビについて
〇カラダに有害なものと無害のものとがあります。
〇有害か無害かの判断は素人には難しいので、取り除きましょう。カビについては判断が難しいので、次の項でもう少し詳しく説明します。
白カビが生えたときの対処方法とは?
カラダに良いカビと悪いカビがある!!
カビには、カラダに良いカビと悪いカビがあります。例えば、麹菌もカビの一種。カラダに無害で有益なカビには、以下のものがあります。
〇コウジカビ
味噌や醤油、甘酒などをつくる。
〇アオカビ
チーズなどをつくる。抗生物質である「ペニシリン」の材料になる。
〇酵母
パンやビール、ワインをつくる。
ところが一方で、カラダに悪影響を及ぼすカビがあります。人体への影響としては、次の3種類が挙げられます。
①カビそのものによる感染症。
②カビによるアレルギー反応。
③カビ毒による影響。
①カビそのものによる感染症例
〇真菌性肺炎
〇白癬菌(はくせんきん)による皮膚真菌症=水虫
〇食道炎
〇胃腸炎
〇髄膜炎など
②カビによるアレルギー例
〇喘息
〇アトピー
〇アレルギー性鼻炎など
③カビ毒による影響
カビ毒とは、カビが作り出す代謝産物のうち、人や動物に対して有害な作用を示す化学物質の総称。病気を引き起こしたり、発がん性のカビ毒もあるんです。
白カビが生えた味噌は捨てるしかないの?
白カビが生えた味噌は捨てるしかないのでしょうか?答えは「NO.」。カビの部分を取り除けば、食べることができます。ただし、その方法には注意点があります。
白カビの取り除き方
カビは菌糸をはる生物なので目に見えない部分に根を張っていることが多いです。私はカビと一緒に1㎝くらい深く取り除くようにしています。
取り除いたあとは味噌を平たい状態に戻し、アルコールをスプレーしておきましょう。塩を振りかけておくことも有効です。
一日で出来る『簡単味噌』はカビ知らず?
一日で出来る『簡単味噌』はカビ知らず?!
通常の味噌は常温で長期間発酵させます。ちょうどカビが繁殖しやすい15~30℃の環境下に長い間置くことになります。
最初に紹介した通り、味噌を一日で作る場合、炊飯器かヨーグルトメーカーを使って発酵させます。50~60度で長くても24時間。
一日で出来る『簡単味噌』が「カビ知らず」だという理由。それは、
①カビが発生しずらい温度だということ
②カビが発生する間がないくらい短時間で出来あがるから
という2点からなんです。
味噌を作る際のカビ対策って?
炊飯器やヨーグルトメーカーで作る方法では、発酵期間中はほぼカビとは無縁なのですが、保存している間に発生してしまうことがあります。防止対策としては、次の3点が効果的です。
①使う道具を消毒する。
②保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
③出来上がったら冷蔵庫で保管する。
工夫① 使う道具をあらかじめ消毒する
なるべくカビが発生しないように、使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。
私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。
工夫② 保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く
カビが生えないように、保存容器の口をアルコールで拭きましょう。私は、純度の高い焼酎をキッチンペーパーに含ませてサッとなでるように拭き取っています。ホワイトリカーを使う時もあります。
工夫③ 出来上がったら冷蔵庫で保管する
カビが最も育つのは15~30℃。冷蔵庫の温度は、強弱などのモードにもよりますが、冷蔵室が約0℃~6℃、野菜室が約3℃~9℃です。常温に比べるとカビが繁殖しずらいんです。
冷蔵庫で保存する場合、味噌を大量に作ると場所をとってしまいます。一日でできる方法に出会ってからは、欲しいときに欲しい量を作れるので、そういう点でもメリットが大きいです。
まとめ
- なぜ一日でお味噌ができるの?
炊飯器やヨーグルトメーカーを使って作るから。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するため、早く仕上げることができる。 - 一日で出来る『簡単味噌』の作り方って?
〇材料は大豆と米麹、塩の3つ。
〇手順は次の3ステップ。
①大豆を茹でて
②米麹と塩を混ぜて加え
③発酵させるだけ!! - 「白いもの」ってなに?
①産膜酵母
②チロシン
③白カビ - 有害?無害?対処法って?
①産膜酵母
無害。ただし、風味が落ちるので取り除くといい。
②チロシン
無害。取り除く必要はない。
③白カビ
有害か無害か判断が難しい。取り除く。 - カビってなに?
〇「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称。
〇カラダに有益なカビと有害なカビがある!! - カラダに有益なカビは…
〇味噌や醤油、甘酒などをつくるコウジカビ。
〇チーズなどをつくったり、抗生物質である「ペニシリン」の材料になるアオカビ。
〇パンやビール、ワインをつくる酵母。 - 有害なカビがカラダに与える影響とは?
①カビそのものによる感染症
②カビによるアレルギー反応
③カビ毒による影響 - 一日で出来る『簡単味噌』が「カビ知らず」だという理由とは?
①発酵のための設定温度がカビが発生しずらい50~60度だということ。
②カビが発生する間がないくらい短時間で出来あがること。 - 味噌を作る際のカビ対策とは?
①使う道具をあらかじめ消毒する。
②保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
③出来上がったら、冷蔵庫で保管する。
おわりに
今回は手作り味噌の表面にみられる「白いもの」について詳しく見てきましたが、いかがでしたか?有害なものと、無害なものとがありましたね。
取り除くべきかどうか。廃棄すべきかどうか。自己判断に委ねられているので、悩ましいところ。今回の記事が参考になれば嬉しいです!!
私は10年以上自家製味噌を作っています。以前は1年に一度、寒い季節にまとめて作っていました。
ところが、一年分をまかなうだけの量を一度に作ることが出来ず…市販の味噌と半々で食べていたんです。
一日でできる『簡単味噌』にたどり着いてからは、欲しいときに欲しい分だけ作ることが出来るので、一気に悩み解決!!
保存しておくスペースも取らないし、カビに悩まされることもありません。熟成具合も、保温時間によって調整することができます。
まろやかでさっぱりした白味噌が好みであれば、発酵時間を短めに。深みのある熟成された味噌が良ければ、味見をしながら保温時間を延長します。
手作りの味噌は、塩の量も調整することができるので、最初は分量の通りに作ってみて、次回から自分好みの味を探してみるのも楽しいです。
使う大豆、米麹、水や塩にこだわることができるのも手作りならでは。材料や作る過程が目に見えるので安心していただくことができます。ぜひ手前味噌を作ってみてくださいね!!
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