驚くべき発酵パワー!!『とぎ汁乳酸菌』。これって失敗?失敗しないためのポイントって?に、お答えします!!
『腸活』という言葉ができるほど、健康や美容にとって腸内環境を整えることが大切であると、認識されるようになりました。
腸活に欠かせないのが発酵食品。納豆やヨーグルトなどを意識的に摂る方が増えています。
『とぎ汁乳酸菌』は米のとぎ汁に砂糖と塩を加えて発酵させたもの。食用だけにとどまらず、色々な用途で活躍してくれる万能液です。
発酵食品の作り方は至ってシンプル。ところが失敗しないためには、ちょっとしたポイントを抑える必要があるんです。また、成功しているかどうかの見極めに迷うこともあります。
本記事では、『とぎ汁乳酸菌』を「失敗」というキーワードから紐解いていきますね。
この記事の目次
『とぎ汁乳酸菌』ってなに?
『とぎ汁乳酸菌』をご存知ですか?まずは「よくわからなくて」という方のために、簡単に説明しましょう。
『とぎ汁乳酸菌』ってなに?
とぎ汁乳酸菌は、お米を研いだときの「とぎ汁」にエサとなる砂糖と塩を加えて乳酸発酵させたもの。
材料は米のとぎ汁、砂糖、塩の3つだけ。作り方も次の2ステップ。とてもシンプルです。
①米のとぎ汁に分量の塩と砂糖を入れて
②撹拌して発酵させるだけ
使うのは、一般的に捨ててしまうことが多い「米のとぎ汁」。お財布にも優しいんです。
自分で発酵させるというのはハードルが高そうですが、ポイントをおさえれば簡単に作ることができます。
詳しい作り方については「万能な発酵液『とぎ汁乳酸菌』の作り方。3つの材料&2ステップで!!」をご覧ください!!
『とぎ汁乳酸菌』の4つの効果と6通りの使い方
『とぎ汁乳酸菌』に期待できる効果としては
①腸内環境を整える効果
②汚れを落とす効果
③消臭効果
④美肌効果
が挙げられます。これらを利用して、主に次のような使い方をすることができます。まさに万能液なんです!!
①食用する(飲む、料理に使う)。
②洗剤のかわりに使う。
③消臭剤として使う。
④入浴剤として使う。
⑤化粧水として使う。
⑥植物の肥料や病害虫の予防に。
詳しくは「驚くべき発酵パワー!『とぎ汁乳酸菌』は万能です!!5つの使い方をご紹介します」にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
『とぎ汁乳酸菌』が成功した状態って?
発酵食品を作っていて、どの状態が完成なのか、判断しかねるときがありませんか?一般的に言われているのは、蓋を開けた際に、次のような状態になっていること。
〇炭酸の「プシュッ」という音がする
〇甘酸っぱいニオイがする
また、pHをはかるという方法もあります。酸性になっている目安は、pHが3.5以上と言われています。
『とぎ汁乳酸菌』が失敗した状態って?
逆に、失敗とはどのようなことを指すのでしょうか?よく聞かれるのは次の3つ。
①発酵しない。
②明らかに違和感を感じる状態である。
③保存容器が爆発してしまった。
①発酵しない
発酵時に保存容器のふたを開けたとき、まったくガスが発生していない場合は、発酵が上手に進んでいない可能性があります。
②明らかに違和感を感じる状態
次のような違和感を感じたときは、雑菌が混入している可能性が高いので、口にせず、廃棄してください。
〇悪臭がする
〇カビが生えている
〇明らかに変な味がする
発酵食品は、理論上では腐らない!?
理論上では、発酵食品は腐らないとされています。なぜなら、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。
これを「菌の拮抗作用」と呼びます。ただし、あくまでもきちんと管理したうえでのこと。一般家庭においては、衛生状態などはそれぞれなので注意が必要です。
保存容器が爆発してしまった
発酵途中で発生するガスが密閉された容器に充満すると、破裂するという失敗もよく聞かれます。特にガラス容器は割れて破片が飛び散ることがあるので大変危険です。
失敗しないためのポイントとは?
失敗しないためにできることはあるのでしょうか?事前にできる対策についてみていきましょう。
①「発酵しない」を改善するポイント
発酵を上手に進めるには、必要な条件や適した環境があります。『とぎ汁乳酸菌』の場合は、次の点に気をつけてみてください。
〇浄水を使う。
〇未精製の砂糖を使う。
〇未精製の塩を使う。
〇温度管理に気をつける。
〇浄水を使う
水道水は塩素が含まれているため、乳酸菌が繁殖しずらく、失敗する可能性があります。ミネラルウォーターや浄水器を通した水を使いましょう。
〇未精製の砂糖を使う
乳酸菌や酵母の細胞を作るためには、ミネラルが必要です。アミノ酸やミネラルが含まれている黒糖や粗糖など「未精製の砂糖」を使うことがのぞましいです。「白砂糖」は精製されてミネラルが取り除かれています。
〇未精製の塩を使う
乳酸菌や酵母の細胞を作るためには、ミネラルが必要です。塩化マグネシウムや塩化カリウムを含んでいる「あら塩」を使うことがのぞましいです。「食塩」は精製されてミネラルが取り除かれています。
〇温度管理に気をつける
乳酸菌が最も活発に働く温度は、35~40度。温度が低すぎると活動が鈍くなり、逆に高すぎると菌が死滅してしまうことがあります。ご家庭によって室温は様々。季節による寒暖差も大きいです。発酵をスムーズに進めるためには、適温にすることが大切です。
②「明らかに違和感を感じる」を改善するポイント
発酵させる過程で、カビが生じることがあります。また雑菌が混入して乳酸菌よりも強く働いてしまうことがあります。
使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。
③「保存容器が爆発してしまった」を改善するポイント
発酵の過程でガスが発生します。放っておくと爆発して保存容器が破損してしまったり、ふたを開けたときに中身が飛び散る可能性があります。
ガラス容器が破損すると危険です。くれぐれも注意してくださいね。爆発を予防する方法としては
〇保存容器の八分目までにする。
〇こまめにガス抜きをする。
完全にふたを開けるとあふれることがあるので、少しだけ緩めてガス抜きをします。プシュっと音がしたらOKです!!
発酵と腐敗の違いって?
「発酵」と「腐敗」には、どのような違いがあるのかご存知ですか?実は…発酵と腐敗は、科学的なメカニズムが同じなんです!!
『発酵』とは?
そもそも、『発酵』のメカニズムとは、どういうものなのでしょうか?
発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
発酵の過程で
①消化・吸収がよくなります。
②栄養価が加わります。
③うまみが加わります。
④保存性がよくなります。
とぎ汁乳酸菌の材料は、お米のとぎ汁ですね。つまり「米ぬか」。米ぬかにはもともと乳酸菌が常在しています。砂糖を加えて発酵させることで、糖を分解して乳酸を生成しながら増殖します。こうしてできたものが、『とぎ汁乳酸菌』です。
腐敗って?
そして実は腐敗も同じく、物質が微生物のはたらきによって分解されたり変化したりして、「新しい物質」を生成するというメカニズム。
この「新しい物質」が、人間にとって有益なものの場合発酵と呼ばれ、人間にとって有害なものの場合腐敗と呼ばれているんです。
腐敗は、人間に害を与える雑菌が増えたもの。食中毒などを引き起こします。
発酵と腐敗を分かりやすくまとめると…
発酵と腐敗のメカニズムは同じ。微生物の働きによる食材の変化の結果
〇人間にとって有益な物質だと「発酵」
〇人間にとって有害な物質だと「腐敗」
つまり、私たち人間の捉え方によって、発酵なのか?腐敗なのか?を決めているということですね。いくつか具体的にみてみましょう。
〇蒸した大豆に、枯草菌を生やして納豆が作られる場合には発酵と呼ばれますが、煮豆を放っておいて枯草菌が生え、ネトやアンモニア臭がしたときは腐敗と呼ばれます。
〇牛乳に乳酸が蓄積して凝固したものは、ある時は発酵と呼ばれますが、ある時は腐敗と呼ばれます。
〇同じ乳酸菌でも、ヨーグルトや味噌が作られる場合は発酵ですが、これが清酒中で増殖する場合は火落ちといって、腐敗を意味します。
「たしかに、たしかに」と、うなずいちゃいますね。
まとめ
- 『とぎ汁乳酸菌』ってなに?
お米を研いだときの「とぎ汁」にエサとなる砂糖と塩を加えて乳酸発酵させたもの。 - 『とぎ汁乳酸菌』の作り方って?
〇材料は、米のとぎ汁、塩、砂糖のみ。
〇手順は次の2ステップ。
①米のとぎ汁に分量の塩と砂糖を入れて
②撹拌して発酵させるだけ - 『とぎ汁乳酸菌』の6通りの使い方
①食用する(飲む、料理に使う)。
②洗剤のかわりに使う。
③消臭剤として使う。
④入浴剤として使う。
⑤化粧水として使う。
⑥植物の肥料や病害虫の予防に。 - 『とぎ汁乳酸菌』が成功した状態って?
〇炭酸の「プシュッ」という音がする
〇甘酸っぱいニオイがする
〇pHが3.5以上で酸性になっている - 『とぎ汁乳酸菌』が失敗した状態って?
①発酵しない。
②明らかに違和感を感じる状態である。
③保存容器が爆発してしまった。 - 失敗しないためのポイントとは?
①「発酵しない」を改善するためのポイント
〇浄水を使う。
〇未精製の砂糖を使う。
〇未精製の塩を使う。
〇温度管理に気をつける。
②「明らかに違和感を感じる」を改善するポイント
〇使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておく。
③「保存容器が爆発してしまった」を改善するポイント
〇保存容器の八分目までにする。
〇こまめにガス抜きをする。 - 発酵と腐敗の違いって?
微生物の働きによる食材の変化の結果
〇人間にとって有益な物質だと「発酵」
〇人間にとって有害な物質だと「腐敗」
おわりに
『とぎ汁乳酸菌』の用途はいくつもあります。飲んだりお料理に使ったり、健康食品として。掃除や洗濯の際の洗剤代わりに。消臭剤としての役目も果たします。
美肌効果もあるので、化粧水や入浴剤としても。本当に万能なんです!!知れば知るほど魅力的。常備しておくととても便利です。
『とぎ汁乳酸菌』は市販されていないので、自分で作ることになります。発酵と腐敗は同じメカニズム。カラダに有効か有害かは、個人的な判断に委ねられています。
失敗とはどんな状態なのか、失敗しないためのポイントって?今回の記事が、みなさんが判断される際の参考になれば嬉しいです。
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、とぎ汁乳酸菌の作り方は至って簡単。ぜひ、作ってみてくださいね!!
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