お砂糖不使用なのになぜ甘い?『発酵あんこ』の 甘さのひみつ!!
ダイエット中の共通の悩みは、やめたいのにやめられないスイーツ。
どうしても甘いものを食べたいときに、お砂糖不使用の『発酵あんこ』は力強い味方です。
ところで発酵あんこは、お砂糖が入っていないのに、なぜ甘く仕上がるのでしょうか?
不思議ですね。今回は、その理由を説明しましょう。そして、もうひとつ。
私が発酵あんこを作ったとき、甘みが足りなくて失敗したことがありました。作り方によっては、甘くならない場合もあるんです。
なぜ甘く仕上がらなかったのか?
その原因と失敗しない方法についてもお話ししたいと思います。発酵あんこを作るときの参考にしてくださいね!!
この記事の目次
- 1.発酵あんこって何?
- 2.発酵あんこは砂糖不使用なのに、なぜ甘いの?
- 3.甘くない発酵あんこができた理由って?
- 4.まとめ
- 5.おわりに
発酵あんこって何?
発酵あんこは、お砂糖を使っていないのに甘くておいしい不思議なあんこです。作り方はシンプルで簡単。煮た小豆に米麹を加え、発酵させるだけ。
詳しい作り方については、「お砂糖不使用!!『発酵あんこ』の作り方~3つの材料&2ステップでできちゃいます」を参考にしてください。
あずきを煮ても、お砂糖を入れなければ甘くなりません。ところが、煮たあずきに米麹を加えて発酵させると、とたんに甘くなるんです。
つまり発酵あんこは、発酵の力をかりて甘くなっているということですね。
発酵あんこが人気な理由は、「お砂糖が入っていない」というだけではありません。
あずきや米麹には、それぞれ豊富な栄養素が含まれており、健康や美容にとても有効。
さらにこの二つを合わせて発酵させることで、カラダに与える良い影響が倍増するからなんです!!
発酵あんこの効果・効能については「お砂糖を使っていない『発酵あんこ』。気になる効果・効能を、3つのポイントから解説します!!」に詳しくまとめてありますので、参考にしてください。
発酵あんこは砂糖不使用なのに、なぜ甘いの?
優しい甘さの発酵あんこ。お砂糖を使っていないのに、なぜ甘いのでしょうか?
その答えは
麹菌が作り出す酵素が、発酵の過程であずきのデンプンを分解して糖に変化させるから。
もう少し詳しくみてみましょう。
発酵とは?
発酵食が体に良いということは、メディアなどで取り上げられ、広く知られるようになりました。
納豆やヨーグルト、お味噌などを意識的に日々の食卓に取り入れる方が増えています。
ところが改めて、「発酵ってなに?」と聞かれると、答えに困りませんか?発酵とは
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって
有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され
別の物質に変化することをいいます。
では、発酵にはどんなメリットがあるのでしょうか?
発酵の過程で
〇うまみが加わります
〇栄養価が加わります
発酵させると
〇消化がよくなります
〇保存性がよくなります
こうして見てみると\いいことづくめ/ですね。
米麹ってなに?
茹でたあずきと米麹を合わせて発酵させると、発酵あんこになります。同じように
大豆と米麹を合わせて発酵させると、お味噌に。
お塩と米麹を合わせて発酵させると、塩麴に。
お米と米麹を合わせて発酵させると、甘酒に。
私も発酵食品を作るときには、よく米麹を使います。大活躍ですね。
ところで、米麹って何でしょう?米麹を一言で説明すると
蒸したお米に麹菌を種付けし、繁殖させて、発酵したもの。
米麹をつくるのに使われる麹菌は「ニホンコウジカビ」という日本特有の菌で、国菌にも指定されています。
茹でたあずきに米麹を加えると甘くなるわけは?
米麹の麹菌は、たくさんの酵素を生み出します。そのうちの一つがアミラーゼ。
この酵素が発酵の過程で、あずきのデンプンを糖に変える働きをします。
発酵あんこがお砂糖を加えていないのに甘くなったのは、この働きが理由なんです!!
ちなみに「飲む点滴」と言われる甘酒。お砂糖を入れないのに甘くなる原理も同じです。
発酵と腐敗の違いって?
実は、発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです!!
発酵:微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
腐敗:微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。
甘くない発酵あんこができた理由って?
さて。私がはじめて発酵あんこを作ったとき、全然甘くなくて、失敗しちゃったんです。原因を調べると、これにはちゃんと理由がありました。
その答えは
発酵の過程で酵素が働かず、デンプンを糖に分解できなかったから。
なぜ酵素が働かなかったのでしょう?それは
発酵時の温度調整に失敗したから。
詳しくみていきますね。
酵素は失活するんです!!
多くの酵素は60~70度で失活します。酵素の活動が止まると、デンプンを分解してくれなくなります。
つまり糖ができなくなるので、発酵あんこは甘くなりません。
逆に50度以下でも、酵素の働きは鈍くなってしまうんです。
発酵に最適な温度って?
それでは、発酵に適した温度はいったい何度なのでしょうか?その答えは
50~60度!!
麹菌が作り出す酵素アミラーゼ。この酵素が活発に活動する温度が50~60度なんです。
この温度だと、たくさんのデンプンが分解されて糖に変化するので、発酵あんこが甘くなるんです。
つまり温度が高すぎても低すぎても、分解が行われないため、NGだということですね。
発酵あんこを作ったのに甘くならなかった…という方は、ぜひ発酵時の温度調整を試してみてください。
まとめ
- 発酵あんこって何?
発酵あんこは、お砂糖を使っていないのに甘くておいしい不思議なあんこ。
作り方はシンプルで簡単。煮た小豆に米麹を加え、発酵させるだけ。 - 発酵あんこは砂糖不使用なのに、なぜ甘いの?
麹菌が作り出す酵素が、発酵の過程であずきのデンプンを分解して糖に変化させるから。 - 甘くない発酵あんこができた理由って?
発酵時の温度調整がうまくいかなかったから。
発酵に最適な温度は50~60度。それ以下か、それ以上だと酵素が働かず、デンプンを糖に分解できないから。
おわりに
お砂糖不使用の『発酵あんこ』。なぜ砂糖が入っていないのに甘いのか、お分かりいただけましたか?
発酵のチカラってすごいですね。
発酵あんこはダイエットに効果的なのはもちろん、健康維持に欠かせない栄養素もいっぱい詰まっているので、ぜひ手作りしてみてください!!
発酵あんこの作り方については、「お砂糖不使用!!『発酵あんこ』の作り方~3つの材料&2ステップでできちゃいます」をご覧ください。
私の失敗が、みなさんの成功につながりますように。
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