お砂糖を使わない『発酵あんこ』…甘くない!!苦い!!こんな失敗をしないための工夫をまとめました
メディアで紹介され、注目されている発酵あんこ。お砂糖を使っていないため、とてもヘルシーだと人気なんです。
発酵あんこはスーパーでは売られていないので、自分で作ります。
材料も手順もとてもシンプルなのですが、発酵食品を手作りするのに、はじめはちょっとしたポイントをおさえる必要が。
実は私も、はじめて発酵あんこを作ったときは失敗でした。できあがりを食べてみると
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苦い!!
甘くない!!
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残念な結果に…。
〇なぜ失敗したのでしょうか?
〇どうすればおいしく作ることができるのでしょうか?
私の体験をふまえて、お伝えしていきますね。
この記事の目次
- 1.発酵あんこの作り方
- 2.失敗① 発酵あんこが苦い
- 3.失敗② 発酵あんこが甘くない
- 4.おいしい発酵あんこをつくるコツ
- 5.まとめ
- 6.おわりに
発酵あんこの作り方
市販のあんこや和菓子は、パッケージに貼られている原材料をみると、たいてい一番最初に「砂糖」と書かれています。
原材料は、一番使用量が多いものから表示されているので、お砂糖がたっぷり入っているということですね。
発酵あんこは、お砂糖を使っていないのに優しい甘さ。それは「発酵」のおかげなんです。
発酵あんこはスーパーでは売っていないので、自分で作ります。
材料は2つ。小豆と米麹。そして手順も2ステップ。小豆を煮て、米麹を加え、発酵させたらできあがりです。
まずは、基本的な作り方を簡単に説明しましょう。
【材料】
〇小豆 200g
〇米麹 200g
〇水 600㏄(400㏄+200㏄)
【用意するもの】
〇ザル
〇炊飯器
〇ふきん
【作り方】
①小豆をサッと洗ってザルにあけます。
②炊飯器の内釜に小豆と水400㏄を入れ、玄米モードで炊きます。
玄米モードがない場合は、通常の炊飯モードで二度炊きします。指でつぶせる固さになればOK。
③煮あがったら水200㏄を加え、小豆をつぶしながら混ぜて60度まで冷まします。
④米麹を加え、均一になるまでよく混ぜます。
⑤炊飯器のふたを開けたまま、ぬれぶきんをかぶせ、保温モードで発酵させます(50~60度で8時間以上)。
途中何度か、乾燥しないようにぬれぶきんをかけ直します。そのときに軽く混ぜます。水分が足りないようであれば足しましょう。
⑥発酵したらしゃもじですりつぶしながら混ぜます。つぶあんの完成です!!
⑦さらにひと手間『こしあん』に少量の水を加えて、フードプロセッサーにかけたら、こしあんになります。
詳しい作り方については、「お砂糖不使用!!『発酵あんこ』の作り方~3つの材料&2ステップでできちゃいます」を参考にしてください。写真つきで説明しています。
失敗① 発酵あんこが苦い
発酵あんこが苦い理由とは?
発酵あんこは、なぜ苦くなってしまったのでしょうか?その答えは「渋切り」をしなかったから。
※発酵あんこの作り方の手順には、渋切りはあえて入れてありません。その理由はこのあと説明しますね。
発酵あんこの材料であるあずきの外皮には、サポニンという成分が含まれています。
サポニンは、体に良い効果をもたらしますが、残念ながら苦みや渋み、えぐみの原因になるんです。
このサポニンを取り除くことで、苦みはほぼなくなり、食べやすくなります。
サポニンの健康効果・効能って?
サポニンは殺菌点・抗菌作用に優れています。漢方薬などにも使われ、カラダに良いと言われています。
主な効果・効能は次の通りです。
・肥満を予防する。
・コレステロール値を下げる。
・血流を改善する。
・免疫力を高める。
・肝機能を高める。
・咳や痰を抑制する。
苦みをなくすにはどうしたらいいの?
サポニンを取り除くには、小豆を煮るまえに、「いったん茹でこぼして、その汁を捨てる」という工程を加えます。
この作業を渋切りと言います。
渋切りの方法って?
渋切りは、煮る前の小豆を短時間茹でこぼすこと。手順は次の通りです。
①お鍋に小豆と、小豆が浸るくらいの水を入れて火にかけます。
②沸騰させ、5分位そのままに。
③お湯を捨て、ザルにあけます。
渋切りをするデメリットも
渋切りをすると、たしかに苦みや渋み、えぐみはなくなります。ところが同時に、含まれる栄養素も流してしまうことに。
渋切りをせずに小豆を炊く方が、より高い健康効果を得られます。私が発酵あんこの作り方の手順に、渋切りを入れていない理由がこれなんです。
渋切りをするかしないかは、悩ましいところですね。
失敗② 発酵あんこが甘くない
できあがった発酵あんこは、なぜ甘くなかったのでしょうか?その原因は、発酵がうまくいかなかったから。
お砂糖不使用発酵あんこがどうして甘いのかというと、それは発酵のチカラなんです。
発酵ってなに?
発酵食品がカラダに良いことは、広く知られるようになりました。でも、発酵ってなに?と聞かれると、詳しく説明できる方は少ないのではないでしょうか?
発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
これに、発酵あんこができる過程で何が起きているかを当てはめてみると
「微生物=米麹の麹菌」の働きによって
「有機物=デンプン」が分解されて
「別の物質=糖」に変化した
ということになります。お砂糖を使っていない発酵あんこが甘い理由はこれなんです!!
さらに詳しく説明すると、有機物が分解されるのは、酵素のチカラ。
発酵菌は、たくさんの酵素を作ります。その酵素が有機物を分解してくれるんです。
発酵あんこが甘くなかった原因は?
先ほど、発酵あんこが甘く仕上がらなかったのは、「発酵がうまくいかなかったから」だと書きました。
言い換えると、発酵菌が作る酵素がちゃんと働くことができなかったから。
つまり、アミラーゼという酵素が、デンプンを糖に分解することができなかったことが原因なんです。
それはなぜなのでしょう?
発酵には適した温度があります!!
発酵には、発酵が進む温度と、その活動が遅くなったり、止まってしまう温度とがあります。
発酵が進む温度とは、つまり発酵菌が活発に動くのに適した温度。
多くの酵素は60~70度で失活します。活動が止まるとデンプンを分解してくれなくなるので糖ができず、甘くなりません。
逆に50度以下でも、酵素の働きは鈍くなります。
酵素が活発に活動する温度は50~60度。つまり温度が高すぎても低すぎても、NGだということですね。
これを押さえておかないと、発酵がうまくいかず、甘さが足りなくなるんです。
温度管理に気をつけるのはここ!!
発酵あんこを作るときの手順のなかで、具体的に気をつける場面は2カ所。それは、煮た小豆に麹を加えるときの温度と、発酵させているときの温度です。
〇煮た小豆に麹を加えるとき
60度以下に冷ます
〇発酵させるとき
50~60度を保つ
おいしい発酵あんこをつくるコツ
私の失敗をもとに、ポイントを2つお話しました。その他に、発酵あんこを作るときに気をつけていることを3つ挙げますので、ぜひ参考にしてくださいね。
〇小豆をよく煮る
〇水加減はお好みで
〇こしあんにするには、ブレンダーかフードプロセッサーで!!
小豆をよく煮る
甘みが足りない原因は「温度調整」に大きな原因があると書きましたが、もう一つ気をつけたいことがあります。それは
小豆が固いと、甘みが足りなくなってしまう
ということ。最初に発酵あんこを作ったとき、炊飯器の早炊きモードを使いました。二度炊きしたんですが、それでも固くて。
そのまま発酵させたんですが、甘みが足りず、おいしくなかったんです。
二度目は反省を生かして小豆をしっかり煮てみたら、甘みが増しておいしくできました!!
ポイントは、指でつまんで潰せる固さになるまで炊くこと。
私はいつも、炊飯器の玄米モードを使っています。これだと、ゆっくりと時間をかけて炊いてくれます。
圧力釜やお鍋で煮る場合も、このポイントを参考にしてくださいね。
水加減はお好みで
「発酵あんこの作り方」で書いた水加減は、あくまでも参考にしてください。
わが家でも、子どもたちは「ちょうどいい」と言い、主人は「もう少し水分が欲しいなぁ」と言っています。
発酵させる季節やお部屋の状況によって湿度は様々。その時々で、微妙な違いが生じます。乾燥し過ぎると、おいしくなくなります。
発酵させている間に、ぬれぶきんをかけ直したり、かき混ぜたりすると思います
。このときに水分が足りていないようなら、足してあげましょう。
こしあんにするには、ブレンダーかフードプロセッサーで!!
発酵あんこの出来上がりは、つぶあんの状態。お好みで簡単にこしあんに出来ます。私はここで失敗しました。
写真のようなミキサーでこしあんにしようと思ったのですが、多めの水分を加えないと回らなくて、やわらかくなりすぎてしまいました。
こしあんにするときはブレンダーか、下の写真のようなフードプロセッサーがおススメです!!
まとめ
- 発酵あんこの作り方
〇材料は?
小豆と米麹と水。
〇手順は?
2ステップ。小豆を煮て、米麹を加え、発酵させたらできあがり。 - 失敗① 発酵あんこが苦いのは?
〇原因は?
小豆を煮るまえに「渋切り」をしなかったこと。
〇対策は?
渋切りをする=苦みや渋み、えぐみの原因となるサポニンを取り除くため、小豆をいったん茹でこぼし、その汁をすててから煮る。
〇渋切りのデメリットは?
汁と一緒に、栄養素も流してしまうことになる。 - 失敗② 発酵あんこが甘くないのは?
〇原因は?
発酵がうまくいかなかったこと。
〇対策は?
麹菌が作る酵素がデンプンを糖に分解できるよう、以下の通りに温度管理する。
・煮た小豆に麹を加えるときは、60度以下に冷ます。
・発酵させるときは、50~60度を保つ。 - おいしい発酵あんこをつくるコツは?
〇小豆をよく煮る指でつまんでつぶせる固さになるまで、しっかり煮る。
〇水加減はお好みで発酵させている間、乾燥しているようなら、水分を加える。
〇こしあんにするときブレンダーかフードプロセッサーを使う。
おわりに
お砂糖を使わないのに優しい甘さの発酵あんこ。はじめて作ったとき、甘くないうえに苦みもあって、失敗してしまいました。
なぜ失敗したのか?
どうすればおいしく作ることができるのか?
詳しくみてきましたが、参考になりましたでしょうか?私の体験が、みなさんの成功につながりますように。
発酵あんこはダイエットに効果的なのはもちろん、健康維持に欠かせない栄養素もいっぱい詰まっているので、ぜひ手作りしてみてくださいね!!
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